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選手名鑑などはボロボロになるまで読み込み、膨大な情報の中で空想プロ野球を楽しんでいました。野球カードなどにもはまり、対戦相手が必要ですから他球団の情報も知るようになるのですが、当時の12球団の中でもとりわけ違和感を放っていたのが、『太平洋クラブ・ライオンズ』。かの野武士軍団・西鉄ライオンズが、黒い霧事件(1969年)などで弱体化して、太平洋クラブに球団譲渡さえたのが1972年。残念ながら既に西鉄ライオンズは伝説の球団になっていました。
当時ですら、どことなくローカル色満点のいけてないユニフォームだった太平洋クラブですが、更にクラウンライターに譲渡されるに至っては、ユニフォームの前面に大きく背番号がプリントされているという、子供心にすら着ている選手が気の毒に思えてしまういけてなさでした。今ならむしろそのサイケ(?)なデザインがある意味で格好いいと思えるのかもしれませんが・・・。しかし、そのユニフォームがトラウマのような強いインパクトを与え、どういう球団なんだと興味を抱くようになりました。
サイケなユニフォームを着る野球チームと、野武士軍団と呼ばれた前身の球団の違和感を知りたいと、その頃には数少なかったプロ野球の歴史を探る大和球士さんの著書「真説日本野球史」を貪るように読みました。そのお陰で、過去のビデオでしか見たことのない伝説の「西鉄ライオンズ」についてやたら詳しくなりました。その結果、ロゴマークやユニフォーム、球団旗など、余計なものを削ぎ落としたベーシックでシンプルなデザインに強い愛着を抱くようになりました。
その後、クラウンライターは西武に譲渡され、やがて黄金時代の道を歩むことになるのですが、私としてはその前身の「弱くて奇抜なユニフォームの頃」が妙に気になるのです。本塁打王を2度も獲得した現役の大物大リーガー(F・ハワード)を招聘しながらも、膝の故障で開幕1試合で帰国してしまったり、ドラフトで指名した江川に「九州は遠すぎる」と入団を拒否されたり、駄目さ加減も半端ではありませんでした!しかし、そんなチームカラーのお陰で、愛すべき個性溢れる選手たちが沢山いました。土井正博、東尾修、大田卓司、加藤初、基満男、白仁天、永射保、後に田淵らとの大型トレードで阪神に移ることになる真弓明信、竹之内雅史、若菜嘉晴・・・選手の移籍が盛んになってチームカラーが薄まる中、地元九州出身の選手を集めた、ある意味で唯一無二の個性溢れる球団が懐かしく思いだされました。
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