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1月16、17日の二日間にわたって徳島県神山町にて、経済産業省四国産業経済局主催の【実験!四国ワールドカフェ】というイベントが開催され、参加させていただきました。私は17日、地元で大切な行事があったので私は16日だけの参加でした。いつもいろいろお世話になっている、愛媛県工業技術センターの岡田所長のお誘いで、繊維産業技術センターの石丸さんと三人で一路徳島へ向かいました。高速道路で徳島道に入ると、路肩の日陰にはまだ雪が残っているところがあります。外は結構寒そうです。神山町には今までに3度ほど来た事がありますが、別の目的で訪れていたので、普通の木材の産地というイメージでしか見ていませんでした。市内に入ると堂々たる巨大な木彫りの看板が出迎えてくれました。『木のまち神山』、全国各地で木の町を標榜しているところは多いのですが、実像と理想の間には大きな谷が横たわっています。
さて、ここ神山で行われるイベント【実験!四国ワールドカフェ】とは何ぞや?という事なのですが、一口ではどうにもうまく説明出来ません。しかも経済産業省四国産業経済局主催という、聴くからに固そうなイメージですが、聴くと見るでは大違い!行政指導の小難しいイベントではありません。『四国の「暮らし」と「仕事」を見つめよう』というサブタイトルのような物がついていましたが、参加者はそれぞれいろいろな思いで参加しています。私は、四国の面白い人が一堂に集まれば、何か面白い化学反応が起こるのでないかという期待で参加しました。
正確には人数も数えませんでしたが、四国経済産業局から5、6人、徳島・香川・高知・愛媛の4県から50人以上の参加があったと思います。東京からもゲストピーカーの方など数名をお招きしているようです。誰が誰なのかも分からないまま、途中からもどんどん人が増えてきて、それ自体がアメーバの細胞増殖のようで、ただのフォーラムのようなものではないという何とも怪しげな(!)雰囲気が漂います。きちんと事前資料を読まずに参加したため、全体像を把握してなかったので、一体これから何が起こるのかさっぱり分かりませんでした。でも、あまり先が読めるとそれなりに構えてしまうので、こういうイベントは無知のまま臨んだ方が面白いかもしれません。2日間で何か1つの答えを出そうという物でもないようなので、このまま流れに身を任せる事にしました。その行く先を暗示するような、神山の町に太陽の光りの降り注ぐような巨大な画がホテルに掲げてあります。何が始まるのかっ!
まずは、プログラム①、神山を訪れたアーティストの皆さんが作品を残されている『創造の森』をハイキングしながら、作品の解説をしていただくアートツアーに出かけます。この神山町がアート系のイベントに熱心だという事は、ガイドブックなどでおぼろげながらに聞きかじっていたのですが、今回きちんとご説明していただき驚きました。詳しくは神山町のホームページに詳しいのですが、NPO法人グリーンバレーという団体がその中心的役割を担われています。その活動も素晴らしいですが、町全体からも好意的に受け入れようという雰囲気が漂っています。明日に続く。
近年、建築基準法をはじめとする建築関係の主要な法令はどんどん複雑になっていきているようで、個人の大工さんでは対応が難しくなってきています。その理由は、多発する欠陥住宅や手抜き工事への対策や地震災害に対する耐震基準などもっともな理由なのですが、古来より日本の住宅を支えてきたのは職人さんたちの伝統的な工法であり、技術であったはずなのに、それを使いにくくしようとする(としか思えない)法令整備というのはどういうものなんでしょう。実際に欠陥住宅による地震の甚大な被害などがあるのも事実です。しかしながら高齢化した個人の大工さんが活躍できなくなる現状はどうにも解せません。国の政策ですからこの流れが止まる事はないでしょうが、何でも全て大手の理論で片付けようとするやり方はいずれ大きな代償を支払う事になると思います。
ほとんどの人が生涯でもっとも高額な買い物である『家』すらも、『価格競争商品』の1アイテムとし性能や工法を開発することに躍起になって、本来もっとも考えなければならないはずの『生き方』とか『暮らし方』、『家族の在りかた』などが片隅に追いやられるようになりました。住宅販売会社の営業交渉においては、大黒柱や床の間の意味も語られることがなくなり、ただのオプションでしかなくなってきました。もはや鬼門や床刺しなどという風習も、気にしないというより知らないので問題視すらされないようです。確かに昔の風習の全てが現代でもふさわしいかといえば、そうではないものもありますし、武士の時代の名残という物もありますので、何でもかんでも古い物が正しいとは思いません。

既に、バリアフリーは当然という時代になってから生まれた子供はたくさんいるので、私の自宅に遊びに来た子供の友達などはよく敷居の段差でつまづく子供もいます。そのたびに痛がっていますが、もはやそういう家の方が珍しいのでしょう。それも時代の趨勢でしょうが、しかし自分が暮らしている家の物の名前も知らないというのは問題ではないかと思います。鴨居って何?框って何?それで暮らしていて困ることはないかもしれませんが、そこに家に対しての愛着が芽生えるのでしょうか。ハード面の整備ばかりに窮じてしまった代償が、あまりにも家に対する無知を生んでしまったのだと思います。当然私もその一人であり、家に携わる人間としてそれを恥、もっときちんと勉強せねばと痛感しております。
今回、白土さんが松山にお店を出されるという話で、その思いをお聴きしながら、家作りの本質とは何かという事を改めて教わりました。変木を豪快に使われたりする技法ばかりに目が奪われていましたが、そこにはきちんとした理由や思いがあり、それが結実して形となってるのです。腕のいい大工は無口でもいい、という昔ながらの職人気質だけでは通用しない時代です。話すことで理解して喜んでいただける若い施主さんはいくらでもいます。これからは、匠の技も『使う』だけでなく『語り伝えて』いく必要があります。そんな白土さんご夫婦の思いが詰まったような素敵な一冊の本をプレゼントしていただきました。本の名前は『Little tree』(駒形克己さん)。贈った本には贈り手の人間性が反映されます。この本から松山のお店が、『攻める松山進出』ではなく、『種を撒き育てるため』の拠点なのだという事が伝わってきました。
お店について具体的な事は、お知らせ出来るような時期が来ればご報告します。高知から再び木材維新の風が起きそうです、お待ちしております!
