当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。
私のとっておきだった墨流しのクロガキが手元から無くなって数日後のこと、再び「大洲の異能なる変態さん」からご連絡がありました。お店で大人数のパーティなどをするときに料理を乗せるための木のプレートを探しているとの事。それでご来店いただきいろいろ見てもらったのですが、長さ1m前後の小幅の『エンジュ(槐)』が、辺材と心材の色のコントラストが面白いということで、数枚ご購入いただきました。辺材分部に多少ダメージがあったりピンホールもありますが、そんな事を気にする人ではありません! |
そしたらついでに欲しいものがあると、またもや危険な倉庫の奥へ!そこにあったのは例のクロガキの挽き落としのペラペラの薄板。もともと仕入れた際は厚みが5寸近くもある分厚い板だったのですが、それでは中身の美味しいところを味わいつくせないと思って、私が半分ぐらいに製材したのです。その際に、少しねじれがあったのでレベルを出すため補正して挽いた時に出来たペラペラの薄い板。厚みは薄くともその体には立派な墨流しの柄が刻まれています。しまった、これも見られていたか!後悔先に立たず・・・ |
Horie Gastronomy Inc(ほりえ ガストロノミー )
愛媛県大洲市 常磐町102
営業時間:不定
定休日 :不定
|
ビーチのスポルテッド材を選びに来た時に、私は別のところで設計士さんや大工さんと図面を見ながらおさまりについて話しているのに、堀江君は独りで倉庫の奥の方にずいずいと入り込んでいって何やら熱心に見入っていたので、やばいとは思っていたのですが、案の定私の貴重なお宝に目をつけていました。以前にも紹介した『墨流しのクロガキ』です。こちらに売ろうという気がないというのが大問題ではあるのですが、どうもその時から彼の狙いはそのクロガキに定まっていたようでしたが、あえてその日はクロガキには触れることはせず。 |
そもそも設計士さんから聞いた話では、そのクロガキを使うようなところは構想はなかったのです。まあ変態なのでこういうマニアックな木に関心があるのだろうなと思って、正直ほっとしていました。というのも、販売目的というよりは濃いいお客さんが来られた時に見せるため、語るために看板というか、ネタとして、自分のフェチ度を見せびらかすために買ったクロガキなので、手放したくはなかったのです。しかも以前にこのクロガキを気に入られて泣く泣く数枚手放してしまっていたので(左写真)、残りはあとわずかになってしまっていたのでなおさら。 |
堀江君から私の携帯電話に連絡が入ったのはそれからしばらくしてのこと。ちょっと見たいものがあるのだけど・・・。前に買ってもらったモミジバフウがあと少し足りないので購入したいという話でした。その件はすぐに片づいたのですが、他にも欲しいものがあると倉庫の奥へ。ギクリ!やはり本命はあのクロガキでした。あの日以来彼の中ではクロガキへの熱い思いが沸々と煮えたぎっていて、遂に今日強奪に、いや購入に訪れられたのです。同じ匂いのする人間、どう言ったところで守り切れないのは覚悟しました・・・ |
スポルテッドというのは自然の気まぐれで生まれた副産物のようなものなので、アーティスティックな柄になっているものもあれば、腐食が進んでスポンジ状になってしまってただただ朽ちる寸前のものもあります。その中からコンディションのよいものを選び出して買うのは真性の変態ではありません。そんな分別のある人はインターネットで木を買えばよし。とりあえずあるだけ全部買う、これが真性の変態!スポルテッドビーチが私の元を離れれから数か月。改装工事がほぼ終わったとの連絡はいただいたものの中々機会を得ませんでした。 |
一緒に買っていただいたブルースティンの入ったモミジバフウもまったく無駄にすることなく、あるものは棚板となり、あるものはレジ台となり、あるものは手洗いのカウンターとなって骨の髄までしゃぶり尽くしていただいておりました。さすが、私がその変態性を見抜いただけのことはある。よ~く、分っていらっしゃる!ところで、完成するまでに堀江君はその後も何度か弊社を訪れてくれました。その都度、木材も買ってもらったのですが、初めて来た時からどうしても気になる木があるという・・・。明日に続く |
