森のかけら | 大五木材


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昨日からご紹介しているクロガキを加工してもらったのは、いつものZEN FURNITURE』の善家雅智君。彼の工場からクロガキの板を運ぶ際に思いがけない組み合わせが実現。弊社の3トン車の荷台の上に並んでいるのは、クロガキ(右)とクリ(左)。クリは函館産のクリの一枚板をフローリングに加工したもの。こちらは木工所で加工されたもので、この後弊社で検品して長さをカットして整えます。それぞれ別のお客様さからの注文だったのですが、この組み合わせに注目!これも「チーム・フルーツウッド」!

一体何を興奮しているのかというと、クリとカキ。フルーツウッドなどキワモノ木材を扱う弊社とて、【森のかけら】以外で同じタイミングでこういう組み合わせの仕事が入るのは珍しいのです。そう、ここにあといくつかの木が揃えば、日本人なら誰もが知っているあの昔語の登場人物(キャラクター)が揃うのです。後のメンバーは、『モンキーポッド』。カキ、クリ、サルといえば、もうそれだけでもピンとくると思います。そう、『サルカニ合戦』です!

今更ストーリーを説明するまでもありませんが、話によっては登場人物(キャラクター)が省略されている事もあるので、整理しておきます。主役はサル(モンキーポッドカニ。事件が起こるのがカキの木()。親ガニを殺したサルを懲らしめるのが、石臼、牛の糞、蜂、畳針、クリ(栗)。とりあえあずカキ、クリ、サルだけでも何となくサルカ二合戦はイメージできるとは思いますが、ここは強引な力技で『森の5かけら』を作り出す「かけら職人」のメンツにかけて後もどうにか木に例えたい!

どうにか木と関連付けてみると、まず牛の糞は、バッコウヤナギ。文字通り、ベコ(牛)が好んで食むヤナギがその由来。石臼は、石つながりで「イシゲヤキ」の別名を持つ『ニレ』。畳針は、針つながりで「ハリエンジュ」。かなり苦しいですが・・・。問題はカニとハチ。蟹という言葉で木材でイメージするものといえば、蟹の甲羅のように見える蟹杢。その蟹杢が現れるのがツガ。弊社の在庫で蟹杢があるのは『キリシマツガ』、最後のハチですが、これがどうあがいても繋がりないので誕生木(8月)でケヤキ。かなり苦しいこじつけではありますがこれにて『サルカニ合戦の8かけら』完成!




自分とは何も関係ないと思われていた昔の、遠くの物事が、わずかな事でも自分や自分の住む地域とつながりが見えてくると妙に嬉しくなってくるものです。もしもそれが歴史の大きな転機に繋がっていたりすると、途端にそれが身近に感じられたり、因縁を感じたりするもの。ということで、照国の始祖・島津斉彬公日の丸の国旗の制定に深く関わり、それがもともとは船舶に使われたいたことから、欧州航路に打って出る大型船舶の船名に冠せられ、その模型を今の時代に生きる私(照国)が観ているという、私の中だけの歴史浪漫。

その照国丸は、ロンドン、アントワープ、ロッテルダム、ハンブルグなどの欧州の各国を巡ったことから、船の内装にも日本風なしつらえがされたそうです。生憎カラーの写真は見つかりませんでしたが、後に人間国宝となる松田権六氏による蒔絵が施された内装などの船内装飾は当時かなり話題になったとの事。ちなみにこの松田権六氏は、石川県金沢市生まれで、「うるしの鬼」と呼ばれた漆芸の第一人者。そのエピソードもいろいろと興味深いのですが、最近お世話になることの多い石川県金沢市出身というのも距離感が縮まります。

その松田権六の有名な言葉、「今日科学は進んだといいながら漆を溶かす薬はまだでてこない。この溶けないものを剥げないように塗ればそれでいい。」含蓄のある言葉です。『能登ヒバ』で今までに何度も石川県にはお邪魔していましたが、有名な輪島塗はヒバやケヤキなどに漆を塗ったもので、木とも深い関わりがあります。お土産として輪島塗の箸は買ったりしていたものの、『うるしの鬼』が私の名前のルーツ『照国』とも関わっていたとなると、今後はただの土産感覚で漆器を見ることなど出来ますまい。

そうやって自分勝手にドンドンと因縁の深みにはまってしまっているわけですが、そういう興味が『森の5かけら』に通じています。日本人は木を単なる用材としてだけではなく、愛でたり人生を重ねて愛情を注いだりと特別な感情で木と向かい合ってきました。そのため暮らしの中の大部分の要素に木が使われてきました。なのでどういう切り口からでも木と暮らしが繋がるのです。これはもう照国つながりで『照国の5かけら』を作るしかないのか!

