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映画『ライフ・オブ・パイ』に登場する食肉島も食肉植物も怖いですが、世界にはもっと地味ながら、猛獣すらも死に至らしめる恐ろしい植物が沢山実在しています。本日は、出来る事なら会いたくないそんな植物をご紹介します。南アフリカに生育する『ライオンゴロシ』という恐ろしき和名を持つ植物。属名は「巨大な棘のある植物」、種名は「前方に傾いた、逆さに曲がった」という意味で、合わせると「巨大なる逆棘のある植物」という事になるそうですが名は体を現わす!
この植物の種子が「恐怖生物」なのですが、この種子は地表に密着して生え、果実そのものの大きさは、10㎝ほどの大きさでやや扁平ですが、果実に裂片が飛び出していて、その先端に鋭くて頑丈な鈎爪(かぎづめ)が幾つもついています。それが地表に這うように成育しているので、この植物の生えている上を歩くと簡単に付着してしまいます。それが一端付着してしまうと簡単には離れません。百獣の王・ライオンすらも、この植物の成熟期にその地に足を踏み入れてしまうと悲劇が・・・!
木質の果実の硬い棘はたちまちらライオンの足に裏に刺さります。すると歩くたびにその鋭い棘は肉に深く食い込んでいき、痛みは倍加していきます。苦痛にもがけばもがくほど、棘は深く食い込み更に激痛が!口で棘を抜こうなどとして、もしも口の中にでも入ろうものなら、逆棘は唇に刺さりぬくなくなります。すると食事をするたびに棘は深く食い込み、それを噛みぬこうとして口中に傷でもつけようものなら、そこから粘膜が化膿して、食事すら出来なくなって遂には飢えと渇きで死んでしまうのです。
口に刺さらずとも、足に刺さった事でこの植物の上でのたうちまおうものなら、体中に逆棘が刺さり、動くたびに肉に食い込み激痛の中、どうする事もかなわず苦しむことになるのです。ライオンが草原にその屍をさらす頃には、ハイエナやハゲタカの掃除屋が綺麗に後片付けをして、やがて大きな白骨が横たわる頃には、そこに新たなライオンゴロシの新たな群生ができるという、まさにホラー映画のようなエンドレス地獄が繰り広げられるというのです。『ライオンゴロシ』の名前は伊達ではありません。
『ライオンゴロシ』の立場になって考えれば、百獣の王すらも自分達の種族(ツノゴマ科)が生き延びるための道具、栄養分でしかないのでしょう。付着する相手はライオンに限ったわけではないでしょうが、なるべく大きな動物に付着すれば、多くの仲間を移動させ繁殖のチャンスが増えるわけですから、踏みつぶされたり、噛み砕かれたり玉砕覚悟で百獣の王にも挑むわけですから、どちらにとっても命がけです。この植物には『ヒッカケイカリ』の名もありますが、『ライオンゴロシ』の名こそ相応しい!
本日もまたまた映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』』の話。映画の中で漂流を続ける少年とトラは、ある日無人島に辿り着きます。その無人島というのが・・・いつもはマナーを遵守して、公開中の映画のネタバレになるような核心には触れないのですが、今回はここに触れないと木との結びつきが話せないので、これから映画を観ようという方は読まないで下さい。さて、漂流生活の末に少年とトラが辿り着いたのは、食料と水に恵まれ、数万ものミーアキャットの大群が棲む無人島でした。
ところがその楽園のような無人島は、夜になると一変、恐怖の食肉植物の島に変身するのです。つまり食料や水で人や動物達をおびき寄せて、夜になって寝入ったところを食べてしまう人食い島だったのです!何という設定でしょう!『ドクター・モローの島』、『SF巨大物の島』など孤独で逃げ場の無い島ハプニングSF大好き人間として、その設定だけでおかわり3杯はいけるぐらいの美味しいシュチエーションなのですが、その無茶設定すらもそれなりに納得させてしまうのは映像の力でしょう。
ダブルメガネで、3Dメガネのずり落ち感(鼻が低いので)は煩わしかったものの、緻密で美しい映像は、この御伽噺に真実味すら与えてしまうほど。っしかも今回はただの3Dではなくて、愛媛で初めて取り入れられた『IMAXデジタルシアター』という画期的な次世代のプレミアムシアターという事だったので、余計に臨場感を楽しめたのだと思います。メカ音痴には詳しい事は分かりませんが、スクリーンが広角になって自分と一体感が出るような不思議な感覚で迫力満点でした。
