森のかけら | 大五木材


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日々、いろいろな木が入って来るようになって、しかもそれが木材市場で仕入れるような大きなものばかりでなくて、街路樹や庭木、公園木、神社木などだったりすると、短かったり曲がっていたりすると、さあすぐに製材所に持って行って挽いてもらうというわけにはいかず、うちである程度「解体作業」するなど、仕分けをせねんばなりません。それが目先の作業に追われてついつい後回しになって、いつの間にかすっかり銀灰色になってしまい、何の木だったかすら分らなくなるほど放置してしまうこともしばしば。

場所も狭いので、そうして放置しておいた丸太が雨風に晒され朽ちてしまったり、虫の餌食になってしまい使い物にならなくなることもあり、先日も整理をしていたら、表面に無数の虫穴があいて樹皮がボロボロになっている丸太がありました。申し訳ない事をしたけど、このまま置いておいても虫たちの巣になると断腸の思いで処分するしかないかと鋸を入れたら、思わぬ手応え!そして中から一気に噴き出す芳香。昔にいただいたカイヅカイブキの丸太でした。白太は朽ちたり虫にやられておりましたが、赤身は健全そのもので艶やかですらあります。

赤身部分を触ると少しヤニっぽさがありますが、この赤身部分のタフさこそがカイヅカイブキの真骨頂!虫も腐朽菌も寄せ付けないこの赤身部分の逞しさ。出入りの多い樹形なのでいびつに広がった年輪に生命力が凝縮されています。この不規則な年輪幅が、『森のりんご』に加工した時には絶妙の杢となって現われるのです。これはそれほど大きな木ではありませんが、『森のりんご』や【森のかけら】を取るには充分な大きさ。ただ、それだけだと向こう何年分もの在庫となってしまいそうなので、何かしらカイヅカイブキの新しい出口も探りたいと考えています。

これでもう少し大きいものになれば、写真のように板に挽いて、床の間の落とし掛けにしたり、店舗の看板などにして、樹形の変化を意匠的に楽しむこともできます。一般的に材木屋で見かけるカイヅカイブキといったら、こういう姿だと思います。和室の減少に伴いすっかり出番がなくなり倉庫の奥で眠っていましたが、撮影も兼ねて前の方にまで引っ張り出していたら、この数年も話題にもならなかったカイヅカイブキになぜだか急に次々と声がかかるようになって・・・。もしかして引っ張り出した時に一緒になにかご縁も引き寄せたかしら?




200種類以上の木を扱っていれば(あくまで種類というだけで量は微々たるものですが💦)、同じ日に全然違うところから同じ木に問い合わせが来るということも確率的にはなんら不思議な事でもないのでしょうが、『ムー世代』のロマンチスト材木屋としては、「こ、こ、これはシンクロニシティ!木の神の見えざる力が発動された~!」などと勝手に盛り上がって、その邂逅を授けていただいた「かけらの神」に手を合わせて感謝しています。今回の巡り合わせは『カイヅカイブキとシラカシとサッチーネ』です!

まずは、街路樹として御馴染みのヒノキ科ビャクシン属の木、『カイヅカイブキ(貝塚息吹』。普段からその立ち姿を見ることは多いのですが、通常木材市場に出材されることは稀なのと、貴重な出口であった「和室の意匠」もほぼ壊滅状態にあって、改めてこのブログを見直してみても、6年目に触れて以来まったく取り上げてもいませんでした。以前は床の間の落とし掛けとか、田舎の大きな家の玄関の飾りなどにも使われていたのですが、出番が無くなりずっと倉庫の奥の方に幽閉状態にあったのです。

それではいかんという気持ちから、この木を使って『森のりんご』も作ってみました。それがこの『イブキのりんご』です。削るとその木肌は淡いピンク色をしていて惚れ惚れするような美しさなのですが、経年変化でその美しさはみるみる失われていき、写真のようなくすんだ赤茶色に落ち着いてしまいます。色止めが出来ればなあと切望する木の1つです。このりんごだって、仕上がった当時はそれはそれは美しゅうございました。しかしこのうつろいやすさの中にこそ、本当の美があるのかもしれません。真実の美は儚さの中にありて目の見えぬものなり。

