森のかけら | 大五木材


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この後、福井県に移動するというタイトなスケジュールでしたので、開館前に来たものの、既に入口には長蛇の列!金沢城、兼六園と目と鼻の先という立地の良さから観光コースにも組み込まれているようです。まずは『21世紀近代美術館』の中でももっとも有名な作品のひとつが、この『スイミング・プール』。アルゼンチン生まれの芸術家レアンドロ・エルリッヒ氏の作品で、恒久展示となっていて撮影も自由という、とっても分かりやすいアートです。館の中庭に設置された変哲のないプールなのですが、地下に行ってビックリという仕掛け。

人々がプールの周辺に集まって水で満たされたプールの水底を覗いているのですが、実は厚さ100㎜の透明のガラスの上に水が注がれているだけで、ガラスの下は空間になっています。プールの底からは水越しにユラユラと揺らめく空や、水面をのぞき込む人々の姿が揺れる水の向こうにおぼろげに見える仕掛けです。作品の説明によれば、『あたりまえの日常の感覚を揺さぶるとともに、一旦仕掛けに気づいた人に作品との積極的な関わりを促し、さらには、見る人同士の関わりをも生み出すことになる』と。

ああ、そうなんだ。結局アートって見る人がどう受け取るか次第なんだと、入館早々から心が解放されました(アートっぽく)。プールの底は、静謐なブルーの世界。揺れる波の影がとても不思議な感覚。プールの底にいる人を水面から写すというカップルや友達たちの中に混じった孤独な中年は、それ自体で哀感すら漂っていたのかもしれません・・・。水底から思ったことは、ちょうどその日は晴天だったのですが、これが雨の日だったらどんな感じだったのかということ。雨の日も案外面白いのでは?!  

水面から水底を覗き込むとこういう感じ。体形や服の色ぐらいは分かるものの、水面の揺らめきで顔認識はできません。まあそれがいいところで、これで顔とはハッキリ写ってしまっては無粋。木にとって天敵ともいえる水によるアート作品。今までいろいろな異素材とコラボしてきましたが、こういう形で水を捉えるととっても面白い。もうひとつの天敵である火も、焼却炉の炎の揺らぎをじっと見ていると吸い込まれそうになりますが、やはり天然素材の奥は深い!

 入れ替わり立ち代わり人が流れる中、ぼーっと水面を眺めていると自分の体も揺れだしそうな気分になりました。木材ってシンプルで汎用性が高い素材であるがゆえに、つい過剰に細工を施すことや、精度を極めること、装飾性を高めることなどに目が行きがちですが、もっとシンプルに素材ありきの作品があってもいいなと思っていたら、【森のかけら】をはじめ弊社の商品のほとんどが、素材の力に依存しっぱなしの商品であったことに気付く・・・!




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