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木が好きだったら吉野杉に限らず、ドンドン原木を買ったらいい。日本中の市場で可能であるなら、女子に限らず一般の方が沢山木を見て、木を買ってもらえればいいと思う。特に変木や規格外の木などは、固定概念に凝り固まってどう使ったらいいものやら分からない頭の固い材木屋に安価で叩き買われるよりも、惚れて好かれてときめきながら一般の方に買っていただく方がどれほど木にとっても幸せな事か。別に流通システムの在り方をどうこう言っているのではない。
ただ木の世界ももっとオープンにして、木のファンを作る事を本気で考えなければ先は無いという事。恐らく世の中に木の事が嫌いで嫌いでたまらないなんていう人はほとんどいないと思う。そう考えれば木の仕事というのは、他の仕事に比べてもの凄いアドバンテージが与えられた仕事だと思う。だってほとんどがファンになる要素を持っているということだから、うまくつながればファンの開拓は無尽蔵だと思うのだ。
にも関わらず工場や設備のハード面の充実ばかりに心を奪われ、本来もっとも大切なファンづくりを疎かにしてきた。自分自身の猛省も込め、今回の記事にはいかに材木屋がファンづくりに怠慢であったかを思い知らされた気がする。もっと多くのひとが丸太に抱きつきたくなるぐらい木を好きになってもらおう、ブランドバッグを買うぐらいの勢いで木を買ってしまうぐらい木に惚れてもらおう!それをするのは我々材木屋、それが出来るのは我々材木屋、それこそが材木屋の本懐ではないか。
生態系がどうのこうの、CO2がどうのこうの、難しい理屈や木の事は分からずとも、自分の何倍も生きて森に屹立する巨人の姿を仰ぎ見たり、巨人の一部を肩に担った時に肌で感じるものがある。肩に食い込む木の重さ、そげらの痛さ、埃や樹液、それらすべてが木そのものなのだ。木は決して優しいばかりではなく時には重く、冷たく、痛く、汚い。それでも若者よ、森に行け!木を見て、材を担げ!長年風雪に無言で耐える木こそ人生の師だ!
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