森のかけら | 大五木材


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20130826 1砂丘でその日の予定終了ではなく、家内のリクエストで鳥取市内にある『童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム わらべ館』に寄る事に。私はそれまでこの施設の事は、まったく知らなかったので、名前から想像していた勝手なイメージとはかけ離れた立派過ぎる違和感にビックリ!この『わらべ館』は、1989年に鳥取で開催されあ「鳥取・世界おもちゃ博覧会」の成功を顕彰するために平成7年に開館されたものだそうで、旧鳥取県立図書館を改築したレトロで趣きのある建物。

 

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 施設前の庭に植栽された木々の傍らに看板があり、その博覧会の開催を契機にドイツのハーナウ市との姉妹都市提携を結び、2010年に提携10周年を記念して、多くのハーナウ市民に愛されている『オーク』の木を植林しましたとの説明がありました。という事は、左の画像のものでも、日本にやってきてまだ3年ぐらい。いずれは大木になるのでしょうが、大きなオークも幼き頃はこの姿。実はドイツの木も【森のかけら】に加えたかったのですが・・・

 

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森のかけら240種をセレクトしていた当時、ドイツの木を扱っている人とのご縁がなかったので諦めかけていたのですが、偶然ドイツの松が手に入りました。森のかけら240の解説書の最後に『プラスα』として紹介しているそれです。 そのドイツ松も240種の中に加えるか悩んだのですが、ヨーロッパの木という地域性はあるものの、材として際立った特徴が薄かったのと、私の知る限る『ドイツ松』という認知されたブランドがあったわけではなかったので断念した経緯がありました。

 

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そんなドイツとの思い出を懐かしく思い出しながら館内へ。館内は、童謡や世界のおもちゃなどなどテーマごとに分かれて関連作品が多数展示され、お盆の期間にも関わらず沢山の親子連れで賑わっていました。体験コーナーはじめ展示品もかなりの充実ぶりで、少し大玉の『木の玉プール』もしっかりとありました。突然思いつきで来たのでわずかな滞在時間でしたが、子供と一緒であればたっぷり1日は過ごせる内容。ただもう、こういう所に来るのもあとわずかな時間でしょう。




20130825 1次第にお日様も西に傾きかけた頃、ちりめん3尺ぱらりと散って辿り着いたは花の大砂丘。私自身は3度目の鳥取砂丘でしたが、子供たちは初めて見る巨大な砂場。結構あちこち引っ張り回して歩かせた挙句の砂丘ではありましたが、こどもなりに意気に感ずるところもあったと見えて、馬の背をめざして双子は猛ダッシュ!もしかしてあまりの暑さに砂まで暑くなっているのではと思ったのですが、夕方になったせいかどうかは分かりませんが、熱砂ではありませんでした。

 

20130825 2夕方になったうえに、お盆休みという事で、実はそれほど砂を観に来る人っていないんじゃないかと高をくくっていたのですが、来てみてビックリ!駐車場にはズラリと車が並び、「夕方になって随分空いたね」なんて声も聞こえていましたので、昼間はごった返していたようです。自分たちが来ていて言うのも何ですが、お盆にわざわざ砂丘を観に来る日本人の心理、複雑?シンプル?近くで盛大なイベントも行われていたようなのでその関連の人混み立ったのかもしれませんが・・・

 

20130825 3ある意味人混みを避ける意味で、お盆に山やら砂丘を選んだのに、予想外れ。もうテーマパーク系にはすっかり飽きてしまった人々が、文化や地域資源に回帰し始めた?とまで言えば大袈裟でしょうが、智頭の町並みやこの後行った木関連施設でも多くの若い家族連れを見たのは、なんだかこれからの時代に希望が持てるようなそんな気分になって嬉しく感じたのです。まあ、それもほどほどの人混みだったから悠長に考えられる事かも。なにせ人混みが大の苦手なので・・・

 

20130825 4「馬の背」を越えて日本海を見て来る~!と走り出した双子が砂に足を取られてあっさり断念してこちらに戻って来るのにたいした時間はかかりませんでした。砂丘を舐めてはいけないと身を持って学んだ事でしょう。しかしこんな過酷な環境でも、この地で暮らす生き物や砂丘植物がいるのですから、生命力の適応力たるや恐るべし!です。水が少なければ少ないなりに、影が無ければ無いなりに、風が強ければ強いなりに、不満を言わずあるもので対応、適応していく逞しさ。

