森のかけら | 大五木材


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1年ほど前からボツボツ集め続けて来た街路樹や自社林としてのクスノキの丸太。意識してクスノキばかりを集めていたわけではないのですが、こういう集材にもバイオリズムみたいなものがあって、ある特定の木にご縁があると、そればかりが妙に集まり続けたりします。ビーバー的には、『モッタイナイ神の見えざる力』とでも呼ぶべき引き寄せの法則。いろいろな種類の木を、置き場が満杯にならないように少しずつ集めたいなんて自分勝手な構想を立てている時に限って、神の雷(いかづち)のごとく法則が発動されます。

これは、自然界はそんなに自分に都合のいいように動くものではないという戒めが込められていると思っています。その証拠に一時のクスノキ嵐が終息するとそれからは嘘のようにクスノキの話はピタッと止まってしまいました。モッタイナイ神、恐るべし!まあそういう事で、クスノキがこれでもかと集まったのですが、うちには大きな丸太を挽くような製材機は無いので、三津浜の瀬村兄貴の元へ持ち込みます。つまり瀬村さんの土場がうちのクスノキで埋め尽くされてしまっていたわけです。

そういう状態でありながら、その間隙を突いて他の丸太も投入していくわけですから、最初の頃に持ち込んだクスノキはなかなか挽いてもらえません。まあこれがエノキとかならヤバい事になっていたでしょうが、そこは水質にも強いクスノキですから(その見込みもあって放置されたのでもありますが)これぐらいでは何の問題もありません。そのごく一部をやっと挽き始めてもらうことになり、少しずつ挽けた板を持ち帰っています。中にはおよそ1年ぶりに再会したクスノキもあって、そういえばこんな形の丸太だったかなと記憶の糸を手繰り寄せたり。

挽けたといっても、これですぐに売るというわけではなく、ここからは弊社で桟積みしてじっくり天然乾燥させていきます。その後は乾燥を見極めてからの販売となります。長さも短くカットして厚みも45㎜程度なので、早ければ1年後ぐらいには陽の目を浴びることになるかなと考えています。恐らく若い頃の私ならゴミにしか見えなかったでしょうが、今はこの先に明確な出口が見えていて、1万円札が貼り付いているように見えます(笑)。恐らくこれからもっともっと早いスピードで木の価値基準が変わっていくと思います。振り落とされないようにしがみついとかないと!




いよいよ年の瀬も押し迫ってきました。会社の方は28日で年内の仕事は納めさせていただきましたが、私はこの機に【森のかけら】の整理。アイデアを考えたり作りあげるまでは異常なほどにテンションが高いのに、仕上がってしまうと途端に熱が冷めてしまういつもの癖で、日頃の在庫管理はスタッフに丸投げしてしまっているのですが、年に数回は在庫状況を自分で把握するようにはしています。数字ではなく実物のボリュームを見て肌感覚でリスク(あとごれぐらい保ちそうなのか)を実感するタイプなもので。

今日現在で日本の木120種のうち欠品が6種、世界の木120種のうち欠品が4種でした。240種中10種の欠品というのは、相当の優秀!いやいや、供給責任として常に全種を在庫しておかないといけないでしょう!とお叱りを受けるのは覚悟の上の公表です。作り始めた頃から欠品の不安要因は常につきまとっていました。端材ベースで作っているものなのでどうしても在庫が切れてしまう事もあるのです、ご了承下さいと言い訳を繰り返してきましたが、これから400種を目指すにあたって欠品をいかに減らすかという事も重要命題

初期の頃は日本の木、特に建築用材にされないようなマイナーな木についてのルートが確立していなかったこともあって、日本の木の中で欠品が多発していました。その後、ビーバー武田隊長はじめ、国産材のマニアックな木を扱う製材所、材木店などと知り合い、また地元の造園屋さんなどを通じて街路樹や灌木などが手に入るようになってきたので、日本の木の欠品は徐々に少なくなっていきました。それでも今欠品しているヤマボウシコブシ、オヒョウ、トウネズミモチなどは得られる量も少ない事もあり欠品樹種の定番になってしまっています。

そこは今後改善していかなければならない課題です。世界の木についてはリストの120種はほぼ安定しているのと、それぞれの樹種についても結構ストックしてあるのですが、そのストックが無くなってからが心配。既に材を供給してくださった会社が倒産したり廃業されたりで、在庫切れの仕入れが未定の木も幾つかあります。恐らく今後5年、10年で材木業界は激変することになる思われるので、誰かが輸入してもらわないことにはどうにもならない外国産の木の方が心配です。そういう意味では【森のかけら】から業界の縮図が見えてくるかも・・・




モクコレに出展することになるずっと前から、東京に出張した際の晩飯は必ずそこに行くと固く心に決めていた『怪獣酒場』。店の場所が川崎市の川崎駅前にあるため都内に泊まった場合には結構な移動距離ではありますがそんな事は問題ではありません。スターウォーズにはあれほど覚めている男が、なにを子どものようにウルトラマンにはしゃいでいるのかと思われるかもしれませんが、ものごころついた頃からテレビをつければ当たり前のようにウルトラマンがそこにいた世代としては、もはやこれは脊髄反応なのです!

