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今年も1年間、「モッタイナイ、モッタイナイ」と御題目を唱えながら端材を捨てずに商品化したりと大切に扱ってきた材木屋の親父の日々のマニアックな仕事ぶりを天界からそっとご覧になっていた雑木の神さまがいらしたようで、先日その神様から素敵なプレゼントが届きました。木を大きく分類すると広葉樹と針葉樹に分類されますが、建築用材として常に光やスポットライトが当たるのはスギやヒノキなどの針葉樹です。広葉樹は統計などでも『雑木』とひとくくりにされるほど冷遇されています。
それは針葉樹と広葉樹の蓄積量の圧倒的な差があることや活用範囲の広域性などから考えれば仕方のないことではあるものの、世の中には常にひねくれ者がいて(またそういう者がいるからこそ世の中は多様で活力もあり面白いのだとも思うのですが)、冷遇される雑木をこよなく愛すマニアックな一派がいます。またその雑木と呼ばれるグループの中にも、ケヤキやサクラ、ナラ、タモなどのようにエース級のものもいれば、クロガネモチなどの街路樹系や公園樹系、灌木、庭木など細かく分類されます。
さらにもっとマニアックなものとしては、材よりも実の方に圧倒的価値のあるリンゴやブドウ、カキ、ナシなどフルーツウッド系の木があります。これらの木は収穫を効率化させるために枝を上へではなく横に水平に広げるよう剪定されるため、幹や枝が曲がりくねる事が多く、大きくなるための栄養を実に回してしまったため決して大木となる事はなく、材としては非常に取り扱いにくいもの、恐ろしいほどに緻密で滑らかなフルーツウッドに強く惹かれるひねくれ者は沢山いて、私もそのひとりです・・・。
話が横に逸れてしまいましたが、雑木の神さまから届いたプレゼントは、リョウブ、フジキ、ユズリハ、ハゼノキなどの広葉樹で、偶然というかピンポイントで狙ったかのように【森のかけら】で長らく欠品が続いていたものや、ストックが少なかったモノばかり。他にもナシやカキなどのフルーツウッドの木も含まれていました。嗚呼、神さまはしっかり見守ってくれていたのだ・・・この嬉しすぎる雑木の神さまからのプレゼントの中身については、年明けに改めてご紹介させていただきます。
これは、少し前にある方から依頼を受けて作ったブラック・チェリーのドミノです。サイズはあくまでもご依頼のサイズに合わせたので、本来のドミノよりも少々小ぶりです。カットしただけで塗装もしていないので、色が淡白で従来のブラック・チェリーの赤身が見受けられませんが、オイル塗装すれば本来の深みのある美しい赤身が現れます。今回は無塗装での納品でしたが、それでもこの小さなドミノからでも本物の木の味わいというものは感じていただけたようで、依頼主にはこちらの想定以上にとても喜んでいただけました。
日々、木に囲まれた環境で木に携わる仕事をしていると、どうしても木に対する感覚(または感情)が麻痺してしまい、とりわけスギやヒノキなどの汎用性のある材や、ブラック・チェリーやブラック・ウォールナットなどの高額な材でも接する事が多い木については、ついついその価値が材積と比重すると勘違いしてしまいそうになることがあります。つまり端材には端材程度の価値しかないと「諦めてしまう」という、モッタイナイ教の本質に背く悪しき思想!
この端材にはこれだけの価値しかないと、決めつけてしまった瞬間に端材の命運は決まるのです。誰かが言いました、『そこに使えない端材があるのではない。使えない脳みそがあるだけだ!』端材を、ゴミにするのも宝にするのも己次第。その事はいつも肝に命じているつもりでいたものの、あまりに小さなサイズについては、昔加工中に指先を僅かですが切断した事がトラウマとなって、「使えない端材」と分類していた自分がいまいた。このドミノの原材料もまさにそうやって「使えない烙印」を押してしまっていた端材。
だからといって決して燃やしたりはせずに、いずれアイデアが浮かべば使おうとまとめて保管はしておくのですが、結局「使えない端材」とインプットしてしまうと、どこにどれぐらい置いていたかも忘れてしまい、その存在が無かった事と一緒になってしまうのです。今回はそんなサイズの端材を使ってドミノを作ってみたのですが、予想以上に反響があって、材の木取りにも柔軟性があり、かつボリュームも見込めそうな事から、今後いろいろな樹種での商品化に取り組んでみようかと考えています。世の中、捨てる神あれば拾う神あり・・・。
先日の『えひめ・まつやますごいもの博』の話に戻るのですが、ちょうど目の前で『愛媛県森林組合連合会』さんのブースが隣で、愛媛木材青年協議会のメンバーでもある宮浦英樹君が張り切ってPRしていたのが、愛媛の原木椎茸を使った『椎茸スープ』。まだまだ開発中で、冷凍にしたものを温めてスープにするため、日持ちがしないため今後は粉末化するべく研究を続けているという事でした。それを試飲させてもらったものですが、コクがあり椎茸の旨味が凝縮されていて個人的にはこれでも充分というレベル!