 

20130825 5その姿は、 【森のかけら】のコンセプトにも相通ずる気がして、しばし砂に思いを馳せていましたが、やはり気になってしまうのは「砂丘と木材(かけらとか)で何か出来ないかしら?」という事。何でもかんでも商売に結びつけるか~!と叱られそうですが、せめてそれぐらいの好奇心や意識がなければ新しいものなんて生まれないと思うのですが。昔、鉱物を使ってキューブ型に加工して『岩のかけら』なんて出来ないものかと、その道の専門の方と話した事がありましたが、出来る出来ない以前に、それが出来たとして売れるとは思えないという結論ありきで話が進みませんでした。先が見えすぎてしまう、あるいは見えた気になってしまうって何だかつまらないように思えるのです。そんな私の心情に合致する歌碑がここにありました。『砂丘をいくつか越えしが波音のまぢかにきこえて海まだ見えず』 枝野登代秋作。息子よ娘よ、知るべき海はまだ先だ・・・




20130824 1岡山~鳥取方面への家族小旅行の話が尻切れトンボになってしまっていたので、菩提寺の大銀杏山梨の続きです。それから一路我々家族が向かったのは鳥取県。その日の宿は岡山だったので、とりあえず鳥取砂丘まで行ってこようと車を走らせましたが、そこは明確なプランの無い旅。鳥取砂丘へ行く前に寄り道して、『スギの町・智頭』へ!智頭町は江戸時代に参勤交代の宿場町として栄えた場所で、藩政の時代から熱心な林業政策が行われてきました。

 

20130824 2その街道には今でも趣きのある町並みが残されていて、通りを歩くだけでもタイムスリップしたような雰囲気があります。その中でも、木の仕事を生業とする人には羨望の的といえるのが、国の重要文化財にも指定されている『石谷家住宅』。敷地面積3000坪で40余りの部屋数を持つこの屋敷は、かつてこの地で林業がどれだけ栄えたのか、その繁栄ぶりを偲ばせるものです。私は以前に見学させていただいた事があったのですが、当日はタイムオーバー。

 

20130824 3石谷当家は、明治後半の日清戦争~日露戦争頃までに、山林王として山林経営によって巨万の富を築かれたそうですが、今の山林の現状からは想像も出来ない話で、当時は本当に文字通り『宝の山』であったのでしょう。10数年前にひとりで智頭に来た時に、全国でも珍しい杉を奉った『杉神社』に行ったのですが、杉の形をデザイン化した白亜の塔とその傍らの碑に刻まれた『智頭の緑化は伊達ではないぞ千万本植えて生き抜こう』の言葉に感銘を受けたものです。

 

20130824 4たまたまですが、8月の上旬に、かなり前から在庫していた智頭杉の板材に久々に声がかかり、倉庫の奥から引っ張り出して検品していたところで、改めて智頭杉の上品な美しさを認識していたところです。淡い赤身の杉で化粧材を揃えるって簡単なようで実は難しく、雨の多い地域の杉は、俗に『カラス』と呼ばれる黒味がちになって化粧材には好まれません。その点、350年以上の植林の歴史を持つ智頭の杉はさすがの貫禄。伝統は連綿と継承されています。

 

20130824 5今回マニアックなコースは避けましたが、じっくり腰を据えれば智頭の町は材木フェチにはたまらない魅力に満ちた町です。まあ、子供たちも町並みの風情だけで既に過食状態であったので、門の外から雰囲気だけ見学。ここまで、家具屋さん巨木見学→古い町並みと、既にこの段階で小学生の子供たちにとっては、あまりに地味で盛り上がらないコース。多少の不満は言いながらも何とかつききてくれるだけでもありがたいものです。そんな智頭の町、名残を惜しみながら更に日本海へ・・・

 




公開加工ショー

20130823 1木が虫に喰われる理由はいろいろあるでしょうが、余程虫との相性がよかったのかと思わせるのがこのセン(栓)の木。乾燥は充分過ぎるほどに乾いていますし、もうこの後虫害が進行する心配はありませんが、それにしても凄まじい穿孔跡!側面に甚大な虫穴があり、表面にも浅いクラック(割れ)が幾つか走ってはいるものの、材自体は決して悪い木ではありません。センらしい木目を形成していますし、耳を含めた全体のバランスもいい感じです。

 