さて、食肉生物の島の話に戻りますが、島が人を食べるといっても、漫画みたいに島が暴れだすのではなくて、植物の蔓が巻き付いたり毒性のある棘が刺さったり、水が化学変化を起こして死に至らしめるというリアル(?)な感じなのです。それでも島が人や生き物を襲うという設定は素晴らしい~!それを映像として見せる(決定的瞬間は出ませんが)意欲は、3Dという技術があってこその英断。こういう島が実在するか否かは知りませんが、世界には恐ろしくも不思議な木もあります。その話は明日・・・
昨日に続いて、映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』の話。この映画を3Dなのですが(2D版もあり)、比喩や暗喩の受け止め方はひとそれぞれですが、映像として『見せる説得力』というものも大切で、読書や音楽では味わえない感覚表現として、最新技術をうまく取り込むということもひとつの道かと考えます。それに対してあありに過剰に拒否反応を持ってしまうと、ただの言い訳、愚痴にしかならない事もありますので、「見極め」という事が大切になると思います。
木材業界においても、今から20年ほど前に初めて「プレカット」が愛媛県でも本格的に入ってきました。それまでも部分的に機械加工する設備はありましたが、フルオートメーションでわずか1日で家一軒分を加工してしまうシステムには目から鱗が落ちる思いでした。それに対して、年配の大工さんたちは「あんなものは家じゃない!」などとあからさまな拒否反応を示しました。自分達の仕事が奪われるという危機感もあったでしょうし、それまでのすべてを否定されるような気持ちもあったでしょう。
当時はまだ、それなりに新築の着工数もありましたし、大工さんたちも元気な方が多かったので、プレカットが広く県域に浸透するまでにはいくらかタイムラグもありました。当初はいろいろトラブルもありましたが、それも乗り越え、地元の大手、中堅ハウスメーカーが取り入れるようになると加速度的にプレカット率は上がり、ほどなく業界を席巻。あれほど拒んでいた昔気質の棟梁たちも、流れには抗えませんでした。それでも一部の方は時代に取り残される形で廃業されていきました。
プレカットというシステムがどうこういうつもりはありませんが、映画産業における技術革新(3D)も同様に、何か新しい技術が生まれると、それまで使われていた技術が不用になってしまいます。すべての産業がそういう淘汰を繰り返し技術の進歩をはかってきました。伝統的な技術には、システマティクではない手間隙かかるものが多く、その修得にも時間がかかるものが多くあります。個人的にはそういうものが大好きですし、最新モノにはアレルギーのあるアナログ世代です。
5,6年前まではメールも使えませんでしたし(不信感もありました)、パソコンなんてほとんど使えませんでした。今だって、ブログなどの形式の決まったルーティーンをこなしているだけで、ちょっとトラブルがあると大慌てになります。それでも毎日4年も続けていると、指が動きを覚えるもので何とか出来ている状態。古きものの伝統や意義は継承しつつも、時代に合わせて対応する鷹揚さも持ち合わせないと、ただの遠吠えや遺産になってしまう気がします。新しきものもいつかは古きものになる身。それを考えれば、伝統的と呼ばれるものとて、それが生まれたとき、世に出たときは、眩しいほどの輝きを放つ革新的な技術であったのかもしれません。それが長い時間かけて継承され伝統に姿をかえていく。目先の新しさに心を奪われていると本質をも誤ってしまいかねません。一緒にボートに乗っているのは虎ばかりではないのかもしれません。その時、どう対応するのか?!
先日、相当久し振りに映画館へ!いろいろ慌しい日が続いていたので、どうにか時間を作ってでも暗闇で充電をしなければと駆け込んだのは、『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』。ほとんど前情報を入れることも無く(その余裕すらなく、テレビCM程度の印象だけで)観たので新鮮でした。嗚呼、今時分は映画館で「映画」を観ている~と強く実感させられました。私の場合、やっぱり1月に最低でも1、2本は映画館で映画を観ないと感性が鈍ってしまいます。リフレッシュ出来ました!
