森のかけら | 大五木材


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20100616 モアビ3さて、日本人が頭をひねって命名した『南洋桜』とは無理矢理のこじつけで、桜のような滑らかさとも色合いとも違うのですが、憧れの桜に置き換えて説明したいという意気込みでしょうか。結果的には、それが行き過ぎて別名や別称が氾濫してしまう事になるのですが・・・。モアビは大径木である分癖も少なく材が素直で、全体的に色合いも均質で、虫にも強い特徴があり、更に当時は値段も手頃だったのでとても重宝されました。私も随分お世話になりました。

20100617 不屈のライオンとモアビ2

ただし、モアビを削ったことのある人は誰でも経験があると思うのですが、何も知らずに普通にこの木削るととんでもない事になります!切削すると粉塵が粘膜を激しく刺激し、その痛みと痒さといったら尋常ではありません!鼻の奥と目が痛痒くなり、朝に加工すると昼頃までむず痒さが残るほどです。マスクにタオルなどの重装備で臨みますが、粉塵が細かいので隙間から進入してきて『モアビ・ハザード』の餌食となるのです!ただではその身を削らせないぞという『不屈のライオン魂』が宿っているのでしょうか。

20100616 不屈のライオンとモアビまあ、相手は体を刃物で削られるのですから、これぐらいの抵抗があって当然と言えば当然。粉塵が粘膜を攻撃する木はアフリカや中南米に多いのですが、中でもモアビは間違いなく横綱級です!また、シリカを含むため、導管に詰まったシリカが時々白い斑点のように現れ、いくら説明してもクレームになり取り替えさせられた事もありました。今ならもちょっとうまく説明できると思うのですが、なにぶん当時は知識もなく、言われるがまま・・・。残念ながら今は説明しようにも、モアビそのものがこの辺りでは見かけることが出来なくなりました。あれほど倉庫に積みあがっていたモアビもほとんどなくなってしまいました。人は世に連れ、材は世に連れ。樹種の変換は時代の必定、かつてあれほど人気を博したモアビもすっかり声が掛からなくなってしまいました。そうなると製材所も原木を入れなくなり、材も集まりにくくなります。そうなると妙にあの『モアビ・ハザード』ですらも懐かしく思えてくるのですから人間身勝手なものです。 

 

moabi時にモアビには複雑な縞模様も出たりするので、カウンターや家具に使っても面白みはあるのですが、なにしろ重たい!テーブルサイズの1枚板などになるとゾッとするような重量になります。左の画像の手前部分は、オイルのクリアー塗装した状態です。濃い赤褐色になり存在感が増します。私にとって『身近だった木』になってしまいつつあるのは非常に寂しいのですが、サッカーなどで「カメルーン」と聞くと、条件反射でモアビの事が頭に浮かびます。中津江村のあのモアビは大きく成長したでしょうか。               




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