森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
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20151021 1さて、仕入してきた板材をバラして仕入明細と照合して、1枚ずつサイズを計って寸検し、自社で番号と価格をつけていきます。市に出材される材の多くが乾燥していない生材と言う事もあり、表面の割れを防ぐために、全面に割れ止め目的のボンドをガッツリ塗っている場合が多く、そのままにしておいてはいくら寝かせても、密閉された状態ですので乾燥が進行しません。なので、電動ガンナで表面を削ってボンドを剥ぎ取る必要があります。

 

20151021 2売れるまでは割れて欲しくないという気持ちは分からないでもないですが、自社で乾燥させて販売する弊社としてはこのボンドが結構厄介。以前はこの作業をサンダーでやっていましたが、ボンドですぐに目詰まりする上に相当の時間と労力が必要になるため、数年前から電動ガンナに切り替えました。表面だけでなく、小口まで塗ってある場合も多いので、小口からも乾燥が進むように端を数センチだけカットします。こちらは例の『シンガポールマホガニー』の小口をカットした部分。

 

20151021 3上の写真で白濁して垂れたまま固まっているのが、割れ止め用のボンドです。その端材を裏返したのがこちらの写真。これが本来の『シンガポールマホガニー』の生地の色合い。ボンドを塗る事で水分が浸透し、日焼け等の影響で上の写真のように濃い赤褐色に変色していたのです。この作業をする事で、塗装したり日焼けする前の本来の木の色合いや風合い、触感を知る事が出来ます。そうしてようやくそれぞれの材の品質と価値を見極めて、販売価格をつけていくのです。

 

20151021 4今回は入荷直後に全部の板の検品と値付けをするという強固な決意を持って臨んでいましたので、丸2日かけてすべての材の検品・値付け・写真撮影まで完了!ただし、そのほとんどが生材であるため、これらが実際に販売されるのはかなり先の事(早くて1年後、長いものであれば3〜5年/さすがにそれぐらいでは売り切ってしまいたいとは考えていますが)になります。【森のかけら】などに使うにしても、まだまだ先の事で、これからしばらくは倉庫で長い眠りについていただく事になります。

 

20151021 5中に一部『乾燥材』もありますので、それらについては改めて『今日のかけら』なだで取り上げてご紹介させていただきます。基本的には、存在を忘れるほどの天然乾燥を経てから販売となるわけですが、サイズや樹種、状況によってはダメ出しとして人工乾燥させる場合もあります。まあ、いずれにせよしばらくの間は私の手元にあるわけですから、端材などをお裾分けしていただく事があるかも。さあ、これらの在庫スペースを確保するためにも、ベテラン連中に少し場所を空けていただかねばなりませんので、張り切って営業せねば〜!!




20150916 1さて、本日も木材市の話ですが、値付だけをして、『買いつなぎ』をお願いするというのは、スポーツの試合を録画で見るというぐらい臨場感の乏しいものです。それでも、それをお願いできる仲間がいるという事はとても心強い事ですし、そういう仲間がこそがいざという時に材を融通させてくれる大切なネットワーク。回転率が悪い事では自身のある弊社としては、生材を仕入れて、その仕入を忘れるぐらいまで天乾で乾かして売るため、買った材のデビューは早くても1年後

 

遅いものだと5年、10年というのも珍しくないため、非常に経済効率は悪いのですが、その間にまずは自分がその材を味見出来るという役得もあったりするのです。今回の市で、初めて『シンガポール・マホガニー』(以後SPM)という木に遭遇。平野木材の社長にお聞きするところによると、文字通りシンガポール産の木で、特徴はアフリカ産の『アフリカンマホガニー』によく似ていているものの、安定的な供給が可能との事。マホガニーとの関係性はこれから調べます。

 

世界三大銘木に数えられるマホガニーですが(本来その冠を付けられる中年米産の『ホンジュラスマホガニー』はワシントン条約で保護されています)、実は私はあまりマホガニーに対しては強い思い入れがあるわけではありません。上品で整った杢目よりも、ゼブラウッドのような猛々しい荒い木目に惹かれるので。そうはいっても世界中の木を見てみたいと思う木材樹種フェチとしては抑えておかなければならない一族。それで割と幅が狭くて手頃な値段で買えそうな材を幾つかリストアップ。

 

