森のかけら | 大五木材


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20111213 1三沢厚彦さんで3日目となりますが、あまりに魅力的なのでもう少し続けさせていただきます。美術に造詣の深い方なら常識なんでしょうが、私は福山美術館の三沢厚彦さんの展示会で初めて知った言葉「ドローイング」。直訳すると「素描」という事で、つまりデッサンという意味らしい(英語の意味を英語で解説するのもどうかと思うのですが他に言葉が見当たらないので・・・)のですが、ただ写実的に再現する事ではなく、描きながらイメージを膨らませる技法のようです。ナノで三沢さんの作品も非リアル!なんだけど不思議な躍動感、なんだろう~?

20111213 2本物の動物が絶対にしないようなポーズなんだけど、我々が目にしているのは動物のほんの一瞬の動きだけです。しかもそこに固定概念が出来上がっているので、象は象らしくキリンはキリンらしく、ライオンはライオンらしいポーズがしかるべき姿だと脳にインプットされてしまっていますが、本当は人の目の届かない所ではヒョウがこんな格好をしていたり、クマが両手を突き出して中空を眺めていたりするのかもしれません。そのドローリングが立体的になると、ますます楽しくなる~!

 

20111213 3番組ではクスノキの丸太からどうやってパンダが生み出されるのかの工程を取材されていました。中間大幅省略ですが、これを見ていると彫刻はまさに、木の中に眠っているモノを、余計なモノを削り落として表に表わす作業なんだと思い知らされます。まったく愛嬌の無い、無愛想なパンダの完成。パンダは可愛いというのがイメージですが、このふてぶてしいまでの腹の黒そうなパンダこそが、実は本来のパンダの姿かも?これがクスノキの丸太から出来たとは・・・あ~うちのクスノキも彫っていただきたい~!

 

20111213 4クスノキは決して柔らかい素材では無いのに、井波彫りなどの欄間彫刻にも使われたりするのは、稀に現われる瘤杢(こぶもく)や玉杢の妙味や複雑で緻密なな縞柄が、彫りによって独特の陰影を作るためだと思われます。しかし、三沢さんの作品ではすべて着色され、下地の素材はほとんど判別不能です。フローリングや家具などに着色する事にはもの凄い抵抗があるのですが、着色されたアニマルズに何の抵抗も感じないのは、あくまで素材と割り切った潔さのせいじゃないかと思うのです。

 

20111213 5チェーンソーとの相性や耐久性、サイズ、入手の容易さ、価格、いろいろな条件を満たしたベストな素材がクスノキだったのではないでしょうか。ですから、きっとクスノキの色合いや木柄よりも質感重視なんだと思います。一般人には無いもっと別の感覚で、三沢さんにはクスの中に潜んでいる獣の姿が見えているんじゃないでしょうか。番組でもこの無表情さを能面や仏像に重ねられていましたが、アニマルズを凝視しているとその目にはクスの精霊が宿っているかのような感覚に・・・!あ~、うちにも一体守り神(獣)作っていただきたい~!




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