森のかけら | 大五木材


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特にミシシッピ州は、州内にタイサンボクが多いことから、Magnolia State(タイサンボクの州 )という愛称もあるほど。明治12年(1879)に、アメリカのグラント将軍(後の第18代アメリカ合衆国大統領、ユリシーズ・グラント)が来日した際に、夫人が上野公園に植えたことから、『グラント・ギョクラン(玉蘭)』とも呼ばれます(当時は綺麗な花にランの名を冠する習慣があった)。今では東北以南の各地で街路樹などに植えられ、すっかり日本の木の風情すら漂いますが出自は北アメリカ南部。

5~7月の初夏に花をつけ、季語にもなっているほど(泰山木の花は、夏の季語)、日本の風景に溶け込んでいて、和歌や俳句にも詠まれています。「がつちりと花を葉を持つて泰山木種田山頭火、「昂然と泰山木の花に立つ高浜虚子、「ゆふぐれの泰山木の白花はわれのなげきをおほふがごとし斉藤茂吉など俳人や歌人たちも泰山木のある風景を詠んでいます。まだこの木の材は手に入れたことがないものの、目をつけている樹はあって、どうにか入手できないものか思案しているところ。

話は戻って、兼六園のタイサンボク。ここまで書いていて間違っていたら恥ずかしいのですが、木の名札が付いてなかったのでその葉からの判断です。そのタイサンボクの根元に目をやると、根が気色悪いほどに瘤々に膨れ上がっていました。兼六園は前田斉泰(なりやす)が、万延元年(1860)に造ったのが元とされているので、明治12年(1879)に渡来したタイサンボクは、その後の整備工事で植えられたもののはず。外来樹なので、あまり重要視されていないのか、こんな奇怪な姿にも関わらず解説無し。

あるいはこれが何か特殊な状態の根なのか、病気なのか、もしかしたらこういう性質なのか、悲しいかな知識が無くてよく分かりませんが、かなりインパクトがあります。今まで見てきた整った美しい兼六園を表の顔とすると、長い歴史の中ではこういう奇特な木も育つという裏の顔もあるといえば、言い過ぎかもしれませんがこれも兼六園の懐の深さかと。もっと時間があればいろいろ探索できたのでしょうが、後の行程を考えてとりあえず兼六園はこれにて終了。明日からはお隣の金沢城に移動~。




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