そもそもマホガニーって言っても、本家本元の中南米原産の『ホンジュラスマホガニー』を筆頭に、『アフリカンマホガニー』(コートジボアール産Krala)や、それとは別に『サペリ』をアメリカンマホガニーと呼ぶこともあるし、『チャイニーズマホガニー』(チャンチン)や『ソロモンマホガニー』など商業名としてマホガニーの名前を冠された木が多数あって私も混乱していて、プロでもその見極めは容易ではありません。とりあえずSPM、いかなるものかまずは自分で味わってみます。個別の樹種の紹介は後日改めて。




北米広葉樹 6/4INCH

20150826 1先日『ホワイトオーク』の平板が入荷。お取引先の多くが仕上がり30㎜を求められるため、弊社ではこういう平板の場合はホワイトオークに限らずほとんどが6/4インチ(約38㎜)サイズで仕入しています。北米広葉樹の厚みの規格としては他に、4/4インチ(約25㎜)、5/4インチ(約32㎜)、8/4インチ(約51㎜)、10/4インチ(約64㎜)、12/4インチ(約76㎜)などがあります。地域サイズというのもありますが、弊社においては6/4インチが主。

 

20150826 2これに長さが加わるわけで、ひと口に『ホワイトオークの板ないですか?』と言われても、その長さ、厚み、幅によって在庫があるかどうかはまちまちなのです。本当は材木屋であればいろいろなサイズに対応できてこそなんだと思うのですが、大きいものとなると1梱包で2〜3㎥もあるため金額も結構なモノになるため、弊社などの零細企業はサイズを絞り込まなければ在庫を持てません。昔は厚みも2、3サイズ置いていたものの、さすがに最近は6/4インチにほぼ統一しました。

 

20150826 3しかもお客さんのほとんどが、必要量を必要なタイミングでご購入される方ばかりなので、梱包で仕入れてそのまま梱包で売るなんて事はまずありませんので、仕入れてから最後の一枚までが売切れるまでには結構な時間がかかってしまいます。もともと短期決戦するつもりで仕入れているわけではないので、1枚1枚バラして反りやねじれも確認しながら販売する価格設定にしていますが、それだとどうしても最後の方になると、問題のあるような材ばかりが残ってくることになります。

 

20150826 4その解消策として、自分で木取りできる自社家具を作ったり、短くカットして『モザイクボード』などに使ったりするようにしています。入荷した時は、これだけの枚数売り切るのに何カ月かかるんだろうと考えると少しプレッシャーを感じるものの、少なくなってきたらきたで早く入れとかないと、間に合わないと大変という強迫観念に襲われ、どちらかというとそちらの方が自分としては不安。それでというわけではないのですが、今回ご注文に合わせて久しぶりに4/4インチも入荷!




20150106 1本当は青森が舞台の映画『八甲田山』は通過点で、その先にある北海道・網走がこの話題のゴールであったのですが、随分と話が逸れて今いましたので、逸れついでにもう少しだけ『八甲田山』について。この作品における現場の狂気は、感染と増幅を繰り返し更なる狂気を求めて彷徨うことになります。雪山の美しさと恐怖を映像に収めた名カメラマンの木村大作冬の立山を舞台にした『劒岳 点の記』や奥秩父の山小屋が舞台の『春を背負って』などの映画を自ら撮影兼務の監督としてメガホンを取る事に。

 

20150106 3当時は機材の品質も低く、うまく雪の白さを表現出来なかったと述懐していた木村大作は、『劒岳 点の記』で恐ろしいほどに美しい雪山を捉え雪辱を果たすことになります。ただ私としては、画質こそ不鮮明ではあるものの、吹雪の中のブルーにくすんだ雪にひどく恐怖心を煽られました。それは私が知る季節の風物詩などという甘いものではなく、人間が踏み入ってはならない季節に聖なる地に足を踏み入れてしまった雪山の怒りのメタファーのようでもあり、意思すら感じられるほどでした。

 

20150106 2更に狂気は健さんにも感染。凍傷になりかかったにも関わらず、その後更に過酷な『南極物語』で、再び雪に挑むことになろうとは・・・!ところで映画の中で、完全に道を見失った北大路欣也の隊が、荒れ狂う吹雪の中で、木の枝が不自然に折れられている事で、それが目印だと信じてその方向に進み、更に遭難してしまうという場面がありましたが、冬の雪山で樹木の枝を折って目印にするって映画やドラマではよく見かけるのですが、実際にどれだけ有効なものなのか疑問に思いました。

 

