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『えひめのあるくらし』のコラボ商品『茶器セット』は、愛媛県産山桜の木箱の中に、砥部焼の茶器が収まり、リネンガーゼの風呂敷で包んで持ち運んで、外でお茶を楽しめます。その日の気分に合わせて、甘夏や伊予柑の果皮・果汁に、化学精製のなされていない粗糖・洗双糖を加えて作ったマーマレードもいかがでしょう。白石さんのお眼鏡にもかなったようで、白石さんの部屋を彩るアイテムの1つに加えていただきました。
この取り組みはただコラボ商品を開発するというだけではなく、『白石さん』を通じて愛媛にあるいいもの、面白いものを暮らしに中に取り入れてみませんかというライフスタイルの提案であり、愛媛の方には地元にあるモノ、地元から生まれるモノを見直していただこう。県外の方には知っていただこうというもの。 その茶器セットの実演編の撮影は先にメンバーが集まって行われたのですが、それはまるでコントのような空間の中で始まりました。
リアル白石さんこと井上女史の指導のもと、改良が加えられコントから次第にテレビのCMの撮影風景にまで昇華。実際に使っていただく事で、『おとな』たちが作り上げたモノに物語が加わりました。おとなの部活動は、個性的な異業種の面々が絶妙なバランスで成り立っているのですが、その根っこにあるのはそれぞれの仕事に対する尊敬と配慮。一家言のあるメンバーですが、それぞれの得意分野に対しては絶対に領空侵犯しません。
撮影中もあれこれ外野からヤジは飛ぶものの、最後はきちっと収まるのもそういう線引きがしっかりしているから。そこは「おとなのたしなみ」、遊ぶ時は遊ぶが任された仕事はきっちりと仕上げます。そうして茶器セットとそれを使った『えひめのあるくらし』の撮影も無事終了。ただ各企業の商品を持ち寄った寄せ鍋商品から一歩足を踏み出すことができた気分です。コラボ商品が生まれるのも嬉しいのですが、それ以上に通常であればつながる事の無かった異業種の方々とこうして交わり、語り、もうそれだけで楽しくて面白くてたまりません。
異業種の取り組みとしては目に見える形(結果)を出すこと以上に、自分の仕事ぶりや考え方に共感したり共鳴してもらう理解者(特に同じものづくりの立場の)に出会えることのプラス効果は絶大。それがただのなかよしサロンになってしまっても仕方がありませんが、私の場合は異業種の中で水平展開する事で樹という素材の可能性に触れて、毎回大きなヒントや出口の鍵をいただいているところなのです。「おとな」に栄光あれ!
14、5年ほど前に家内が木の玩具などの取引先の開拓や情報収集のためにギフトショーに行きたいと言った時、その存在すら知りませんでした。そんなギフトショーに出展させていただくのも今回で5度目になりますが、距離の感覚も遠くにあったギフトショーが年々身近に感じられるようになってきたのは、そちら系の出口に近寄ってきたためでしょうか。違和感の塊だった最初の出展から随分とこちらの意識も変わってきました。
今回は、昨年に引き続き『おとなの部活動』チームが1年間の活動の集大成として、【えひめのあるくらし】の2年目を展開。我々にとっていわば成果を見せる学習発表会という気持ちでの出展であります。W杉浦夫妻という転校生を迎え入れたおとなの部活動は、せいぜい1,2ヶ月に1回のクラブ活動でありながら、信じられないくらいのスピードで急速に(図々しいほどに)親密度を増し(旧知の仲のように)相互理解を深めています。
絶妙のタイミングで飴と鞭を使い分けるよき猛獣使い、いや指導教官にも恵まれ(藤田、井上両氏)、公立とは思えぬほどののびのびとした開放的な校風(公益財団法人 えひめ産業振興財団)の中、個性的な面々は妄想を膨らませ、最大級のパフォーマンスを見せるべくギフトショーにやって来ました。今年のテーマは「えひめの、とあるくらし」をしている架空の主人公、ブックカフェ勤務34歳白石さんのプライベートのお部屋。
彼女の部屋には、彼女のセレクトで大切に選ばれた「えひめのものがあるくらし」があります。昨年までは見える人にしか見えていなかった白石さんの姿が、普通の方にも見えるようになってきました。出展ブースではその暮らしぶりが垣間見えます。昨年はノベルティにとどまっていた企業コラボも、今年はお出かけが出来る『茶器セット』というコラボ商品を作るまでに至りました。弊社は愛媛県産の山桜を使った木箱を担当させていただきました。
いよいよ本日はシナノキ物語の最終話。材が軟らかかく年輪も不明瞭で、建築材や家具材としてもあまり利用されていないシナノキですが、その特徴は別の見方をすれば、材質が均質で狂いにくく収縮も少ないという事になります。また淡い黄白色の生地は、塗装との相性が抜群で着色して仕上げるには格好の材と言えます。しかも軽くて安価というその特徴を最大限に生かしたのが合板の表面に化粧材として薄いシナ材を貼ったシナ合板。
弊社でも昔は押入れセットの1つとしてシナ合板には大変お世話になりました。しかし仕上げ用の化粧材(しかも大量生産型の)となるとわずかなシミや節でも欠点とされるため、当時そのシナ合板を眺めながらこの1枚を作るためにどれぐらいのB品やロスが発生しているのか心配になったりしたものです。それ以外にも、経木やアイスクリームのヘラやアイスキャンディーの棒、彫刻材、漁具、籠、製図板などにも使われています。
北海道などに多い日本原産のオオボダイジュは材質的にはシナノキとほぼ同じなのですが、合板業界ではやや白っぽい事から『アオシナ』、やや赤身を帯びたシナノキを『アカシナ』と呼んで区別する事もあるようですが、材木屋での一般的な取引ではそこまで区分される事はありません。その靭皮(じんぴ)が重宝がられて植えられてきたシナノキでしたが、近代では靭皮としてではなく材やその他の用途に存在価値を見出しています。
その代表的なものが蜜源です。シナノキの花は初夏に咲き白い小さな花が枝分かれしたように連なり、いい香りが蜂を招き寄せる蜜源植物としても有名。シナノキの蜂蜜、売られているのは見たことがあるのですが実際に食した事がないので、せめて出口の紹介をしておかねばと『はちみつの5かけら』に加えるつもりでしたが、蜜源植物の候補は多くて含める事が出来ませんでした。その贖罪として今度購入しシナノキの蜂蜜を味わってみます。
成長が早い事から比較的大きな材が取れるというのもシナノキの特徴ではありますが、同時に非常に軽軟な事から脆(もろ)くて傷がつきやすい、腐りやすいという面もあって、材の大きさの割には用途が定まらず大きな体を持て余しているというのがシナノキに対する印象です。弊社にも長さ2100×幅1900×厚み76㎜というサイズのベッドシナノキもありますが、その巨躯を活かせる場面を思案中です。これにて構想1年にわたるシナノキの長篇物語完結!
