森のかけら | 大五木材


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20111217 1昨日に引き続いて「脂(ヤニ」の話ですが、底知れぬ脂壺の深さ以上に深いのはヤニの物語。到底その核心に触れることなど力及びませんので、ひとりの材木屋とヤニとの葛藤の日々の一片をご紹介致します。フローリングやパネリングの場合、脱脂乾燥やヤニ部分を取り除く事でしっかり対応出来ていますので、問題になる事はほとんど無いと言って言いと思います。問題は自社で荒材を加工する場合。いくら乾いている材でも、ヤニは出てきます。昨日もアップしたこの『ピーラー』、15年以上前に挽いた材です。

20111217 2上記の写真のヤニの先にある割れている部分が『脂壺(ヤニツボ』です。この奥にたっぷりとヤニが詰まっていて、爪楊枝など先の尖ったモノで脂壺を少し探れば、奥から奥からヤニが溢れ出てきます。製材後数年も経過すると、経年変化と汚れで、荒材の状態ではヤニの存在が確認出来にくいものもあります。その時点で脂が吹き出ている物は、当然使ったりしませんので、その方が判断しやすいのですが、困るのは削ってから出て来る「隠れヤニ」。荒材では僅かな痕跡しかなかったのに・・・

 

20111217 3削るとドンドン脂壺が巨大化して、恐怖の鉱脈を発見してしまう事があります!それがまた、目の詰まった高齢木ほど出てきます。代替が効くものであれば、当然こちらもリスクは回避したいので、もう一度加工し直しますが、そういう時に限ってそのサイズの在庫が無い・・・というのも世の常。材の厚みがあって、壺の湖底が測定できないものについては諦めますが、脂壺の懐が見切れた材についてはオペを断行!勝てる勝負しかしません!さあ、それでは20数年の現場経験で鍛え上げたドクター・ウッドの執刀開始です。

 

20111217 4まず脂壺から出来うる限りヤニを取り除きます。さすがに15年も経過すると、ヤニも表面が乾いて薄皮出来ていたりします。粘度も増しているような・・・。ヤニを全て取り除くと、そこには空洞が出来ます。場合によってはその周辺も少し一緒に切除します。その後、シンナーで綺麗に拭き取り、空洞にオリジナルブレンドの魔法の粉を入れて業務用接着剤で固めて土台を作ります。それ何度も繰り返し、少し盛土にしてサンダーで余分な分を削ぎ落とします更に磨いて穴を完全に塞ぎます。これで無事にオペ終了。年々執刀時間は短く、オペは増えているような・・・。




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