森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

と、また書いていてつい気持ちが昂ぶってしまいましたが、言いたかったのはそういう気持ち(素材としてのハード面だけでなく、物語としてのソフト面で木を語る)で木を語りたいし、そういう手法で木を売る材木屋がいてもいいのじゃないかと思うのです。若い頃に材木屋の仲間で話をした時に、マテリアル(素材)として木を論ずる大手の材木屋の先輩たちの話に違和感を覚えていました、別世界の話のように。それで、高橋君はどう思うと振られたので、自分のような小さな材木屋からすると話が遠すぎて分かりません。

為替による原木の輸入差益がどうの、何100㎥の丸太の仕入れがどうのっていう話も勿論大切で重要な事だと思いますが、その木を扱う人間の話や木そのものの話の方に興味があって、こうやって材木屋仲間が集まって話をする時にもそういう話が一切出てこない事の方が心配ですと正直な気持ちを話しました。全国の材木屋が集まる場だからこそ、OOにはOOという木があって、その昔その木にはOOという精霊が住んでいて云々とか、杜氏のようなこだわりで木製品を作るOOという人がいて云々という話が聞きたい、語り合いたい。

そういう話って、本で読むのではなく、誰かの口を通して聴くっていう事が大事だと思っています。材木屋の世界なんて一昔前はすべてが『口伝』で行われていたもので、そうして人から人に伝え語られていく中で微妙にカスタマイズされたり、尾ひれ背ひれがついていくのが楽しいところ。木の話もそうやって昔から語る継がれるうちに盛られてたいそう賑やかになったり湾曲して伝わっているものもあるのですが、それを自分なりに受けとめて修正したり調整することでバランス感覚が養われます

「高橋君の言いたいことは分からんではないが、それでは飯は食っていかれない。あくまでも理想論としてはそうかもしれないが、我々には社員を養う義務と責任がある。」勿論そうだと思います。若気の青臭い主張ではありましたが、そう仰った先輩の大きな材木屋は今はありません。価格競争の激しい波に飲み込まれて倒産に追い込まれました。吹けば飛ぶような零細材木屋は、高速道路を降りて田んぼのあぜ道を這いずり回りながらもどうにか息をしております。どの道だって現実は厳しい。

厳しいからこそ、自分がしたい事をしたいし、他人と違う道を行ってみたいと思うのです。いずれにせよ、ほぼ新規参入のない材木業界は今後もの凄いスピードで淘汰が進んでいきます。消費増税で瞬間的な盛り上がりはあるものの、少子化で新築は減少していくのは間違いなく、従来の形態のままで材木屋という仕事が今後10数年も存在できるとは思っていません。その時に必要とされるのは何が出来る材木屋なのか?木のプロフェッショナルとして活躍できる舞台はどこにあるのか?木が嫌いな人はいない世界の中で自分の生きる道はどこにあるにか?!




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2018年11月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
Scroll Up