★『Little tree』は通常の書店では販売しておりません。
高知の木材といえば、かつては大阪城築城に使われ太閤秀吉からも賛辞を得たという逸話が示すように、四国の高級木材のブランドを確立しました。『四万十桧』や『魚梁瀬杉』は、全国にもの愛好家がいて、そこまでブランドが浸透していない愛媛からすれば羨ましい限りなのです。私も入社当時はよく木材の仕入れに高知の市場に通っていました。その頃、高知の市場は材が溢れ西日本一円から買い方を集めて盛況を呈していました。時は流れ、それから20数年。素材に恵まれた高知の林業は、劇的な流通変化の波に翻弄され、市場にもかつての華やかさはなく、過去の記憶となりつつあるのはとても寂しい事です。
新築住宅着工数だけで比較すると、高知県は愛媛の約半分ぐらいです。厳しいなどという言葉では表現できない状況です。経済が疲弊してくると、新築住宅などには即影響が出て、安価なパッケージ住宅などに人が流れます。現在の国の政策も個人の大工さんや小規模工務店を支援していこうという動きではありませんから、必然的に酸欠になりやがて廃業、倒産の道を辿ることになります。だからといって何もしなければ座して死を待つだけです。周りをみれば、肥沃な大地に良質な木材が育っています。要はこの木のどういう風に活用するかだと思います。
高知県は、実は県の84%を森林が占める日本一の森林県なのです。長引く慢性的な林業の低迷から、高知県の経済の足を引っ張っているようですが、中にはそれを逆手に取ったユニークな発想で頑張っていらっしゃる方もいます。ある方からご紹介いただいたのですが、『84PROJECT(はちよんプロジェクト)』。全国で一番森が多いという事は、全国で一番二酸化炭素を吸収している県という事です。森を『CO2を吸収する巨大マシーン』と見立てた逆転の発想は素晴らしいです!また高知県の森林環境税の使い方は発想が柔軟でユニークな企画が多く見習いたいです。
他にも高知には木材に携わられている方の中には、大胆な発想と実行力で事を成された素晴らしい方がたくさんいらっしゃいます。森昭木材㈱の田岡英昭社長、土佐龍の池社長、土佐木研工業(協)の小松さん、池川木材工業の大原儀郎会長、また全国の森林組合で最初にFSCを所得した梼原町森林組合さんなどなど多くの先輩諸氏から薫陶を受けました。皆さん、高知の今の林業をいろいろな立場で引っ張っていかれるリーダーです。まだ木材のいろはも知らない頃のど素人の私に実に丁寧に真剣にお話をしていただきました。今こういう考え方をするようになった基礎は、当時の木材先進県・高知で築かせていただいたと言っても過言ではありません。龍馬の時代からの伝統でしょうか、独身独歩で道を切り開いてこられた豪放磊落な侍が多いのも高知ならではだと思います。白土建築工房の白土さんもそういった侍の一人です。
しかしその一方で更に高みを目指すべく、龍馬のように脱藩していく方もいらっしゃいます。大きくなる自分の器が高知県では収まらなくなるのでしょうか。前置きが長くなりましたが、今回白土さんは脱藩という訳ではないですが、愛媛においても本物の家造りを知ってもらいたい、この地でも勝負したいという思いで一念発起、松山への進出を計画されました。ただ営業所を出すというだけではなく、白土さんの家造りの土台となる人づくりの場としてのスペースを開設し、その思いを広げていくという発想です。家を建てる前に、森の事や自然の事、いろんな事を学びバランスの取れた人間に育てる。そういう場を作っていきたい、と・・・
話が白熱し・・・この項、更に明日へと続く!
