森のかけら | 大五木材


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20120215 1映画の公開前にアップしないと後悔しそうで、注意していたのですがすっかり出遅れてしまいました!早くに情報を掴んでいたにも関わらず、愛媛の地での劇場公開がないという事でうっかり封切り日を失念していました。今のところ、松山では劇場公開の予定が無いようですが、どうにか松山でも公開していただきたい(自分で働きかけねばなりませんね、これは!)ところです。その映画とは、宮大工・西岡常一棟梁のドキュメンタリー映画大工 西岡常一の遺言 鬼に訊』。鬼に訊くしかないでしょう!

 

20120215 2住宅産業に携わる人なら知らない人はいないであろうビッグネーム「西岡常一棟梁」。私ごときがその名を口にする事など憚(はばから)れるほどのお方。住宅産業以外の方でも、国宝・法隆寺薬師寺西塔の再建を手掛けた棟梁と言えば、学校で教わった事を思い浮かべられる方もいるのではないでしょうか。西岡棟梁は、明治41年に代々法隆寺に仕える宮大工の家に生まれ、日本の誇る数々の歴史的寺院建築の復興や再建に棟梁として携わられ、平成8年に86歳で鬼籍に入られました。ご健在の頃から数多くのメディアで取り上げられ、その一言一句、一挙手一投足が生きる伝説と化していました。テレビやドキュメンタリーでそのお姿をよくお見かけしましたし、西岡棟梁の著書を読み漁った時期もありました。

 

20120215 3西岡棟梁の著された本は、編集者に口伝で語られ、テープ起こしして活字にまとめられたものも多く、難しい専門用語を避け、実に平易な言葉使いで噛んで含んで子供に諭すような穏やかな物言いで書かれているので、建築の知識のない方でも受け入れやすく読みやすい本ばかりです。本物とは分かりやすく誰にも理解できるもの、なんですね・・・しみじみ。そのお仕事ぶりもまさに「口伝の世界」。まさに「鬼」となって宮大工の高等技術の伝統と継承をに生涯を捧げられました。

 

20120215 4それは宮大工や落語の世界などごく一部の限られた世界のしきたりではなく、 「形」を伝えるのではなく「心」を伝えるという、全ての事柄に当てはまる根源的な課題でもあります。しかし当時駆け出しで、桧も杉も見分けがつかないようなど素人の私には、その言葉の奥に秘められたものづくりの極意や家造りに携わるものの心得など、行間を読み込むだけの力があろうはずがなく、ただただ言葉を目で追うばかり。20数年材木屋をやって、この歳になって著書を読み返してみて、ようやくそのメッセージが少しは理解できるようになりました。「千年の檜には千年のいのちがあります。建てるからには建物のいのちを第一に考えなければならんわけです。そんなことしたら木が泣きよります。」何十年時が経とうとも、時代を超え世代を超え、我々木を扱う者が心に留めておかなければならない言葉の数々。

 

 

20120215 5そんなことしたら木が泣きよります。」己への戒めとしてよく使わせていただいております。西岡棟梁の木に対する姿勢はおよそこの言葉に集約されるのではないかと思います。木に対して恥ずかしくはないか、木に対して真摯であるか。自然素材が見直されるようになった今だからこそ、噛み締めなければならない言葉だと思います。そんな西岡棟梁の生前の姿を追ったドキュメンタリー映画が全国のアートシアター系劇場で2月4日より好評上映中です。この近くだと広島(映画館の良心)サロンシネマ。海渡るしかないか・・・。




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