この作品の原作が、カナダ人作家のモノで大層な賞を受賞した事も、その監督がオスカー受賞暦のある監督である事も知らず、ただ少年がトラと一緒に漂流するというシュチエーションに純粋に惹かれました。しかもそれが手なずけられたペットのようなトラではなく、人を食料として襲い掛かる凶暴なトラであるというのがいい!逃げ場の無い大海原で、出会ってはいけない2人(ひとりと一匹)が出会うという設定は、深海の石油探索吉から宇宙ステーションまで、古くから映画の定番中の定番。
1月25日から公開されていて、情報もかなり流失しているので今回は内容にも触れますが、動物園を営んでいたインド人家族が、カナダを目指す航路の途中で遭難。救命ボートで命からがら生き延びたのは、骨折したシマウマ、ハイエナ、オラウータン、腹を空かした獰猛なベンガルトラ、そして16歳の少年。その組み合わせが、宗教的、哲学的な意味を帯びると解釈する向きもあるようですが、私は「弱きものは命を失う自然淘汰の縮図」とシンプルに受け止めました。
その「箱舟」の中ですらも、命の重さはすべての生き物に共通であるという人間の理性と恐怖、空腹、孤独と葛藤する少年は姿は感動的でした。CGを多用したことでネガティブな意見もあるようですが、その技法を目的にしてしまう傾向がある中、御伽噺のような本作には不可欠な要素だったと思いますし、個人的には何の嫌味も無く受け入れられました。CGがなければここまでのトラとの競演も猛り狂う激しい嵐も幻想的なシーンの数々も表現できなかった事でしょう。
節分に関わるもうひとつの木が『槐(えんじゅ)』です。鬼を退散させる節分のイベントには外せない木です。木偏に鬼のつくりから、悪いイメージがあるかもしれませんが、非常に縁起の良い木なのです。平安時代から鎌倉時代に書かれたわが国最古の造園書といわれる『作庭記』の中で、「槐は門(かど)の辺に植ふべし、大臣の門に槐を植えて槐門と名づくること、大臣は人を懐(なづ)けて、帝王に仕うまつらしむべきのつかさとか」と記されています。
それは、中国の古い故事に由来しているそうです。中国は周の時代に大師、太傅(たいふ)、太保(たいほう)という三公が、朝廷の庭に植えられた三本のえんじゅに向かって座し、執務にあたったという風習に習ったもので、この三公を「三槐」とも称して、後世になると、大臣の位を「槐位」、「台槐」、「槐座」と読んだそうです。更に三公の居室を「槐門」、その地位にのぼる事を「登槐」、「任槐」、朝廷の事を「槐庭」、大学の異名を「槐市」とするなど、非常に高貴で位の高いものの象徴とされてきました。
その故事から分かるように、エンジュは中国北部原産の落葉高木で、日本には仏教伝来の頃に伝わったとされています。木と共に、そのまま槐という漢字で伝わりましたが、つくりの鬼は音を表わしているだけで、実は深い意味はないそうです。槐は秋になると、数珠玉をいくつも重ねたような実を垂らしますが、この実の事を槐子とか槐実と称して、熱病や破傷風などの薬に用いられています。それを中国で「えす」と呼んでいたのですが、それがエンジュの古名「えにす」になり、「えんじゅ」に転じたのだとか。
その槐ですが、材としては高さ20m以上、直径も400~500㎜ぐらいには成長するといわれています。心材と辺材のコントラストを生かして、クラフト細工などでは珍重されているようですが、住宅部材としては、床柱や落とし掛け、床框などの床まわりに使われることがほとんどだと思います。昔は本格的な和室の床の間には、立派なエンジュの大黒柱が貫禄たっぷりに鎮座ましましたものですが、最近は和室の減少でエンジュ床柱もすっかり出番がなくなってしまいました。
その代わりといっては何ですが、よく声がかかるようになったのが「大黒柱」など、独立して意匠的に見せる柱としてのポジション。和風、洋風の隔てなく、色合いの濃い木で、変化があり存在感のある木として、提案がよく受け入れていただいています。径がそれほど大きいものはないのですが、5寸、6寸あたりの大きさが昨今の住宅事情ともマッチするようで、節や耳のナチュラルな変化の具合も世代を越えて人気があります。由緒ある縁起のいいエンジュの大黒柱、おひとついかがでしょうか?!
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