20130823 2表面に割れ防止のボンドが薄く塗ってあるので、本当の表情が見えていません。長期間の保存により、そこそこ汚れも付着してしまっているので綺麗に削って、真の顔を除いてみる事にしました!これも『今日のかけら』にセンをアップさせた事が、そう思わせる契機となったのです(自分のさじ加減ひとつではありますが・・・)。サンダーで表面を剥ぐと、左の画像のような純白のセンが姿を現しました。これはあくまでも材の仕上がり具合を見るための荒加工です。

 

20130823 3表面を削ったセンに植物性のオイルで塗装します。すると純白だったセンに、オイルが染み込んで濡れ色になります。まだ荒加工ですが、これで仕上がりのイメージは掴めると思います。実際にテーブルやカウンターなどに仕上げる場合は、もっと精度の高い加工を施しますが、仕上がりの色合いはほぼこの調子です。ここまでして展示しておくと、ちょっと使ってみようかという気持ちになっていただく方もいるのでは・・・と思っていたら、たまたまこの板を塗装中に表の道路を通行中の方が寄って来られて・・・。

 

20130823 4こういう1枚板に興味があるのですが、見せてもらってもいいですか?と、もの凄いタイミングでご来店!会社が国道に面しているので、倉庫の前で作業をしていると、特に大きな耳付きの1枚板なぞをバタンバタンとひっくり返したりしていると、道行く車の運転手の皆さんの注目が背中に刺さります。材木屋にとっては日々繰り返される光景ですが、一般の方にとって大きな無垢の1枚板を見る機会って、そう多くはないでしょう。

 

20130823 5弊社は敷居の低い材木屋のつもりでいますが、一般の方にしてみればちょっと遠い世界なのかもしれません。まあ、外観からして「一般の方もお気軽にどうぞ!」っていう雰囲気ではありませんから、飛び込みでいらっしゃる方も恐る恐る「いいんでしょうか?」と勇気を振り絞ってご来店されているのだと思います。そういう現状を見られて、「もっと一般の方が入りやすくなるような看板でも掲げれば」と仰る方もいますが、少人数の零細企業ゆえ、ただの興味本位で冷やかしの方が沢山来られても正直対応出来かねます。なので、あえて不親切な一見敷居の高そうな雰囲気を漂わせていて、それでも勇気を持って飛び込んで来られる熱度の高い木のファンと膝を突き合わせて木の話をさせていただきたいと考えています。それがちょうど自分の身の丈、材木屋万流であります。




20130822 1この数日で、『セン』と『ナシ』の解説を『今日のかけら』にアップさせていただきました。【森のかけら】の全240樹種+プレミアの30樹種について、『今日のかけら』として各樹種の詳しい解説を書くことを自身のライフワークと考えているのですが、未だ全240種の1/3もアップ出来ていません。アップすれば終わりというわけではなく、(そこがネットの素晴らしいとことろですが)追加でどんどん具体的な施工例やエピソードを追加していくつもりでいます。

 

20130822 2そのためにも、とりあえずひととおりは240種をアップさせておくべきだとは思うのですが、画像を撮るための実例待ちや確認しておきたい特徴や性質など資料調べていたりしていると、ついつい「揃ってから」という気持ちになって後回しになってしまい、特にメジャーな樹種になると一層慎重になりますので、どうしても順番が後になってしまいます。こんな拙い解説でも楽しんでいただいている方がいらして、「OOの木はまだ?」なんてお声を掛けられると心が痛いのです・・・

 

20130822 3まあ、とりあえず半端な形であっても1度アップした樹種については、その後のネタが飛躍的に書きやすくなります。『今日のかけら』に登場させていない樹種については、ネタの文中でリンクを飛ばす事も出来ないので、その中でどういう性質の木なのかを説明する必要が出てくるため、ちょっと話が間延びしてしまいますし、そこで書けるぐらいなら、さっさとその木の『今日のかけら』をアップしています。そういう意味で、取り上げたくても控えていた木は幾つもあります。

20130822 4先日アップした『セン(栓』にしても、今までにも幾つも家具などに使ってきたのですが、立っているときと挽いたときで名前が違うというややこしさに、つい解説を書くのが億劫になってしまっていました。まあ内容はお粗末ですが、それでも一応『今日のかけら』にアップしたという事は、私の中での免罪符ですので、それに免じて今回改めて、別の『セン(栓)』の木について。それはかなり以前から在庫していた、虫喰いの被害を受けた1枚のセンの板の事です。




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