まだ商品名やパッケージなど細部はこれからという段階でしたが、これはいけるのでは!椎茸のスープというものの市場がどれぐらいあるのか分かりませんが、市場がなければ作ればいいだけの事。とかく市場規模や販売計画ばかりを持ち出して、時期尚早だの無謀だの言い出す輩(そういう人に限って自らは何もしない)が出て来るのは、職種を問わずどの業界にもあるあるネタでしょうが、そんな事を言い出したら新商品の開発なんて絵に描いた餅。新たな試みを古き物差しで測るの愚かしき行為よ、さらば!
個人的にはこの『原木椎茸のスープ』、非常に応援していますし、原木椎茸の母体である『クヌギ』のためにも是非とも売れて欲しい商品です。味付けの調整や容器の選定やパッケージデザイン等々、商品の味が大前提ではあるものの、伝わりやすい、理解されやすい見た目の装いも重要な売れるための要素。100人のうち1人に伝わればいいと考えている人間が言うのも何ですが、食品は土俵が違います。出来ればパッケージにクヌギの小枝を輪切りにしたようなものでも使って、親子丼的な組み合わせもいかがなものか。
原木椎茸の榾木(ホダギ)として利用されるクヌギですが、材といては非常に重硬で、板に挽いたのちにも暴れやすく、反りやねじれ、割れの発生も半端ではなく、わずか35㎜角の【森のかけら】にするのでさえ、かなり大きく挽いて圧締して乾かさねば使い物にならないほどで、まだまだ材としての利用は定まっていません。一方で環境汚染などにも強く、成長力のある樹でもあるので大径木もあって、うまく出口戦略さえ見つかれば開発の余地を含んだオモシロイ素材だと思うのです。スープにうまく相乗りせねば!!
※ 関連情報・・・今日のかけら『クヌギ』
昨日の『ペンシルシーダー』にちなんで本日も『鉛筆』にまつわる話。今年の夏に松山市木屋町に一軒の小さなカフェがひっそりとオープンしました。その店の名前は『Cafe Philly’s(フィリーズ)』。店のオーナーは、10数年来の付き合いである『店舗屋さん・K′craft 』の川上陽介君(有限会社 すずかけ商会 代表取締役)。弊社の懐刀でもある善家雅智君(ZEN FURNITURE) とは高校の同級生で、卒業後二人が木工の道を目指してこの世界に飛び込んで来てからの長い付き合いです。
店の名前の『Philly’s』というのは、川上君がアメリカに留学していた頃に住んでいた場所にちなんでいるという事ですが、そこはペンシルベニア。そしてペンシルベニアといえば、1883年設立以来球団名の呼称が変わることなく続いているメジャーリーグでも伝統のあるフィラデルフィア・フィリーズ。本拠地は、ペンシルベニア州フィラデルフィア。 ちょっと話が逸れますが、フィリーズといえば私がまだ子どもの頃、当時世界最高の三塁手と評された名選手マイク・シュミットが在籍していました。| 今までに何度かご紹介させていただいた愛媛産の広葉樹ですが、もっとも初期に仕入れて乾かせていた『ヤマザクラ(山桜)』にもそろそろ表舞台へ立つ日が近づいてまいりました。今日はどれぐらい乾いているのか確認するために何枚か削ってみて確認作業。このヤマザクラについては、ヤマザクラ本来の木の艶と光沢、そして赤身の妖しい色気を失いたくなかったので、敢えて天然乾燥で乾かしています。そのため念には念を入れてたっぷり乾燥させるつもりで、数年間ほったらかしていました。 | ![]() |
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この木で『森のこだま』や『誕生木ストラップ』、『モザイクボード』などを作っていきます。お陰様で製材品の端材をベースに作ってきた自社商品たちも少しずつ軌道に乗って来ておりますので、供給的に不安定な「不本意ながら発生する端材」だけに頼らず、原材料の安定供給の道も探っているところであります。このヤマザクラとて、原木で購入しているので、虫穴も節もない立派な「トロ」部分もあります。それはそのまま板として売り、虫穴や節のある「赤身」部分を使うわけですから、これもある意味立派な『原木の端材』! |
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