カイヅカイブキはその立ち姿からも分るようにかなりいびつな樹形をしているので、板に挽いても平面が得にくいので、使いどころに工夫が必要になります。それが「りんご」の曲面の中では、心材の赤身と辺材の白身が混ざり合って得も言われぬ表情を醸し出してくれます。遊び心のある人にはそこがたまらない木でもあり、通好みの木とも言えます。イブキは油分も多くて、「かけら」に加工しても持つと小口がねっとりとする事があります。昔はどうにかしなければとも考えましたが、歳とともにエイジングに寛容になってきました。明日に続く・・・




先月と今月の2ヶ月間で、大五木材としては珍しく幅1m級の大きな耳付板が6枚も売れました!もともといわゆる銘木と呼ばれるような高級な木材とは縁遠い材木屋ですので、サイズは大きいとはいえ、バリバリの無節で上品で雅趣溢れる杢のあるA級品というわけではありません。その表情には、森の中で長年にわたって豪雨や防風に耐え、虫や鳥たちに住処を与えたり、わが身を蝕まれた痕跡が深く刻みつけられた味があって、癖が強い脇役のような板ばかり。昔の俳優で例えれば、アーネスト・ボーグナイン、今ならロン・パールマン

決して主役は張れなくても、登場すれば完全に主役を食ってしまうほどの圧倒的な存在感を放つ個性派。昔からこういう役者が好きなんです。木も同じでこういう木にはわけもなく惹かれてしまうのです。大体こういう木って、「大トロ」を狙って大きな原木を挽いた時に、不本意に挽けてしまう「中落ち」みたいなもので、製材業者にとっても決して歓迎されるものではありません。なので木材市場でも本命の大トロの前に、これから大きなサイズが出てきますよ~といった露払い的な意味合いで並べられます。

そのサイズ感は目を引くものの、「サイズはいいけど節がね~、こんな大きな割れがあっちゃね~」なんて、大トロ狙いの銘木屋さんは歯牙にもかけません。多くの良識ある材木屋からも軽くスルーされてしまいます。そうなればそうなるほど、私の中の天邪鬼が騒ぎ出す。「そうそう、表面の美しさしか追わないあんたらにはこの木の良さなんて分らないだろうよ。こいつを生かして、世に出してあげられるのはこの偏屈材木屋だけよ!」高級銘木を買わない(買えない)自己弁解が私に「買う理由」を与えてくれるのです

お蔭様でそんな嗜好の材木屋には、そういう木にシンパシーを感じる木フェチがどんどん集まって来るようになって、更にこちらも増長して、いつの間にやら倉庫はそんな木ばかりで溢れかえっております。意外にもそういうそういう嗜好の若い人の方が多くて、小さな頃から本物の木に囲まれてきた経験が少ない若い世代だからこそ、割れや虫食いなどの上っ面の見栄えだけでない、本物だけが持つ迫力や質感に惹かれるのかもしれません。木だけの話ではなくて、モノに対する価値観が大転換期を迎えつつあるのを強く実感します




こどもたちが小さかった頃は、大きさとかを企画するために撮影用のモデルを頼んだら、姉妹で争うように喜んで協力してくれたのに、大きくなるにつれて、モデル料を払っても応じてくれなくなりました。それで仕方がないので自分の手とかに商品を載せて撮影とかしてるのですが、木の温かみややわらかさを表現したいのに、ごっついオッサンの掌はあまりに不似合い。そしたら近所に引っ越してきた幼い姉妹がいつも裏の小屋に遊びに来るのですが、話をしたら喜んでモデルをしてくれることになりました(^^♪

ここぞとばかりにいろいろな商品を持ってもらって撮影大会が始まったのですが、前からそのサイズ感から小さな女の子に持ってもらいたかったのが、こちらの『オリーブのカティングボード』。長さが190㎜、幅が100㎜、厚みが7㎜程度と数字で書いてもなかなか実際の大きさがイメージしにくいと思ったので、私が握ってみたのですが卓球のラケットにしか見えなくて折角のオシャレなオリーブが台無し。やっぱり可愛い女の子に持ってもらうと、商品の見栄えもいいです。ちなみにモデルさんは小学生の女の子。

