森のかけら | 大五木材


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昨日に続いてシラカバの木の話です。四国においては、その名前に比べて実物を見たことがないという『知名度だけは高い木』ですが、それは学生時代に習った『白樺派』などの影響も強いと思います。白樺派というのは、明治時代に創刊された同人事『白樺』を中心として起こった文学思想のひとつで、主な作家としては武者小路実篤、志賀直哉、有島武郎、里見弴などが知られています。小・中学生の頃はよく本を読んでいて、「小説の神様」とまで言われた志賀直哉の作品はよく読みました。当時は、白樺派がどういうもののかなんて気にもしませんでしたが今気になるのは名前の由来。

同人誌「白樺」の名前の調べてみると、志賀直哉説と武者小路実篤説の2つがあるようで、志賀直哉はよく日光や赤城などの山に登っていて、白樺の木の雰囲気が好きだったのでそうしたと主張していますが、実篤はシラカバの木の白と黒の色の配色が面白いから名づけたのだと主張しています。創刊のメンバーからして主張が違うので、恐らく先に「白樺」という名前が出て来て、それぞれが違うイメージでよいと捉えて納得したのかもしれませんね。確かに名前の響きも色のコントラストも印象深い木です。

そのシラカバは、35㎜角のキューブになっても「個性」が際立ちます。それはあまり歓迎すべき個性ではないのですが、シラカバには『ピスフレック』と呼ばれるカバノモグリバエ(樺の潜り蝿)という虫の幼虫が、木を食害した穿孔跡が、木の年輪に沿って褐色の帯、斑点となって現われるのです。これは決してシラカバだけに起こることではないのですが、特にシラカバには多く見られる特徴で、【森のかけら】が他樹種と混じってしまった時にシラカバを見つける時のてがかりのひとつにもなります。

店舗のディスプレイなどにも使われるシラカバですが、せいぜい【森のかけら】に使うぐらいでシラカバの大きな材や板を購入した事はありません。用材としては軟らかく、せいぜい割り箸や氷菓の匙(さじ)や棒、パルプ材などあまり用途が確定していません。むしろ板としてよりも丸太(そのまま山小屋風の内装に使ったり、輪切りとして花台や飾り台などに使う)や樹皮細工、あるいは観賞用としての方が有用視される珍しい木です。本日は名前や文学の話が中心でしたが、その用途については明日・・・




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