森のかけら | 大五木材


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実際にその木を触った事が無い人でも(触った事はあってもそれがそうだとは認識していない事も含めて)『日本で一番軽い木』といえば、大抵の人はその答えが『キリ(桐』だと知っているのではないかと思います。それぐらい認知度のあるのが、キリという木です。しかもその出口といえば、これも実際にそのものに触れたことがなくとも、『桐箪笥(たんす』とか『下駄』とか『』とか、その用途までも答えられるほど、『使われて親しまれている木』というよりも、『語られて親しまれている木』だと思います。

そんなキリの木ですが、生命力は逞しくて、すぐに太くなります。なので一般的に、『お手頃で少し大きめの板』の基準となる直径300㎜(あくまでも私の独断)ぐらいのサイズは容易に手に入ります。成長のスピードが速いので、非常にエコロジカルな木でもあるのですが、成長が速い分材としては軟らかく、箪笥や下駄といった有名な使い方以外では案外お声がかからないというのも皮肉な話。なにしろ軟らかくて軽いので、300㎜を越えるサイズでも簡単に肩に担げます。しかしそれゆえに用途が限定され意外と足が遅い。

キリには灰汁(あく)があるので、昔は水に浸して灰汁抜きを行っていたところもありましたが、弊社にはそういうスペースはないので、天日で時間をかけて乾燥させます。すると灰汁が表面ににじみ出て来て、表面は濃い灰褐色になります。これをプレーナーで強めに削っていきます。通常の木材であれば2,3mmも削れば瑞々しい木目が顔を出してくれますが、キリの場合はなかなかその表情には出会えません。今回はそれも見越して15~20㎜以上削れるぐらい厚みのあるサイズのキリがあったのでそれを使います。これは削る前の写真。

これをプレーナーで削っていきます。幅は450㎜ぐらいありますが、こういう時に軽い素材だと助かります。しかしその分、傷もつきやすいので加工中も細心の注意を払わないと、すぐに傷ついたり凹みが出来たりするので油断は出来ません。熱く削れるといっても一度に5㎜も10㎜も削れるわけではないので、根気よく1,2mmずつ削っていきます。ひと削りすれば表面の汚れは取れるものの、やはりまだ染み出してきた灰汁が残っています。これを時間をかけながら削っていくと、次第に木の色が変わってくるのが分かります。続く・・・




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