森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

本日は『シラカバ』の用途について。その樹皮に油分が多いことは先に書きましたが、着火材としても使われるほどよく燃える事から、日本に留まらず世界各国でも同様に松明(たいまつ)にも使われます。シラカバの仲間は世界に40種ほどあるとされ、北半球の温帯から亜寒帯に分布しています。ヨーロッパの各地でもシラカバの林は叙情的な光景を見せてくれているのでしょう。着火材としてだけでなく、油分が多いことから非透水性がある樹皮を屋根に葺くという習慣もあるとの事。

古い言い回しですが、結婚式の事を「華燭(かしょく)の典」といい、このブログでも何度か使ってきました。昔の挙式や披露宴は自宅で日が落ちて暗くなってから行われる事が多かったため、祝宴を開く演出のひとつとして絵蝋燭(ハゼの実など植物性の原料で作った蝋燭)を燃やしりしたそうですが、その華やかなともしびの名残として「婚礼の儀式の席上のともしび」の美称として使われます。華はカバノキ(樺)をさしていますから、もっと昔は文字通りカバの皮を松明として燃やし明るくして祝ったのかも。

シラカバの木は典型的な陽樹で、明るく開けた場所を好む木です。山火事など直射日光が降り注ぐ裸地では、他の樹種に先駆けて定着するパイオニア的な木ですが、遅れて定着してきた陰樹に追い越され大木になる事はほとんどありません。シラカバはせいぜい20~30年の短命な木で、直径300〜400㎜、500㎜にもなれば大木の部類に入ります。それもあって住宅資材、家具資材としてはあまり重要視されていません。稀に長寿のシラカバもあるそうですが、そうなる持ち味の白い肌が失せるとか。

四国ではほとんど自生していないためその被害についても聞いたことがありませんでしたが、東北などの自生地ではシラカバの花粉飛散による花粉症も大きな問題となっているそうで、春先になると大量の花粉が飛散し、その凄まじさはスギ花粉を凌ぐとも・・・。その一方で、シラカバの幹を傷つけると滴り落ちる樹液からはシロップや、それを煮詰めた白樺糖、白樺樹液を使った銘菓、白樺樹液100%のお酒なども造られています。天然のミネラルをたっぷり含んだ白樺酒、是非取り寄せて飲んでみようと思います。2014年の『今日のかけら』、これにて完。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2014年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
Scroll Up