もし作ってみるとしたら・・・照国の始祖・島津斉彬公の島津藩(鹿児島)の県木・クスノキ、鹿児島産のセンダン(栴檀)/(薩摩欅)、昭和の大横綱・照国万蔵のリズミカルな取り口から「桜色の音楽」と評されたヤマザクラ、照国丸の船内装飾をした松田権六の漆芸の礎・石川県木の能登ヒバ・・・う~ん、あとひとつ。こういうところで何をひねり出せるかがこの5かけらを作る醍醐味!ところで、この照国丸は第二次世界大戦において日本が喪失した最初の商船であり、日本が参戦する前に唯一沈没した日本商船でもあります。嗚呼、哀しみの照国丸。




アマゾンの話つながりなんですが、【森のかけら】の中から特定のテーマに準じて5種類の木を集めてパックにした『森の5かけら』の中にあるのが『ブラジルの5かけら』。その5種類というのが、ブラジル産の『マニルカラ』(アカテツ科)、『イぺ』(ノウゼンカヅラ科)、『サッチーネ』(クワ科)、『イタウバ』(クスノキ科)、『セドロ』(センダン科)。確か2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックにちなんで作ったものだったはず。早いものであれからもう2年、次は『東京五輪のかけら』?!

さて、その中の1つ『セドロ』についてですが、別名『シガーボックスシーダー』とも呼ばれるこの木は、文字通りシガーボックスに使われる材としては最高級だとされています。私自身もそういう風に紹介してきましたが、実物を見たことがありませんでした。それがたまたま実物を見る機会がありました。松山市内に飲みに行った時、初めて入った店のカウンターに鎮座ましましていたのがこちらのシガーボックスです。セドロは、調湿効果に優れ香りづけの効果もあることからキューバ葉巻を収納する箱に最適とされています

私自身は葉巻はおろかタバコも吸わないのでよく分からないのですが、葉巻にこだわる愛煙家には羨望のモノのようです。まあ、あくまでも中身の葉巻そのものが大切なのですが、葉巻も高級なものになると1本¥1000を越えるものもあるようで、やはりそれを保管する箱は重要になります。『シーダー』という名前が付いていますが、センダン科の広葉樹でシーダー(スギ)の仲間ではありません。それが削るとスギのような匂いがすることからシーダーの名前が付けられたそうですが私は匂いよりも削り屑にスギっぽさを感じます。

材が軽いこともあってフワフワした羽毛のような質感で、匂いだけでなくそういう見た目からもスギをイメージさせたのかもしれません。もっとも外国で付けられた別名なので、日本のスギではなく米杉(ウエスタン・レッドシーダー)をイメージしているのだと思います。さてそのセドロですが、シガーボックス以外にもギターのネックなどにも使われるなど珍重されるものの、輸入量は決して多くはありません。弊社にも薄い板があって全国の葉巻愛好者が沢山買い求めていただきましたが、その板も完売。

残っているのは長さ3m前後、幅500~600㎜、厚み60~75㎜程度のカウンターサイズの大物ばかり。今後も新しい入荷は見込めそうにないので、残っている材を大切に売っていこうと思っています。『赤欅』なんて呼ばれることもあるぐらい木目に和風の趣きもある木です。このセドロに限らず、手持ちの材が無くなってしまうと今後入荷が未定という木が増えてきて心配は尽きません。それぞれ【森のかけら】用に少しずつストックしていますが、この1年でも「次の入荷が難しい木」が増えてきそうで悩みのタネは尽きません。




20140622 1後から聞いた話だと、このあたりで『ナラ枯れ』が起きているようで、熊の食料となるどんぐりが少なく、腹を空かせた熊が山から下りてくる事も結構あるのだとか。人家のごみ収集所のゴミをあさる姿も見られるそうで、熊にとっては死活問題です。日本国内には、北海道に生育するヒグマと、本州以南に生育するツキノワグマの2種類の熊がいます。体長が2mを越え、体重も200キロも越すという「日本最大の陸上動物ヒグマ」に比べると、ツキノワグマは小型です。

 