35㎜角の【森のかけら】と比べてみるとこの大きさ。この上で何かを切る実用的なカッティングボードというより、サブに使ってもらったり、サラミソーセージやチーズなどをこの上に乗せて、そのまま食卓に出すトレイなどに使っていただきたい商品です。こちらは弊社で作っているわけではなく仕入れ商品ですが、オリーブのキッチン用品って相変わらず根強い人気があります。オリーブは大きくなりにくいので、大きなサイズのカッティングボードになるとかなり高価ですが、このサイズだと結構リーズナブル。

この商品を売りたいというよりは、こういう商品を通じて『オリーブ』という木の事も知ってもらって、もっともっと出口を広げていきたいというのが私の思いです。お隣の香川県小豆島にもオリーブは沢山あって、オリーブオイルなどで馴染みはあるのですが、まだまだ育林の年月が浅いのでこういう縞柄が出るような大径木には育っていません。そもそも材を得るために植えたものではなくて、『ニシンの活路』として植えられたものです。最近は新築の庭に植栽されることも多いので、オリーブを眺めながらオリーブのトレイでご馳走を楽しんでみるというのも一興かと。




迂闊でありました・・・。機を見て敏なるは光秀、機(木)を見て動かぬは材木屋。まさにこれ以上も無い追い風が吹いているのに、のうのうとテレビの前で、ちいくら4k押しとはいえちょっと衣装が鮮やかすぎじゃねえ、なんてほざいておりました。まさに切腹者でござる。そう、世はまさに『麒麟ブーム』(そこまでではないか)、今こそ作りすぎて城が兵糧倒れになりそうであった「かけら城」を開放するときであったのでござる!最近妙に家紋マグネットの注文多いなあ、なんて呑気な事を言ってる場合ではなかった💦

という事で、本当にうっかりしていたのですが、『麒麟が来る』放送に便乗したコバンザメ作戦を決行致します!それがこの『森のしるし戦国家紋シリーズ』。雄郡が割拠した戦国時代に活躍した戦国大名の家紋をあしらった木のマグネットです。この商品化を思いついた時に、男子ならば絶対燃える(萌える)戦国武将のしるし。あればあるだけ買わずにいられない~!と、自分が思うぐらいですからコンプリートしたい男子、あるいは歴女が全国には相当な人数いるはず!という強い思い込みだけで作った『戦国家紋シリーズ』!

調子に乗って、10種類のシリーズは第三弾。更にそこから派生して、『明治維新の偉人シリーズ』や『動物家紋シリーズ』や『植物家紋シリーズ』まで広げてしまいました。全国各地の歴史のイベントなどからもお声がかかり、結構な数が売れたのですが、それがいけなかった。この売り時を逃してたまるかの勢いで増産に次ぐ増産。それが勇み足となって大量の在庫が残ってしまうことに。それでもまだ心のどこかに余裕があったのは、戦国時代ブームは必ず繰り返して起こる事を経験則として知っていたから。

歴史は繰り返す。それがNHKの大河ドラマの舞台であったり、武将の生誕〇〇年記念などの大掛かりなイベントだったり。そこでうまく波に乗れば家紋熱も再燃するはずという読みがあったのです。その事をすっかり忘れておりました。世が世ならば切腹者です💦しかも今回の『麒麟が来る』の主役である明智光秀に関しては、その子孫が書いた本能寺の変の謎解きでも散々盛り上がっていたのに・・・。更にもっと大きな失態としては、肝心の光秀の家紋が無いのです!いや、光秀が使っていた桔梗紋はあるにはあるのですが。

どういうことかというと、朝鮮半島での虎退治の逸話で有名な豪傑・加藤清正の紋として、戦国武将第一段に使ってしまっているのです。戦国時代にはひとりの武将がいくつもの家紋を使っていて、加藤清正はもうひとつの『蛇の目紋』の方が有名だったのですが、最初にこの商品化を考えた時にシンプルな蛇の目ではなく華のある桔梗紋を選択してしまったのです。そういう事なので、この戦国武将シリーズには明智光秀の家紋は含まれてはいませんが、桔梗紋はしっかりと含まれていますので、麒麟便乗商品『森のしるし』、1個¥200(税別)で発売中~(^^♪




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