昨日、日頃からたいへんお世話になっている高知県の白土建築工房の白土さんご夫婦がお見えになりました。白土建築工房さんは、高知県を拠点に木造にこだわった思いのある家造りをされていて、そのダイナミックで個性溢れる家は見るだけでも心がウキウキしてきます。久万銘木㈱さんの展示会を通じて出会い、それ以来もう10年近いのではないかと思います。最初お話させていただいても、木に対する執着が尋常ではなかったので(良い意味です!)、相当のこだわりがある方だなと思っていましたが、やはりただの木の好きな工務店さんではありませんでした。
白土建築工房さんのHPに、家造りの記録がアップされているのでご覧になってください。以前の施工例は別のブログにアップされているのでこちらも合わせて。ここまでやるか!の徹底ぶりで、木の素材感にこだわり、存在感溢れる演出、熟練した経験に基づく大技、小技で『木の家』が造られています。木を生業とする人間として、こういう家に出会うとたまりません!白土さんの場合、『木をふんだんに使った家』という言い方はふさわしくありません。『木たっぷり楽しんで使った家』とでも呼ぶべきではないかと思います。
白土さんの事務所は高知市内にあるのですが、その2階は何と絵本屋さんです。奥さんが『絵本の店 コッコ・サン』をなさっています。その内装も当然、普通ではありません!変木を多用して目移りしそうにも思えますが、実際に入ってみると落ち着きがあります。木材も絵本も元は同じですからもともと相性がいいんですね。高知だけでなく各地で子供さん向けの読み聞かせや選書会などを開催されていて、ご夫婦共に物凄いバイタリティがあり情熱的です!いつも勉強させていただきながら親しくお付き合いさせていただいているのですが、その白土さんご夫婦が何故弊社においでになったかというと・・・明日に続く!
昨年2009年1月1日から12月31日までの1年間で、延べ53,854人の方から2,292,267件のアクセスをいただきました。数を競う目的で日々ブログをアップしているわけではありませんが、多くの木材ファンを増やすという目的達成の目安にはなります。ブログを始めた当時は、なかなか要領を得ず時間もかかり、折角打ち終わったのに保存で失敗して全て消去してしまった事も少なくありませんでした。その日のブログをアップするのに2時間も3時間もかかるのも珍しくありませんでした。最近はさすがに慣れてきて、1時間もかからなくなりましたが、基本的にはメカに弱いのでときどき画面が固まる事があり戦慄を覚えます!
慣れによる功罪がありますので、決して惰性にならないように今後も前向きな気持ちでいきたいと思います。『森のかけら』の周囲の関連商品はまだまだ開発していくつもりです。この連休を利用して、新たな商品も仕上げる事が出来ました。ミニ解説書などのソフト面が自分では作れないものがありプロにお願いしてあります。エスデザインスタジオの佐野さんと共に、『森のかけら』の育ての親であるパルス・デザインの大内さん㊧が、ソフト面はパックアップしていただいています。専門家の方のエッセンスを加えていただける事が『森のかけら』の隠し味です!
『森のかけら』は、全国の木のファンの方々のご協力で日本各地で販売していただいています。やはり多くの人が集まり感度の高い東京などでは反応も良いのですが、意外にも(?)実数では愛媛県での販売数が一番多いのです。そもそも値段云々で売れる商品ではありませんし、熱く語って相手を錯覚させて、いや惚れ込ませて気に入っていただくという商品なので、ただ陳列しておけば売れるという物ではありません。売る方にも熱意がないと伝わらないという、人+物が一体となった商品なのですが、そういう方が次第に増えてきていただいているのは大変ありがたいことです。愛媛においてその一翼を担っていただいているのが、愛媛の面白いもの情報発信基地『えひめイズム』です。センスよく素敵に展示していただいて、また違った『森のかけら』の一面を垣間見ていただいていることと思います。
生活必需品とか消耗品とかではないので、日々売れていくという物ではありませんが、スタッフのみなさんの熱心な説明やPRのお陰で、少しずつ知名度も増してきています。私が暑苦しく喋るよりも、女性の方がスマートに語っていただく方が一般の方も受け入れやすいのでしょう。こういう物は、細かな商品の説明をするよりも、自分が商品に惚れこんだ気持ちを語っていただくのが一番です。先日も『日本の100』ほか『世界の36』、『日本の36』、『プレミアム36』などをまとめてご購入していただく方がいらっしゃいました。とってもありがたいです、感謝、感謝!
生まれ故郷の南予地方では、年配の方は「ありがとう」という意味で「だんだん」という方言を使われます。とっても耳にも柔らかい、温かみのある言葉です。オープンして一月足らずの『えひめイズム』ですが、スタッフの皆さんの熱い思いで、少しずつ(だんだん)愛媛主義の『森のかけら』も浸透してきました。ご購入していただいた皆さん、だんだん!感謝の『だんだん』が、だんだん増えていけば嬉しいです!
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