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日々木にまつわる素材をカメラに収めているとそのストック数も膨大なものとなっていて、なかなか整理がおぼつかず、ブログで使いたいときにどこにいったか分からなくなることもっしばしば。先日も、ブログで『サワグルミ』の木について触れたときに使うつもりだったのですが、どこにしまったのか分からなくなって結局使えなかった画像が今頃出てきました。折角なので、今日はその画像を使って一文。作り始めた頃のかなり初期型のデザインですが、サワグルミの『円い森』。
かなり前の話なので記憶が曖昧なのですが、何かのついででたまたま手に入ったサワグルミの端材を使って、子供向けに「木の名前当てクイズ用」に作ったものの1つです。他に青森ヒバ、クリ、オーク(ナラ)、ビーチ(ブナ)、メープルを作りました。小学生対象のクイズで、木の名前が彫ってある面を裏返しにしておきます。傍に木の特徴を書いた紙が置いてあって、その特徴をヒントにして裏返しのまま木を触って、名前を当てるというもの。麻雀でいえば盲牌(モウパイ)に当たるもの。
木の特徴といっても対象が小学生なので、ごくシンプルなもの。例えば青森ヒバだと「ボクは青森県から青森ヒバだよ。とっても清々しい香りがして触るとサラサラしているよ。」とか、ブナだと「触ってごらん、ぼくの顔にはごま塩のようなブツブツガあるよ。体育館の床とかにも使われ知恵るよ。」といった具合。木育の授業などでも使ったので、すっかり汚れて匂いも薄れてしまっていますが、まだどういうスタンスで子どもたちに木の事を話せばいいのか分からなかった時期の労苦の産物。
その後、いろいろな場面で子どもたち相手に木の話をさせていただく機会を与えていただき、自分なりのスタンスも見つけましたし、木育グッズもバリエーションが増えました。『円い森』自体ももここから随分と形を変えました。デザイナーさんのご協力も得てデザインも整いましたが、手垢に汚れたこの「丸い森」を久しぶりに見返すと、なにもよく分からなかった当時に自分なりに精一杯頑張って作っていた頃の懐かしい記憶が蘇ってきます。ちょうど自分の子供も同じ年頃でした。
対象相手が自分の子どもと同じ年齢だと、気持ちの視線も合わせやすく、話し方も自然にそれなりになってくるのですが、自分の子どもが成長してくると、小学生低学年の子供たちとはどうしても気持ちが噛み合わなくなるというか、意識がずれてしまっているようで、ちょっともう無理かなあと自分でも感じます。私的には自分の年齢に合わせて、これからはもう少し上の世代の方々と木の話をさせていただければと考えています。ちなみに描かれている子どもは、私が描いた幼き頃のわが子ですが、そんな娘ももう高校3年生・・・光陰矢の如し。
過日、松山市内の某ホテルにて『えひめが誇る「すご味」「すごモノ」商談会』が開催され、弊社も参加させていただきました。愛媛では、知事自ら営業本部長として県内外、そして世界で愛媛のイイモノを熱心にPRしていただいています。それは地元の伝統工芸品や飲食品に限らず、建築用素材としての「愛媛県産材」についても同様で、『媛すぎ』・『媛ひのき』という独自ブランドを作って県外への木材商社や大問屋、プレカット工場への商談会なども積極的に支援されています。
製材業ではない弊社の場合、通常であればご縁の無い世界なのですが、建築用素材としてのモノづくりではなく、木を原料とした愛媛県人のモノづくりという立場で評価していただき、『えひめが誇るすごモノ』の末席に【森のかけら】も加えていただきました。それで今回の商談会のご縁をいただいたのですが、弊社の【森のかけら】をはじめとする商品に興味を示し、お話を聞いていただいたのは木材商社でも木材問屋でもプレカット工場でもなく、大手の某百貨店のバイヤーさん達方。