Exif_JPEG_PICTURE体長も1~1,3m、体重も80キロ未満ということなので大型の犬のようなもの。雑食ですが、冬眠から目覚めると前の年に落ちたブナやナラなどのどんぐりを主食とするらしいのですが、ナラ枯れの影響でどんぐりが少なく、食糧を探して親子で徘徊していたのかしれません。改めて木は人間のためだけにあるのではなく、虫や鳥や獣など多くのものがその恩恵を受けていてその影響は計り知れないのだということを実感しました。衝突した熊が無事であってと願うばかりです。

 

20140622 3もし蜂が地球上からいなくなれば、人間は4年以上生きられない。蜂がいなくなれば受粉ができなくなり、植物は育たず、そして人間は滅びる」とはアインシュタインの有名な言葉ですが、現実に数年前からヨーロッパやアメリカでは蜂が一瞬にして大量に姿を消すという事件があちことで起きています。その原因とされているのが、ネオ二コチノイド系農薬ではないかと言われているようです。ミツバチの神経を破壊して方向感覚を狂わせ、帰巣できなくなる可能性のある劇薬!

 

20140622 4この農薬は害虫を駆除する力が極めて強い事から、生産効率を追求する大規模農園で使われているらしいのですが、それが結果的に蜂の大量消失につながっているのではと問題になっていて、既にその使用が禁止されている国もあります。効率や経済優先の考え方で本来自然界にないものを作り出し、それが本来あるべきものを殺していく・・・他人事ではなく、木を扱う人間として木に対して「マテリアル」以外の謙虚で本質的な視点も持っておかねばならないと思うばかりです。

 

CA341154★『どんぐりの5かけら』・・・¥2500(税別)

国産のドングリのなる木の5種をセレクトしました。

アカガシ』『クヌギ』『シイ』『シラカシ』『ミズナラ』

配送につきましては、『エクスパック500』を使いますので全国一律¥500です。詳しくは、こちら




20120605 1昨日の続きですが、語れば語るほどに何だか哀愁が漂ってきそうですが・・・後半は少し格好いい男の姿を!「タフでクールな男」の姿は映画や小説の中にしかなくなりつつあるのかもしれませんが、私が子供の頃の漠然とした大人の男のイメージは、古い映画で観た「酒場と煙草の煙」でした。幼き頃にTVで観た映画「カサブランカ」や「マルタの鷹」のボギー(ハンフリー・ボガード)や西部劇のジョン・ウェインの決してスマートではないやや初老の姿こそが私のダンディズムへの羨望なのです。

 

20120605 2ジョン・ウェインがイデオロギー抜きに西部の荒野を無邪気に駆け回っていた頃、その手には戦う男の象徴・ライフルが握られていました。その銃床として重宝されているのが、『ブラック・ウォールナット』です。チョコレート色の濃厚なグラデーションと柔らかすぎず硬すぎない適度な触感が好まれているようです。ブラック・ウォールナットの銃床ではなかったと思いますが、亡き父も昔猟銃を持っていて、時々雉(キジ)狩りに出掛けていました。昔の残像が少年の中に「男」のイメージを構築していきます。

 

20120605 3続いて、樹皮の色合いと樹形のたおやかさから「女松(雌松・めまつ」と称される『アカマツ』に対して、樹形の色合いと逞しい樹形から「男松(雄松・おまつ」と称される『隠岐の黒松』。かつて日本中で大発生したマツクイムシに虫害を受けて、いまや入手すらも難しい貴重な木となってしまいました。クロマツに限らず、松の出番である梁丸太すら使わない家造りが増えてきて、住宅現場においてもその姿を見る事が珍しくなってきているのは寂しい現実ではあります。その姿も父の存在感と重なるかも・・・。

 

20120605 4同時に、昨今の住宅から姿を消しつつあるおのに『大黒柱』があります。大黒柱という言葉が語り継がれているように、かつては多くの家にどっしりした大黒柱が、心の拠り所として文字通り屋台骨を背負ってきたのでしょうが、間取りの変化とコストダウンの荒波の中で、「心の拠り所」や「象徴」は丸裸にされ、構造的な必要性が求められなくなると、ただの「無用の長物」と評価されている辛い時代です。そこにあるだけで、凛とした空気間が漂う無言の存在感、ケヤキ(欅)は長らくその責を背負ってきました。そんな男の5かけらです・・・。

★『タフでクールな男の5かけら』・・・¥2,500(¥2、625 消費税込み) 注文ボタン




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