森のかけら | 大五木材


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20131111 1 .bmp床の間の落とし掛けぐらいしか縁のなかった『ネズミサシ』でしたが、痛い思いをしたのも折角のご縁だと思い、ネズミサシについて調べてみると結構面白い話が次々と・・・自分自身の勉強も含めてその一部をご紹介します。床の間などの建築の装飾用材として見かけなくなったのは、ここ愛媛だけでの事なのか、(ネズミサシが生育する地域)全国的な事なのかは分かりませんが、わざわざ植林する人もいないと思われるので森林資源の枯渇もあるのかも。

 

20131111 2 .bmp生育に適した条件としては、アカマツによく似た環境を好むらしく、よくアカマツ林に混ざって生えているそうですが、遠く目に見ると枝先が垂れ下がっていても、樹形は元気の無いスギぐらいにしか思っていなかったので、今までその存在に気付かなっかった、あるいは眼には映れども見えていなかったのかもしれません。またマツタケの菌が感染することが分かったとの事で、もしかしてマツタケ採りの目印になるのかも?いずれにせよ美味しいものは棘がある?!

 

20131111 3 .bmpただし、スギやヒノキと同様に日光を欲するので、周辺の環境によって日陰が多くなると枯れてしまうとか。枯れた棘もそれはそれで非常に痛かったのですが、枯れた棘にもそういう環境に追い込んだ恨みつらみがこもっていそうで何だか怖いような気持ちにも・・・。入手したネズミサシは小さかったのですが、皮を剥いて削ってみると生材の印象としてはやや柔らかめで華奢なヒノキのような印象でした。これから乾かしてみて、乾燥後の堅さを観察してみます。

 

20131111 4 .bmp材の用途としては、床の間などの装飾以外にも、柄、箸、楊枝、天秤棒、彫材、指物などに使われてきたようです。生木を細かく割り返して、蚊遣りに使っていたという記述もあるくらいですから、昔は馴染みのある気だったのでしょう。この辺りでも10数年前までは、境界の杭としてヒムロの赤味は欠かせないものだったそうで、今でも古い土地の境界確認に立ち会うと、土中から燐だけになったヒムロが何10年もの時を経て、顔を出す事もあります。

 

20131111 5 .bmpそんな堅牢で耐久性のあるヒムロもなかなか入手出来なくなったという事で、プラスティックの杭にその座を明け渡してしまいましたが、年配の方々の話を訊くと、ヒムロを求め山に入り痛い思いをしたのもいい経験だった笑われます。そういう体験を通して、木は『皮膚感覚』で伝承されていったのでしょうが、昨今のスーパーの切り身のような材との接触では、味わいきれていない妙味が多すぎると痛感!知っている事と経験した事では雲泥の差があります、自戒の念を込めて・・・。




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