ところで、大手のハウスメーカーの中には、自然素材である木材に対して工業製品並みの信じられないくらいぐらい高い精度を要求されるところもあります。大手製材工場では最新式の機械を導入して、(私的には過剰とも思える)その要求に応えるべく日々努力を積み重ねられていて本当に頭が下がるばかりです。『木だって生き物なんだから人間が完璧にコントロールなんか出来るわけがないじゃないか』が信条の、いい加減で曖昧な人間の私としては、とてもとても真似ができません。
ものづくりにもいろいろなスタイルがあって、ひたむきに製品精度を高めるというこだわりもあれば、言葉で心に訴えかける事に全身全霊を傾けるというこだわりもあります。すぐにそれが対極的であるとか、かかるコストがどうだとか比較して論じる輩がいらっしゃいますが、木を売るスタイルは千差万別。いろいろな形があっていいし、それを受け止めるいろいろな分野のいろいろな方がいらっしゃいます。こういう機会を与えていただくと、木のファンの裾野の広さに恐れ入るばかりなのです。
さて本日は愛媛産のカキ(柿)の木とフルーツウッドの話ですが、いただいたカキは結構な量がありました。中には少しだけ黒味があったものの、これはあくまでも【森のかけら】など一般的な『カキ』として考えているので銘木の要素は必要ありません。宮内伊予柑の町・平田町は、蜜柑の生育に絶好の環境ということで、蜜柑の他にもいろいろな果樹系の樹も植えられています。商品として出荷目的で植えられているものから、ご自宅で食されるためのものなど目的もさまざまです。
あまり知られていないかもしれませんが、実は愛媛県はキウイの生産量の日本一なのです(ちなみに2位が福岡、3位が和歌山ですが、それには消費量の減少したミカン畑を利用して栽培が行われるようになったためという裏事情もあるようです)が、そのキウイをはじめカキ、スモモ、ナシ、レモンなどが付近の山や畑で栽培されていて、身近なところで「決して木材市場では買えない木」、「お金さえ払えば何でも買えると思うなよの木」などの果樹系の樹が植えられています。
しかし身近に植えられているからといってそれは材を得るための目的ではなく、あくまでもそこから生産される実の収穫を目的とされているので、その生産を得られなくなる幹を分けていただくというのは容易なことではないのです。ブログでアップすると、よくその幹を分けて欲しいという連絡をいただくのですが、それらの木については材としての販売を目的としているのではなく、あくまでモノづくりの原料として保管しているのであって、基本的に材料としての販売は行っていません。
弊社にとっても容易にいつでも手に入るようなものであれば、材料売りということも考えないでもないですが、こうして地元の方とのご縁とご厚意で、廃園や剪定、事情ある伐採などの理由で分けていただいたものなので、そのご厚意に応えるためにも無駄なく骨までしゃぶって使わせていただきたいのですが、果樹系の木の天敵は虫。見た目には何とも無いように見えても、乾燥させるためにしばらくそのままで放置しておくと、すっかり虫に食い荒らされてしまってこんな悲惨な姿に。
これは地元でいただいたミカンの木です。一体どの段階で虫が入り込んでいたのか分かりませんが、甘い木は必ずといっていいほど虫も棲み処としていますので、入手したら出来るだけ早く芯で割って、樹皮部分を剥ぎとらねばなりません。多くの場合は樹皮のすぐ裏付近住まわれていらっしゃることが多いので、即刻強制退去してもらう事。時々それに応じず潜まれる剛の者も現れたりして、そうなったらもう仕方ありません。さて、半年後ぐらいに結果が出る今回の交渉の成果や如何に?
