森のかけら | 大五木材


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いかん、戒めの他者への攻撃になるのでもう止めときます。すっかり横道に逸れてしまいました。言いたかったのは、思い込みや決意表明も含めてとにかく前向きな内容のブログにしようということ。そして最後が、毎日書くという事。これが本当は一番大切な事で、最初の5、6年ぐらいは数日の遅れはあったもののほぼリあるタイムで更新できていたのですが、ここ数年は遅れに遅れてしまっています。しれっと書いているので気づいていらっしゃらない人もいるかもしれませんが、このブログの日付は6月で、現実とは3か月近く乖離しているのです(汗)

そんなにずれているなら飛ばしてリアルタイムで書けばいいじゃないかと思われるかもしれませんが、ライフワークとして考えている『今日のかけら』も含めて、中途半端にしたくないので(それなら毎日書いとけと言う話なんですが)、はじめの誓いを何とか死守したく、遅れに遅れながらも365日分埋めようと必死に時間を追いかけております。戦艦ヤマトのように誰かに期待されたり求められているわけでもないのに、自身の妄想の中ではこのブログを書き続けることが『かけらの神』へのサクリファイスなのだと・・・危ない人間ではありません。

最初のテーマからあまりに脱線しすぎて、これって本来は何について書くつもりだったのか自分でも見失いかけていました。今そのことには気づいたものの脱線ついでに、先に出した『サクリファイス』について少しだけ。サクリファイス(sacrifice、直訳すれば『生贄』という意味ですが、私が初めてこの言葉を知ったのは、1987年に公開された映画『サクリファイス』によってです。難解で知られる映画監督アンドレイ・タルコフスキーの作品で、当時の私にはただひたすらに退屈で内容もほとんど覚えていません。

今そのスタッフを見てみると、ウディ・アレンノーマン・ジュイソン、ルイ・マルなどの錚々たる顔ぶれの監督を支えてスウェーデンの名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストがカメラを回していて、映像はきっと素晴らしかったはずなのに、記憶にも残っていません(恥)、先日リアルタイムで映画を観ることの喜びについて書きましたが、リアルタイムで観るにしてもそれに相応しい年齢というものがあります。54歳で亡くなったタルコフスキーの歳に近くなった今の自分が観れば、何か感じるものがあるかもしれません。たまには難解の海にも飛び込もうかしら。更に明日に続く・・・




本日も6.4mパドックALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)さんの話。材木屋としては、長い木は出来るだけ長く使っていただけるのがありがたいのですが、さすがに6m超えの板となると現実的な運搬・搬入の事を考えるとそのままで使えるケースは稀。とはいえ、折角の長物なのでこれを使わなければならない、これでなければならないような必然性のある場所で使っていただきたいという思いはあります。その願いが届いたというよりも、気持ちは一緒だったようで、この木なればこその使い方をしていただきました。

大きなガラス窓に面するメインのL型カウンターと一番長いカウンターの天板として使っていただく事になり、余すところなくキッチリ使い切るため、現場を仕切るすずかけ商会犬伏君と何度も何度も木取りの確認。本当にあと数㎜をどうするかで喧々諤々。厚みが100㎜あったのでまずは厚みを落として、長さに合わせてカットしていくわけですが、6mを超えているので自重で多少の反りもあって、希望通りの厚みになるのかどうか。製材所に何度も足を運んで入念に打ち合わせ。最後は祈るような思いで・・・

どうにか無事に製材ができ、予定していたサイズでどうにか取ることが出来ました。片面にはガッツリ樹皮が残っていましたので、木裏を使ってL型の止めにする事に。丸みのついた板をL型につなぐという至難の加工をしてくれたのは、いつものZEN FURNITURE(ゼン・ファニチャー)善家雅智君。善家君とずずかけ商会の川上君とは高校の同級生で旧知の仲。とりあえず指定サイズの板にまで挽ければ、後は善家君の仕事。まあ任せておけば心配はいりません。見事に完成。オイルが染みて眩しいほどの輝きが!

このパドックの色は写真を加工しているわけではなくて本来の地の色。照明の効果はあるものの鮮やかなオレンジ色は、荒材の時の状態からは想像も出来なかったのではないでしょうか。残念ながらこの妖しいまでのオレンジ色も永遠のものではなく、時間とともに経年変化でくすんでいってはしまいますが、それもこのパドックがそれだけ長い間、この店で活躍してくれた証というもの。木も出会うタイミングでその表情は一日一刻変化していきます。今のオレンジ色のパドックに出会いたい方は是非早めにお店にGO!

ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)

定休日   :無休




さて、本日はその『6.4mのパドック』を誰がどこに使っていただいたのかについての話。松山市内で、はなみずき通りと枝松町で営業をされている『ALLEGRIA COFFEE(アレグリア・コーヒー)』さんが、一番町にあるローソンの2階(ベティ・クロッカーズの跡地)に新たに出店される3号店のカウンターとして使っていただきました。施工は才気煥発な社長の川上陽介君が率いる店舗&家具専門のすずかけ商会、勢いがあります!自然素材の大好きなオーナーを弊社に連れて来てくれたのも今回が二回目。

ちょっとした棚板ぐらいであれば、写真を撮ってメールで送ってやり取りすれば事足りますが、さすがにこれだけの大物となると実物をご確認いただく必要があります。こういうものってファーストインプレッションで大体決まります。最初にお見せした時の表情、反応で、「こちら側の人間」かどうかが分かります。まあ、すずかけ商会さんがわざわざ連れて来られるようなお客さんは基本的に「こちら側の人間」なので、あまり心配はしていないのですが、要はどれぐらいこだわられているかの深度。

今回はオーナーが、本当はもっとパンチの利いたのが欲しかったと仰るほど深海魚級の、弊社にとってはど真ん中ストライクのお客様でしたので、木選びも使い方もとことんこだわっていただきました。最近、若いオーナーがカフェを初めて開業させるのでそのカウンターが欲しいと言ってご来店される機会も少なくないのですが、中には「予算も無いのでとにかく安いモノならなんでもいいので」と言われる事もあります。事情はあおりでしょうが、そういう話を聞くとそこで出されるコーヒーの味も薄っぺらいものじゃないだろうかと勘ぐってしまいます。

何にこだわられるかはひとそれぞれで、予算のバランスもあるでしょうし、カウンターばかりにお金をかけていいというものではないでしょうが、「神はディティールに宿る」の言葉通り、店づくりの細部にまでこだわる(決してお金をかけろという意味ではなく)姿勢は大事だし、カウンターひとつの交渉でオーナーの店にかける熱意も透けて見えるというもの。そういうお店ならば完成後も客として行ってみたくなるし、友達にもお薦めします。ちょっと前置き長くなりました、明日はカウンターそのものをご紹介させていただきます。先にチラ見せです(笑)。明日に続く・・・




6.4mのパドック、さすがにヒョイヒョイと簡単にひっくり返すことも出来ないので、リフトですくって上まで上げて下から覗き込んでは、あーでもない、こーでもない。昨日書いたように元の方に大きなコブがあって、通常のカウンターとしてはどう考えても収まりが悪い木だったのですが、わざわざ弊社にまで木を見に来られるお店のオーナーですから、これぐらいの変化は全然許容範囲。それどころかもっとパンチのあるのが欲しかったと仰っていただき、いよいよ偏屈材木屋にも店主を超えるような偏屈者が集まってくるようになったと感慨ひとしお!