堀江幸治君は愛媛県大洲市で仕出し料理店「ほりえ」を経営する傍ら、ミュージシャンとしても活躍するなど多彩な才能を持った人物。そんな堀江君が大五木材にやって来たのは、お店を一部改装するにあたって何か面白い木を探していて、一緒に音楽活動をしていた清家ユカリさんがうちに誘って連れてきてくれたのが最初の出会いでした。それまでまったく面識がなかったものの、二言三言話しただけで同類だということはすぐに分りました。更に倉庫の中に案内して、木を見る姿を見たときに、ああ真性のそれだと気がついたのです。 |
その時には確かまだ店の改装の件は、設計段階だとかで、何の木を選ぶというような状態ではなかったと思うのですが、まあ普通の人なら足も止めないであろう木に視線を送るその背中に、必ずこれはまた来てくれるとの確信を得たのです。驚くかな、その確信は次の日にやって来ました。今近くに来ているのだけど寄ってもいいですか?まだ図面もできていないはずなのにどうしたのかと思ったら、昨日見た『森のりんご』が気に入ったので購入したいとのこと。そう、彼は危険を顧みず自ら進んで底なし沼に突撃するタイプの木フェチ野郎だったのです! |
数ある曲者の中で堀君のハートを鷲掴みにしたのは、ビーチのスポルテッド!腐朽菌によって筋状の黒い染みが出来たスポルテッドは、自然が偶然作り出したネガティブな芸術作品。実はこのビーチのスポルテッドの板材、仕入れてまだ日が浅く、本音を言うと私自身が楽しみ尽くしていなかったのでまだ売りたくはなかったのですが、堀江君の惚れ込みようを見た時に、恐らく彼以上にこの木に愛情を注いでくれる人はいまいと感じ、手放す決断をしました。ついでにブルースティンのモミジバフウの板もまとめて大量にお買い上げ!収まるべきところに収まった。続く・・・ |
だからあまり気軽に「変態」なんて言葉は使えないし、使うべきではないのですが、最近わざわざこんな材木屋を訪ねてやって来られる人の中には、畏敬の念を込めて「変態さん」と呼ばずにはおられないような方が急増しています。そんな変態さんのひとりが、初めて大五木材にやって来たのは今からおよそ1年ほど前のことでした。中学・高校の同級生で、DJや音楽活動も精力的にこなしている清家ユカリさんが、合わせたいひとがいるからと連れて来たのが最初の出会い。そのひとの名前は、Koji Horie(堀江幸治)君。明日に続く・・・ |
Category
- 1. 今日のかけら
- 2. 木のはなし・森のはなし
- 3. 木の仕事
- 4. 草と虫と鳥と獣と人と
- 5. 木と映画と舞台とテレビ
- 6. ひと・人
- 7. イベント・講演会
- 8. 気になるお店
- 9. ちょこっと端材
- WOODENTAG& 日本百樹札
- 「森のかけら」舞台裏
- えひめイズム
- おとなの部活動
- お酒にまつわる話
- かけら世界紀行
- かけら日本紀行
- アート&デザインのかけら
- オフセット・クレジット
- オンラインショップ
- キッズデザイン&ウッドデザイン
- スポーツと木
- ハードウッドとウッドデッキ
- パプアニューギニアL.M.H
- フルーツウッド
- メディアあれこれ
- モクコレ WOOD COLLECTION
- モザイクタイル
- モザイクボード
- 一枚板を見せていこう!
- 円い森・円き箱・木言葉書
- 媛すぎ・媛ひのき
- 愛媛のこと
- 愛媛木青協のこと
- 木と本
- 木のものあれこれ
- 木のものづくり+α
- 木のもの屋・森羅
- 木の家具
- 木の玉プール
- 木育のこと
- 未分類
- 森と生きものたちの記録
- 森のかけら玉
- 森のかけら36・森のかけら100
- 森のこだま/森のたまご
- 森のしるし
- 森のめぐみ
- 森のりんご
- 森の出口
- 森の砂・森の粉・森の羽
- 森の5かけら
- 無垢の家具
- 異業種&産官学
- 端材のこと
- 誕生木・12の樹の物語
- 道後温泉とかけら屋
- 都市林業とビーバー雑木隊
- Loopto in Ehime
Archive
Calendar
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |