森のかけら | 大五木材


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20160207 1用材としてのみ木を追いかけていた頃は気にもかけることもありませんでしたが、【森のかけら】など自社で小物のクラフト商品を作るようになってから、端材だけでなく樹形、葉っぱ、切り株、小枝など普通の材木屋にとっては価値がないとされていたモノにも目がいくようになりました。クルミの葉痕もそのひとつで、昔ならば目に入っていたとしても心には届いておらずという状態だったと思いますが、遅まきながらようやくそんな木の味わい方を知ることが出来るようになりました。

 

20160207 2サワグルミという名前の由来から、沢沿いとか川沿いになどの湿地帯が主な分布地で、公園や街路樹などの用いられることもほとんどないのですが、稀に標高1500m付近の山の稜線付近に見られることもあるとか。造園に使われないのは、他のクルミのような実がならないからかも。窪地や谷地に生えて、トチノキカツラ、シオジなどと混生し、畦畔(けいはん)林を構成しますが、他の木が樹齢数百年を超える古木になる一方、サワグルミはせいぜい樹齢百十数年と比較的短命。

 

20160207 3そんなサワグルミなんですが、意外にも身近なところにあって、先日も近場で伐採するのでいらないかとのご連絡があり、愛媛産のサワグルミの丸太を入手しました。直径300㎜程度の丸太ですが、【森のかけら】や『森のこだま』などを作るには十分なサイズ。何に利用するのかということよりも、地元産のサワグルミを入手出来たという事実が大事で、現在はまだ板に再割りして桟積みして天乾中ですが、何に使うか、使えるかこれからゆっくりと思案してみるつもり。

 

20160207 4私がまだ若い頃、全国の産地を巡りいろいろな生産者に出会い、知らなかった樹種に触れるのが楽しみでした。今まで本などでしか見ることのなかった材に、直接触れてその利用方法を知ることができるのは、広葉樹後進県の愛媛の材木屋としては日々目から鱗がはがれる気持ちでした。いろいろな樹の事をもっと知りたいと情報に飢えていた中で、私がサワグルミの事を意識するようになったのは、まだ若い頃に出会った東北のある企業の取り組みを知ってから。その材木屋さんは、東北のサワグルミに大きな可能性を感じていたのです。その話についてはまた日を改めて。




今日のかけら・#049【沢胡桃/サワグルミ】 クルミ科サワグルミ属・広葉樹・岩手産

SAWAGURUMI NO KAKERA

 

 

 

 

 

 

 

20160206 1

本日はもうひとつのクルミサワグルミの話。近場での入手が難しいと考え、原木の取り扱いがあるという北海道の製材工場にお願いして材を送っていただくことにしました。知り合いの材木や仲間に訊いても、ほとんど使用経験がないとか、取り扱い実績もないとのことで、私自身も(販売用としてではなく、見本的な意味で)たまたま手に入れた薄い板しか実物を見たことがありませんでした。それもそのはず、用途としては色白で清潔感もあることからマッチの軸木など小物がほとんど。

 

20160206 2軽軟で切削性がいいことから、食品を包む薄経木などにも使われます。また愛媛県の久万高原町の一部では、『ゲタキ』と呼ばれることもありますが、それは材が白くて軽軟なことから下駄を作るのに適していることからついた方言名ということで、実際に下駄材としての実用事例もあるようです。そのことから、ある地域においては『山桐(ヤマギリ)』の名前で呼ばれることもあります。他にも『川胡桃、皮胡桃(カワグルミ)』の方言名もあるなど呼び名も多彩です。

 

20160206 3これはサワグルミの樹皮がよく剥げること、それが小屋の屋根噴きの材料に使われる有用な樹皮であることから皮グルミに由来するとも言われています。実はこの別名の多さも、【森のかけら】の樹種リストを決める際のネックとなって、それが同じ木を言い表しているのか、別々の木のことなのかよく分かりませんでした。更に見た目が色白で年輪も不明瞭なことから、よく『シナノキ』に似ているとか、それより少し硬い程度などと、比較材としてしばしばシナノキの名前が上がります。

 

20160206 4加工は容易であるものの、油っ気がなくてパサパサした質感なのと、変色や腐食が入りやすいため大きな材が入手しにくいという問題があります。そういうこともあって、いまひとつ出口が定まっていないのがモッタイナイところです。ところで、材としてよりも樹としての被写体としてもサワグルミは有名です。交流のある北海道在住の森の写真家・小寺卓矢さんの写真集にも掲載されていましたが、オニグルミ・サワグルミの葉痕は獣面状、猿面状など個性的な形状を呈します




★今日のかけら番外篇・E27 【野胡桃/ノグルミ】 クルミ科モクルミ属・広葉樹・愛媛産 

 

20160205 1本日は、【森のかけら】に加えてあげることの出来なかった負い目から、ずっと気になっていた「もうひとつのクルミ」の話の続きです。ノグルミこと、『ノブノキ』について。ノグルミの名前の語源については昨日説明しましたが、(愛媛、高知あたりで)方言として使われる『ノブノキ』の語源については明らかではないようですが、高知県出身の植物学者の牧野富太郎博士によれば、漁網の染色防腐用のタンニンの原料として樹皮や根皮を利用していたため、野に生える渋みから

 

20160205 2つまり、「ノシブノキ(野渋の木)」が省略される形で「ノブノキ」になったのではないかというもの。愛媛県内では地域によっていくつかの呼び名があって、肱川町では「ミヤマグリ」。これは、樹皮にタンニンが含まれていることと、薪に使うと割裂しやすいことからクリの代用とされたためではないかと。また、わが故郷の西予市野村町では、「イヌセンダ」とも呼ばれますが(私は直接その名前で呼ばれるのを聞いたことはありませんが)、これは葉の形がセンダンに似ているからだとか。

 

20160205 3高知県の一部の地域でも同様の方言名が使われていますが、梼原町では「ノブノキ」、あるいは「ノブ」と呼ばれていました。愛媛の南予一帯では「ゲタギ」とも呼ぶそうですが、それはこの木がかつて下駄に使われていたためだとされています。下駄に使われるということは、下駄の主材料のホオやキリなどと同じようにある程度軽軟であることが求められると思うのですが、弊社で現天然在乾燥させているノブノキは結構な重さがあります。しっかり乾燥すればかなり軽くなるのかしら?

 

20160205 4調べてみると、その用途はサワグルミ同様に、マッチの軸木や薪炭、椎茸のホダ木など(樹皮は染料など)のようで、あまり実用的な木ではなかったようです。どういう用途があるのか考えずにとりあえず仕入れて乾かせている段階なので、しっかり乾燥するまでには出口も考えておくつもりですが、山の方に訊いてみても、「出会った時伐採の催促なし」という状況なので、安定的な用途には据えれそうにもないため、得意技である『レアな限定商品』という冠を与えてあげる事になるかも。




今回は造作材として加工したのですが、倉庫での長い眠りの中で付着した埃などの洗礼を浴びて、すっかり喉や目が痛くなりました。今回はどうしてもアサメラでなければならないというわけではなかったのですが、私の提案に対してご承諾をいただき採用されました。こういう材を使わせていただけると端材が【森のかけら】や『モザイクボード』などに使えますのでありがたい事です。シロアリやフナクイムシに対しても強い耐性を持つことから、逆境に耐える木としても知られています

ところで、このアサメラには商業的な和名もあって、見た目の色合いから『洋桑』とも呼ばれています。最近ではあまり使われなくなった呼び名だと思いますが、なるほど加工直後の色合いも経年変化のそれも桑を想起させます。昔は、洋桑の名前は知っていても、それが一体何の木なのか知らない大工さんもいたりしたぐらい、このあたりでは洋桑がアサメㇻを席捲していたのも懐かしい思い出。そしたらちょうどその当時の名残りの品が倉庫の奥から出てきました。アサメㇻの花台

今から20年ぐらい前にホームセンターなどでの出張販売用に、徳島の唐木屋さんから仕入れてきたものの残り物。徳島は昔から唐木仏壇の産地として知られており、唐木をはじめ仏壇に使われるような重厚な雰囲気のある材を扱う業者が多数いました。その流れで愛媛にも唐木などが多数流れ込んでいたのです。そのため当時はアサメラも唐木の中に混在していてよく使わせていただきました。上の花台はウレタン塗装ですが、経年変化後の色調はこんな感じでまさに『洋風桑』の風貌

加工後は黄色味を帯びた茶褐色で、時間が経つと濃い茶褐色になっていくのですが、桑も同様に製材直後と経年では同じように色調が変わってきます。経年後は、アサメラの方がより濃くなる印象ですが、その表情の変化が極端なのでこの木をクリア塗装で使う場合には、事前によく説明しておかないとトラブルになることがあるので注意が必要です。製材直後の黄褐色のイメージのままだと思っていると、数年後にはこげ茶のようになってしまうのですから無理もありません。

今回加工したアサメラは少量でしたが、しばらくご縁のなかったアサメㇻの事が急に木になりはじめて、この数日倉庫の中を探していたら、昔徳島の銘木屋さんから仕入れた埃まみれのアサメラがいくつか発見されました。小さな材なので、建築用とは難しいのですが、ちょうど濃い茶褐色の端材を探していたモザイクボードにはうってつけ。こういう機会がないと、日々の作業で忘れ去られていく端材を振り返る機会がなくなるので、様々な樹種の提案を受け入れてくださるお客様に感謝、感謝!




木の名前の別名の功罪についてはこのブログでも今までに何度も書いてきましたが、誤解を恐れずに改めて書きますと、木材市場や問屋などで取り扱われる流通段階においては、公共建設で求められような産地証明等のトレーサビリティーが問われることはほとんどありません。違法伐採や法に触れるような伐採は当然問題ですが、市場に並べられる材については互いの信頼関係に基づくことが大前提ですし、市場流通で使われる名前以外だとむしろ市場が混乱してしまうこともあります。

先の市場で仕入れたアサメラは、テーブルの一枚板に使えるような大きなものではなくて、使いどころに頭を悩ますような極端なテーパーサイズのものがいくつかと、2mで幅800mmのテーブルサイズが数枚。濃い茶褐色の心材と灰白色の辺材のコントラストが面白くて、そのまま耳付きでテーブルの天板に使うにはもってこいの材なんですが、なにしろ重たいので大物には腰が引けてしまいます。仕入れる際にテーブルなどの天板に使って自ら納品するというところまでイメージしますので。

荒材のまま同業者に販売するのであれば、フォークリフトで出し入れするので重さも苦にもなりませんが、完成したテーブルを、下手をするとそのままでは廊下を通れないので、横に持ち直して運ぶこともあるのですが、アサメラやブビンガゼブラウッドなどの超重量級の材が手に食い込みことを想像してしまうと、どうしても買う手が鈍ってしまうのです。若い頃はそんな事も考えませんでしたが、50歳近くになると、安全に運べるだろうか、なんてリアルな事が脳裏を横切ってしまうのです。

市場で売られている板は、未乾燥の場合が多く、表面が割れないようにボンドを塗りたくっていますので、本来の色調が分かりにくいと思うので、軽く表面を削ったのがこちらの画像。アサメラの写真は、どの段階で撮ったかによって随分と印象が変わるのではないかと思います。ここに植物性オイルを垂らせば、濡れ色になってもう少し色合いも濃くなります。まさにチークの代用としても遜色のない色合いで、実際に家具材としてもよく使われていますが、その他にもボートや船舶材にも用いられます。




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