しかしまあそこは現場の設計上の収まりやバランス、コスト、納期等々複雑に入り組んだおとなの事情という事もありますので、どこかでは着地点を見出さねばなりません。オーナー的にはこの変形に強く惹かれておられたと思うのですが、今回泣く泣く「おとなの事情」というものを汲み取っていただき、もう一枚のあまり変化の少ない方に決めていただきました。変化は少なくとも、もっとも辺材部分なので、樹皮もガッツリ残っていてどういう風に使うかというところでセンスが問われます。

アングルの関係+カメラマンの腕で、なかなかこの巨大なパドックのスケール感が伝わらないのがもどかしいのですが、リフトで上げた板を下から映せば少しは伝わるかも。丸太を太鼓挽きにした一番外側の板なので幅自体はそれほど広くはないのですが、長さ6.4mというところにこのパドックの価値があります。弊社に辿り着く前に既に、板になって10数年以上が経過していたということもあって乾燥は完璧!地べたにおいて、相当に頑張ればひとりで裏返せないことはない程度まで乾いております。

お客さんにしっかり乾燥していますよ~という事をアピールするためのデモンストレーションでよくやる手ですが、最近は腰への負担を考えて禁じ手としていたものの、さすがにこれだけ乾燥が完璧だと個人的に出来るかどうか挑戦したくて、お客さんがいない時に挑んでみました。板がスローモーションのようにゆっくりひっくり返っていく瞬間、何とも言えない快感!そうやってこんな大物が人間ひとりの力でひっくり返せるようになるまでには、どれだけの時間が費やされてきたことか・・・。

逆に言えばそれは「売れなかった時間」とも言えますが・・・。昔みたいに大工や工務店さんが、在庫としてこういう材を買っておいて自社で乾かすということなら生材ででも売れたのですが、今は「たちまち今すぐ現場で使う必要な量を必要なだけ」買われる時代。いかに乾燥材を持っていてタイミングよく販売できるかという事が命題です。偏屈な主が偏屈な木材を売る弊社の場合は、そんな木を受け入れてくれる寛容で偏屈なお客さんといつ出会えるかということになりますが、最近その機会が急速に増えてきたというか、そんな人ばかりになってきた!嬉しいぞ~!続く




大五木材にあるもっとも長い一枚板は6400㎜の『パドック』です。あまりに長いため、狭い倉庫で置いておく場所も制限されます。サイズがサイズだけに滅多に声がかかることも無く、せいぜい一年に2,3回くらい長尺カウンターありませんかと問い合わせが入って、こっちもそういえばアレがあったなと思い出す程度。通常は差し掛けの倉庫の一番奥の奥にしまいこんでいるので、ちょいと見ようと思っても、頭(?)だけを湖面から出したネス湖のネッシーみたいなもので全体像は想像していただくしかありません。

一応奥に片づける前に全身の写真は撮っているものの、あまりに長いので写真からはその大きさがほとんど伝わりません。やはりこういうものは自分の目で直接見ていただく事が肝心。しかしその前には、親のかたきとばかりにこれでもかとギュウギュウに積み上げられた木材があって、リフトで簡単にはねのけて、なんてレベルを超えています。なので、興味本位の方には申し訳ないですがご遠慮願って、このパドックを本気で使いたい、向き合いたいという熱い思いを持った人が現れた時に限って倉庫の奥からお出ましいただいております

そうしたら先日、そんな奇特なお客さんが続けて二人も現れまして、数年ぶりにパドックがお出ましになることになりました。持っていた広角レンズを割ってしまったため、アイフォンのカメラではスケール感が伝わりにくいと思いますが、最大のものは長さは6400、幅は800~1100㎜程度、厚みは125~130㎜。1本の原木から取れた7枚の板があり、1枚は売れたのであと残り6枚。今回は現場の収まりの都合で、その中では比較的狭くて耳に近い板を検討していただくことになり、近いサイズのモノを2枚用意しました

そのうちの一枚は元の方に大きなコブがあって、そこから先は細っているという変形なのでちょっと使いにくい形。しかしこういうモノに興味を持つ方っていうのはむしろこういう変形サイズに惹かれる人が多く、案の定オーナーもこのコブが何とか活かして使えないものかと工務店さんと皆で真剣に思案。ああでもない、こうでもないと何度もリフトで板を裏返したり向きを変えたり、こういう話をしている時が材木屋をしていて一番楽しい時!明日に続く・・・




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