森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・#037【樅/モミ】マツ科モミ属・針葉樹・静岡産

先日のNPO・カコアさんのイベント『キャラ森の不思議なクリスマス』で久し振りに銀天街商店街を歩きましたが、到る所がクリスマスの装いです。もっと早くから飾りつけはしてあったのかもしれませんが、銀店街に出ることもほとんどないので今更ですが。カコアさんのイベントでは、久万造林㈱井部健太郎君が久万高原町から桧の梢を運び込んで作りましたが、町の中には様々な木のツリーが飾られています。クリスマスツリーの木といえば、誰もが【樅/モミ】の木を想像されるでしょうが、何故ツリーにモミの木を使うようになったのでしょうか。

クリスマツツリーの起源には諸説あるようですが、8世紀の頃のドイツのケルト民族の間ででは【オーク】(ナラ)の木に対する厚い信仰があり、オークの木に生贄(いけにえ)を捧げるような習慣まであったとされています。いずこの国でも、信仰は行き過ぎてしまうと盲目になってしまうようです。そのあまりの残酷さに嘆いたイギリス人の宣教師が、森の中でそのオークの木を切り倒したところ、周りの木々が一斉になぎ倒されてしまったのに、小さなモミの木だけが傷ひとつなく元の姿で立っていたというのです

その出来事をキリスト降臨の奇跡に結びつけたのが、クリスマスにモミの木を使うようになった始まりだとされているようです。その後11世紀には、ライン川の流域で行われた宗教劇の1シーンで、エデンの園の智恵に木としてリンゴを結び付けたということから、木にデコレーションを飾りつける習慣が生まれたといわれています。この2つの事象が結び付けられて、かなり強引な解釈ですが、そこからクリスマス・ツリーの原型が生まれたとされているようです。要ははキリスト布教のためのシンボルツリーとして、枝ぶりや姿見の良いモミの木が選ばれたので、その起源は後付けの説明のような気がしないでもないのですが・・・

またヨーロッパの各地でも、古来よりモミは神聖な木とされました。スェウーデンでは、昔から五月祭には入口にモミの木を飾る習慣があったようです。日本では正月といえば、門松ですがそれぞれのお国柄が出るようです。フィンランドでは、モミの木を家族の守り神と考え、その枝にパンや肉などを捧げたようです。家を建てるときには小さなモミの木を植え、墓地に行ったときには悪霊が付いて来ないようにもモミの枝で身体を叩いたとされています。日本であれば、娘が生まれたらを植え、神様に供えるサカキのような感覚でしょうか。さらにトロイ戦争の『トロイの木馬』もモミで作られたそうです。一説には、乗っていた船を解体して作ったとも言われています。また、スイスのアルプスホルンもモミで作られていますが、これはモミのかぐわしい香りや削った時の清浄な木肌にスピリチュアルなものを感じていたのでないかとも言われています。

天に向かってまっすぐに伸びる姿と、あの独特な香りに世界中で信仰や神聖な木としてのイメージが固まったのだと思います。実際にモミの樹脂には殺菌力があり傷薬として使われてきました。また、新芽にはエッセンシャルオイルが豊富に含まれていることから、咳や気管支炎の治療にも使われ、ストレスや興奮を抑える作用もあるのです。その後、すっかり〔クリスマスツリー=モミの木〕が定着するのですが、もともとヨーロッパでは中部ヨーロッパから東ヨーロッパに分布されるという【ヨーロッパモミ】が使われていたようです。この木は、『ギンモミ』とか『シロモミ』の別名もあります。しかし、最近では身近に手に入る形の良い木が使われています。

ドイツトウヒ】や、中にはゴールドクレストなどを使われる方もあるようですが、そもそもほとんどの日本人がキリスト信仰の神聖な木として、ツリーを飾っているわけではなく、一種のイベントのモニュメントのような意味合いで楽しんでいるだけなので、何の木でも問題はないと思います。ただ起源とかだけでも知っておくと、楽しみの深まるのではないでしょうか。さてクリスマスシーズンが終わると、彼らツリーのその後はどうなってしまうのでしょうか?樅の木の運命やいかに!ちなみにモミの花言葉は『』、『向上』。




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