20150106 4以前このブログにも書きましたが、八甲田山の近くにある白神山地のブナの原生林についても、そこにブナが根づいたのはおよそ3000年前の事らしく、それ以前は東北地方もまだ温かくてブナの適地ではなく、ナラクルミなどの森だったそうです。4000年前ぐらいから地球の温度が下がり大雪が降るようになると、雪の重みで枝や幹が折れナラたちは衰退し、代わって寒さにも強いブナが出現して、今に通づる原生林を形成したという事を不意に思い出しました。

 

20150106 5幸いな事に自分は今までそういう事態に陥った事はありませんが、雪山でなくとも余程そこの地形に精通していなければ、目印となる樹なんてどれも皆同じに見えますし、雪でも積もれば枝も折れることだってあるし、高さの感覚も変わると思うのです。それゆえに地元の案内人が重要なのに、こともあろうに三国連太郎は、小遣い欲しさ目的だろうと農民を罵倒し案内を断るのです!一方、健さんは道案内に雇った村娘(チョイ役に古手川祐子!)に対して、全員敬礼で感謝の意を尽くします。

 

20150106 6 昔はどうでもない場面だったと思うのですが、今観返すとなぜだかそのたびごと胸が熱くなって涙が出そうになるのです。そんな礼節のある健さんだから、道に迷う事も無かったのです。気分次第で方針をコロコロ変えて無謀な行動に出る三国連太郎に向かって叫ぶ私の声はいつも届かない・・・「そっちじゃないんだよ〜!お前は黙って欣也に従えばいいんだ〜!」。リーダーたる者いかに冷静な判断を下し皆を率いるべきかの教訓としても私は繰り返しこの映画を観続けるのです・・・




Exif_JPEG_PICTURE本日は、『えひめ・まつやま産業まつり2014』の本番。昨晩少しだけ雨が降って、城山公園内の芝生が少し濡れていましたが、天気に恵まれて清々しい秋晴れの中での開催となりました。昨日アップしたように、弊社は『(公財)愛媛の森林基金』さんのブースにて愛媛県産材のPRや木育のお手伝いで出展させていただいておりますので、販売スペースは限定的で、あくまでも子どもたち、親御さんたちに木の面白さを体感していただく事がテーマです。開場するやいなや子どもたちが少しずつ集まってきました。

 

20141122 2昨年と違いブースがメインストリートから少し奥ばった場所に移った事もあって、昨年ほど出足は良くなかったものの、数時間もすれば続々と親子連れが集まって来て、テントの中は人で溢れるほどに。もうたっぷり遊んだろうと、連れ帰ろうと木の玉プールから出そうとすると、まだ遊ぶ~!と泣き叫ぶ光景もいつもの事。入れ替わり立ち替わり子どもたちがやって来て、常に満員御礼状態!家内が県内各地に出張している事もあって、木の玉プールの存在を知っている子供も多いようで、笑い声、叫び声が絶えません。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE愛媛にも海外からお仕事や留学などで滞在されていたり、移住されている方も結構多いようで、このイベントでも毎年外国人の親子連れの姿をよくお見かけします。海外でも木製玩具の現状についてはほとんど知識がないのですが、私の知り限りではヨーロッパ製の玩具などはビーチなどにカラフルな塗装を施したモノが多くて、生地のまま香りや触感を楽しむっていうものは少ないように思うのですが、それは日本のように樹種が豊富でない事、使用される材が限定される事に拠るのかもしれません。

 

 

Exif_JPEG_PICTURE恐らく海外、特にヨーロッパで玩具として利用されている素材は、ビーチバーチ、メープル、アルダーあたりだろうと思われます。ある程度の強度や弾力、耐久性、コスト、加工性などを考えるとそのあたりに落ち着くと思います。また子どもの玩具にとっては、ヤニや強すぎる匂いというのもNG。上記の樹種はいずれも 木目を楽しむというよりも表面が滑らかで白っぽい色なので、カラフルに塗装しないと色彩的に乏しいと思われるのでしょうか?人の掌の中で徐々に変わっていく色彩にも味わいはありますが。

 

Exif_JPEG_PICTURE『木の玉プール』だけでなく、童具館さんの積み木も持っていっておりましたが、小さなアーティスト達が思い思いに作品作り。完成間近になると小さな怪獣がやって来て破壊を繰り返すのですが、子どもの世界になりに暗黙のルールのようなものがあるようで、無防備な小さい怪獣の破壊活動について、年上の者は拒まず受け入れれるという寛容さで、壊されても壊されてもせっせと積み上げていく姿は、何だか切なくなるほど・・・形あるモノ、いずれは滅びるという儚き現実は想像力と人生の切なさをを逞しく成長させるのです!





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