森のかけら | 大五木材


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ついに12月になりました。イベントに追われ、あっという間に11月は過ぎ去っていったような気がします。以前はイベントといっても愛媛木材青年協議会主催のものか、住宅フェアのようなものがほとんどで、どうしても同じメンバーで何年もしていると緊張感がなくなり、マンネリ化して義務感のような気持ちで関わるようになってしまい、自分でもよくない傾向だと思っていました。しかし、この最近は住宅系とはかけ離れたところからお声を掛けていただく事も増え、出展するたびに新しい出会いがあり、常に新鮮な気持ちです。やはり何事も『慣れ過ぎる』のはよくありません。常にほどほどの緊張感がないと、何か新しい事を始めようという『意欲の虫』が虫穴に引っ込んでいくのが自分でも分かりますから・・・。常に新たな戦場に飛び出すつもりぐらいの覚悟を持っていないと、やっぱり『いい物』は生まれませんね。

091129_1304~0001という訳ではありませんが、11月最後のイベントは、29日の日曜日のひめぎんホールで開かれた『えひめ産業文化祭りに参加させていただきました。これは毎年この時期に行われている相当大規模なイベントだったらしいのですが、私は今回初体験でした(お粗末!)。その中で、愛媛県農政課のグリーン・ツーリズム推進協議会が展示されている『えひめのグリーン・ツーリズム展』というブースのお手伝いに行かせていただきました。私と井部健太郎君(久万造林+木っちん)が参加しました。実は前日から2日続きのイベントという事で、県のスタッフの皆さんもお揃いでした。

091129_1305~0001この『グリーン・ツーリズム』という言葉、急速に使われるようになりましたが、まだまだ浸透しているとはいえません。農林水産省では、『農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動です。 欧州では、農村に滞在しバカンスを過ごすという余暇の過ごし方が普及しています。英国ではルーラル・ツーリズム、グリーン・ツーリズム、フランスではツーリズム・ベール(緑の旅行)と呼ばれています。』と定義付けしていますが、噛み砕いて言うと『海や森に滞在し、自然や地元の人とふれあう体験』という事だと思います。例えば、家族で海の民宿に泊まり地元の漁師さんたちと地引網をするとか、田舎でで田植え体験をするとか、森で植林体験をするとか、そういう事ですが、ちょうど井部君たち『久万郷』のメンバー達がやって来た『子育てワンダーランド』がまさにグリーン・ツーリズムそのものです。その関係で今回お手伝いに参加させていただいたという訳です。

 

20090628 久万郷5何か新たに箱物を作るとか、そういう馬鹿な真似をしないでも、身近なところで生きた教材はいくらでもあります。田舎生まれの人間にしてみれば、何でも英語にして体裁ばかり整えようとする傾向には辟易するものの、こういう形で、田舎の良さを見直そうという動きは喜ばしい事だと思います。しかし今の若い指導者の方は、こういう活動を提唱すると、具体的な見本とか実践例などを呈示して欲しいと言われるのではないでしょうか。何事もマニュアルに従って教育を受けてきた世代が、人を教える立場になってきていますので、そういう事もありがちな気がします。田舎にはマニュアルも攻略本もありません。人間としての智恵と想像力が試されるのです。どうすれば、魚が釣れるのかと、どうすれば火が起こせるのかとか。既に若いお父さん・お母さん世代でも、そういう『実体験』には乏しい方がたくさんいます。

今回、私達は『桧の踏み台キット』をどっさり持ってきて、自分達で作ってもらう体験をしていただきました。木工といっても、すべて加工してあり、釘穴の下穴まで開いている、本当の組み立てキットで、金鎚1本あれば簡単に組み立てられます。慣れると5分もあれば仕上がりますが、それでも金鎚を使う『実体験』のない大人の方は悪戦苦闘!楽しみながら20分ぐらいで作られます。子供と一緒にという口実で、途中からお父さんがほとんど作られた方もいらっしゃいました。実は大人が楽しみたいという気持ちも分かります。ものづくりは楽しいですから!キットのまま持ち帰って自宅で作るのもありだったのですが、中に「家に金鎚がない」という方もいたのには驚きました。いや、どうもそれが普通のようです。

091129_1052~0001実体験』が少ないどころか、そういう真似事をする道具すら身近なところから離れつつあるというのが現実のようです。金鎚がそういう事であれば『木材』など尚更、ホームセンターで手にするぐらいしかないのでしょう。ちょいと見上げれば見える山々の木々も、高い安いという次元とは別の問題で、身近なものではなくなりつつあります。そう考えれば、こういう体験も大切かなと思います。結局、3時間足らずで90台近くが出たようです。出来上がりを所望される方も多く、頑張って作ったので少し腕も痛くなりましたが、多くの人が喜んでもらえるのは嬉しい物です。

願わくばもっと大きな物で『実体験』させてあげたかったのですが。完成した桧の踏み台の匂いを嗅ぎながら「ああ~、いい木の匂いがする!」と言った子供の嬉しそうな顔を複雑な思いで眺めました。




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