昨日に続いて、地元でいただいた柿(カキ)の木の話です。昨日、一部の例外を除いてカキの木が原木市場に出ることはほとんどないと書きましたが、あくまでも私の経験ですので、地域によってはカキの木がバンバン並んでいる市場もあるのかもしれません。一部の例外といったのはそういう意味ではなくて、高級銘木とされる『クロガキ(黒柿)』の場合。文字通り墨汁の墨を流したような黒い縞柄が現われたもののことで、良質なものになると俗に1万本に1本出るレベルだとも。
そこまでレアなものでなくとも、黒い縞柄が出たものは貴重で、小さなものでも天然の黒色を持つ木は工芸品やクラフト細工などでも珍重されるため、高額で取引されます。稀に木材市場にもそういった銘木になり損ねたクロガキの板材が出品されたりしますが、小物であろうとみんな欲しがっているので必ず予想よりも高値で取引されることになります。安かったら買っておこうなんて思っていたらクロガキなんて絶対に買えません。弊社の場合、銘木の販路は極めて細いので高値になったら手出し無用。
しかし、【森のかけら】でカキを取り上げているため、定期的にカキの木を手に入れる必要があるのです。カキに限らず、ナシやミカンなどの果樹系の木って、材木屋として非常にレア感があるだけでなく、一般の方にしても身近にあって親しみのある木なので是非加えておこうと思ってリストアップしたのですが(当時はちょうどそれらの木がたまたま入手出来ていたこともあって)、とりあえず完成した喜びの方が大きくて、その後の安定的な供給ルートについてまで考えが及ばず。
その後、【森のかけら】が売れれば売れるほどに果樹系の在庫は減っていき心配は募ることに・・・。日本と世界の木で240種あれども、圧倒的に日本の木を求められる方が多いうえに、ナシやカキ、ミカンなど親しみのある木は特に人気が高くて、みるみるうちに在庫は枯渇。少しずつ知り合いの材木屋などから分けていただくなどして急場を凌いできましたが、いよいよ非常事態が迫っていたところに今回の話が舞い込んで来て助かりました。とはいえ、使えるのは半年以上先の事。
弊社がある愛媛県松山市平田町は、宮内伊予柑発祥の地で知られる柑橘の町です。弊社があるのは町の中をほぼ二分する国道197号バイパスを挟んで西側なのですが、東側は小高い丘陵地になっていて、そこが宮内伊予柑をはじめとする柑橘の栽培地。地元の方は、「みかん山」あるいは単に「山」と呼ばれます。私もかれこれ四半世紀上もこの地に住んではいるものの、みかん山に行くことはほとんどありません。そんな私ですが、先日近所の方に伐採した木をもらうためにみかん山に登ることに。
登るというのは大袈裟ですが、結構な急傾斜地に軽トラック一台がギリギリ通れるだけの細い道が地をへばりつくように作られていて、初めて山に行った時には、まさかこの道を上がるなんてことないよな~という道を4DWでドキドキしながら駆け上ったものです。地元の方は慣れているのでなんとないのでしょうが、地理に不慣れな人だと、この先進んで行って車を切り返せるのか不安になるレベル。まあ私たちの仕事とて、「え、これ独りで担げるの?」なんて驚かれますから蛇の道はヘビ。
ところで、宮内伊予柑というのは、明治時代に山口県で発見された偶発実生の苗木を松山市に持ち込み、近隣の農家に苗を配ってその栽培を奨励したことで、松山周辺に産地が形成され、「伊予柑」という名前で市場に出荷されるようになりその名が浸透されることになりました。その後昭和30年にこの地で、宮内義正さんがみかん園で発見した芽条変異というもので、発見者の宮内さんの名前を取って「宮内伊予柑」と命名され、種苗名称登録もされて当地でも栽培が広がったそうです。
樹にも歴史ありですが、蜜柑にも歴史あり。前置きが非常に長くなりましたが、そのミカン山に登ってたまたま偶然宮内伊予柑母樹に出くわしたのですが、それを目指していたわけではなく道に迷っただけ。本来の目的は、知人が伐採されたカキの木をいただくため。ようやく現場に辿り着くとそこには既に伐採され、いい具合にカットしてもらったカキの枝がゴロゴロ。決して珍しくはないカキの木ですが、木材市場に出ることなど一部の例外を除いてほとんどありませんのでありがたいご縁。
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