森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

ちなみ今知られているシンジュの使い道としては、材は器具(指物・農具)、車両、薪炭など。根及び樹皮からは殺虫剤が作られたり、血圧降下の効力もあるため収斂剤(しゅうれんざい)にも利用されるとの事。若葉は埋蔵して食用にされたり、その葉はシンジュサン(神樹蚕)の天然飼育にも利用されたことがあるようですが、いずれも中国での記録で、明治期に日本に入ってきたものの日本での明確な利用実績はほとんど見当たりません。中国から入ってくる木工品の中にはシンジュで作られたものも結構あるとか。

材質が軟らかく、耐久性が低いことから日本ではあえてこの木を利用する必要もなかったからだと思うのですが、利用頻度が低い割には他地域で広く帰化して分布領域を広げています。しかも耐寒、耐暑、耐煙性が極めて強いだけでなく、病虫害もほとんどなく、どんな土壌でも旺盛に育つので、街路樹などに植栽されているようです。しかしその繁殖力が仇となって、この木が導入された国では厄介者扱いされることもあるようです。1年で1~1.5mも伸び、およそ20年で高さは15mにも達する成長力の凄まじさ。

通常は単木で点在しているものの、根を傷つけるとすぐに「ひこばえ」を出すことから、下手に伐ると根から群生に芽が出てすぐに領域を広げるので、伐ってはいけない木ともされています。また、葉を傷つけると不快臭がすることや雄木は不快な匂いの花をつけることなどが、中国での名前『臭椿』の由来にもなっている(ちなみに中国では椿の文字は日本の椿の意ではありません)ことなどの特徴も、この木が不当に貶められている理由の一つなのかもしれません。ところでこの木の和名は、『ニワウルシ(庭漆)』と言います。私はこちらの名前で認識していたので、『シンジュ(神樹』という名前の方が新鮮でした。

ウルシの名前がついてはいるものの、触るとかぶれるあのウルシ(ウルシ科)とはまったくの別物でかぶれることもありません。では何故ウルシなのかということですが、葉がウルシ属のように羽状複葉になっていて、かぶれないので庭にも植えることができるからなどと説明されていますが、その特徴から考えれば狭い庭に適したような木でない事は明らかなので、庭という言葉は不釣り合いにも感じますが。 材として使う前にこの樹に出会い、その悲しき背景を知ることができてよかったです。是非汚名を晴らす出口を探そう!




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2016年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
Scroll Up