シューベルトの歌曲でも菩提樹が登場しますが、愛の木でもあった菩提樹は同時に『裁きの木』でもあったとされていて、ドイツではこの木の下で裁判が行われていました。愛の木は罪に対しても寛容であったかもしれません。またゲルマン神話においては、菩提樹には竜が棲んでいるとされていました。その龍には翼が生えてなくて、地上を俊敏に動き回るのですがそのしなやかで敏捷な様子を菩提樹の樹皮と材の特徴にかけたのだとか。
文化的な背景が違うのでちょっと分かりにくいのですが、竜の存在が信じられていた時代、大きく枝を拡げたその雄大な姿に畏怖し、神聖なものとして捧げものをして村々の『樹木聖域』としての地位を確立したのでしょう。ドイツだけでなくヨーロッパには昔からどこの村にも菩提樹が植えられていて、心の拠り所として、コミニュケーションの場として人が集い、言葉を交わし物語が語られ多くの逸話が生まれたのだと考えられています。
菩提樹の花言葉は『夫婦愛』、特に『良妻の美徳』とされてます。ギリシャ神話にもフイレイモンとバウキスという老夫婦が登場して、ふたりはその徳によって神殿を守っていたが、天寿を全うした時に樹に化してしまいます。夫はカシノキとなり、妻バウキス(樹皮という意味)はリンデン(シナノキ)になったとされています。リンデンの寿命は1000年と言われるほどに長寿なはずの木なのですが森では近年急速に姿を減らしています。
それはシナノキの材質に関わりがあります。前述してきたように、シナノキは繊維分が多く縄や布の原料になるのですが、材質的には非常に柔らかい事から建築材として顧みられることはなく、色あいも淡黄白色でとぼけた感じで、散孔材で細かな導管が散らばっている事から、木目も不明瞭でパッとしなません。しかも廃ガスに極端に弱い事からその数も減る一方で、釈迦由来の聖なる木も現代林業においては重要視されていない現実があります。
本日はシナノキとボダイジュの関係について。一般的にはシナノキの事をボダイジュ(菩提樹)と訳されていますが、本来ボダイジュというのは、インド原産のクワ科の常緑高木インドボダイジュにつけられた名前で、菩提とはサンスクリット語でボジ(悟りの意味)。インドのブッダガヤといわれる聖地にあったこの樹の下でお釈迦様が四十九日間瞑想して悟りを開いた事に由来しています。現存する菩提樹は何代か後のものだそうです。
釈迦が悟りを開いたインドのボダイジュと中国原産のボダイジュとはまったく別モノなのですが、熱帯樹の育たない中国で葉っぱの形が似ている事からボダイジュの代用として寺院に植えられ混同して呼ばれるようになりました。中国原産のボダイジュは、学名ティリア・ミケリアーナというもので、僧の栄西が1168年に日本に持ち込み日本の寺院の境内などにも植えられ、菩提樹の名前が定着しました。
日本にはこのボダイジュの在来種が存在していて、北海道などに多いオオバボダイジュ、その変種で札幌の藻岩山の名を冠するモイワボダイジュ、関西以西に分布して包葉の形がヘラの形をしているヘラノキ、ツクシボダイジュ、そしてシナノキなどがあります。ボダイジュについては、日本よりも国外に多くの逸話が残っています。特にリンデンバウムの名を持つドイツにおいては特別の木、『愛の木』として親しまれています。
愛の木と呼ばれる由縁は、菩提樹の葉はアンシンメトリーなハートの形をしているのですが、それがあたかも人間の心臓の形のように見える事から、ハートを沢山持っているボダイジュが愛の木とされたのです。若き英雄ジークフリードはこの木の下で竜に勝ったとされているし、人々は大きく枝を広げたこの木の陰で愛を語り合い、手を取り合ってこの木のまわりを踊り、大きく立派な菩提樹は昔から祭りに中心にあったとされています。
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