森のかけら | 大五木材


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さて、そんな木のまな板の中で弊社が取り扱う機会が多いのは、圧倒的に『イチョウ(銀杏)ホオ(朴)』です。一応ヤナギ(バッコウヤナギ)も在庫にはあるのですが、まな板にするにはあまりに大振りで、高価なまな板になり過ぎるため断念されます。イチョウとホオについては、まな板にちょうどいいぐらいのサイズの小幅な板がお手頃な値段であるために、そちらを選択される方が多いのです。稀に、『青森ヒバ』とか『ヒノキ』で作って欲しいという樹種指定のケースもありますが基本はおまかせ。

サイズにもよりますが、一般家庭で使われるぐらいのサイズであれば、イチョウかホオで充分対応可能。先日は、ご自宅で使われるまな板のご注文をいただきました。在庫しているホオの中で、家庭用のまな板に手頃なのがこちらのホオの耳付き板。長さが2m前後で、幅が180〜280mm程度、厚みが30mm。業務用のまな板を取るには幅も足らず薄すぎますが、長さ400〜500mmぐらいの薄手のものでよければ、この中で赤身の張ったものを探し出して加工して仕上げていきます。

荒材で見ると結構大きく見えるものですが、実際に木取りして丸味やダメージのある部分をカットすると、案外狭いものしか取れなくなったりして、あと数センチ幅が足りない〜なんてこともしばしば。わずか数センチとはいえ、ご依頼のサイズが取れなければ意味がありません。極力白太部分を外して赤身で木取たいのですが、幅250mmぐらいをご所望されるとこの材で赤身だけというのは難しくなります。それで結局、更に大振りなホオの板を製材して作らせていただいたのがこちら。


光の加減で色合いがとぼけていますが、実物は赤身(緑)の張ったもので、ご依頼主にも満足していただきました。昨日も書きましたが、なぜ木のまな板を使うのか?回らない寿司屋さんに行って、プラスチックのまな板を使っていたとしたらどう思うでしょうか?それはただ衛生的とか価格のことといった点からではなく、まずもって雰囲気が台無しになってしまうでしょう。それは寿司という食文化を昔から支えてきた調理道具のひとつとしてまな板が文字通り切っても切れない関係にあるからだと思います。

暖簾をくずれば、清潔感のある白木のカウンターと新鮮なネタが並び、その奥に白衣をまとった大将がいて、柳包丁に木のまな板がある光景というのが、多くの日本人が抱く寿司屋さんのイメージではないでしょうか。食は目で味わうともいいますが、寿司はまさに雰囲気や風情も料理の味付けにおいて重要な隠し味のひとつだと思います。そう考えれば、木のまな板は必要不可欠であり、五感で味わう寿司という食文化を構成する大切なひとつの要素なのだと思うのです。たかがまな板、されどまな板。




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