この『怪獣酒場』が開店したのは結構古くて、2014年に期間限定で1年ほど営業をして、その後『帰ってきた怪獣酒場』としてリニューアルオープンしました。私がその存在を知ったのは、2015年に大阪のなんばグランド花月に『元祖怪獣酒場』がオープンした頃。これは絶対に行かねばと思っていたのですがなかなか大阪に行く機会がなかったのと、誰かと一緒に夕食をする時にはさすがにちょっと私だけ怪獣酒場に行くとは言い出せず、なかなかタイミングが掴めませんでした。そしたらなんと、大阪店は2016年の春に閉店してしまったのです(涙)。

もうこうなったら何が何でも川崎の本店に行くしかないと思っていたところに今回のモクコレ出展。しかも搬入・搬出を合わせれば東京に3日も宿泊する。さすがに3日もあれば1日ぐらいは抜け出せるだろうと、怪獣酒場に行くことを楽しみしていました。しかしモコクレの異常なほどの手応えと仲間との連帯感、そして心地よい疲労が、私の脳内から『怪獣酒場』というキーワードを完全に消し去ってしまっていたのです。ようやくその事を思い出したのは3日目に皆で食事に向かって移動している電車の中・・。嗚呼、しまった!

まあしかしさすがに今回は単独行動というわけにもいかなかったから仕方あるまいと自分に言い聞かせ皆で打ち上げがてら楽しく酒を酌み交わしました。その後店を出て新橋の駅に向かっていると、不意に「怪獣酒場」の看板が!しまった~、2017年の春からここに『怪獣酒場・新橋蒸留所』が出来ていたのを忘れていた~!時すでに遅し、店は閉店しており灯りは消えていました。折角の大チャンスを・・・涙。しかしこれでまた来年、モクコレに出展する理由が出来ました(笑)。来年こそは本物のレッドキングに会うぞ!!

高層ビル群の隙間から見える東京タワーの灯はなんだかとても抒情的でした。今その風景が作り物のようにも感じて、その先から怪獣が現れて東京の街を破壊してしまっても不思議ではないような気分。長々とモクコレのイベントについて書いてきましたが、東京物語もこれで最後です。久しぶりの3泊4日の出張でいろいろと考えることありました。いつもSNSでやり取りしている人とも直接顔を合わせて話すと一気に距離が縮まっていくのが分ります。日頃パソコンのキーを叩きながら「会話」していると現実と虚構の境が分らなくなってしまいそうになります。やっぱり時々は顔を見ながら話をして、本当に相手が実在しているのか確認しないと「かけらの王国」のカーツ大佐になってしまいそうで怖い(笑)。さあ、気合を入れ直して400種類を目指す旅に出発~!




東京の夜は田舎者には明るすぎて騒々しい。泊まっていた3日とも飲みに出ましたが、師走の夜の街はひとでごった返していました。その人の波がいつもに比べて多いのか少ないのすらも分りませんが、数日程度ならまだしも人混みの得意ではない私にはとても住めそうにはありません。若い頃からなぜか外へ出てみたいという願望は薄くて、学生時代はほとんど旅行もしたことが無くて、仕事で県外へ仕入れに行かなくてはならなくなってからしぶしぶ外に出るようになったぐらいで、東京に遊びに行きたいなんて考えたこともありませんでした。

その反動からか、働き始めてからは全国組織の日本木材青壮年連合会(木青連)に所属していた事もあり、会議などでちょくちょく東京にも行っていましたが、それも同世代の材木仲間がいたからこそで、独りだったら行ったかどうか・・・。その木青連の全国大会が年に1回、各地区持ち回りで開催されるのですが、それにかこつけて前泊して各地の製材工場や材木店を訪問させていただくようになってからは、自分とは違う考え方の材木屋の先輩方の話を聴くのが面白くなって積極的に出歩くようになりました。そしていろいろな産地の特徴豊かな木に出会ったいきました。

それが、【森のかけら】を集める下地になったのだと思います。その地に行けば、そこに泊まり、当然のように夜はお酒を飲むことになるわけですが、だいたい訪ねる先が材木店や製材所なので、繁華街からは縁遠いところに会社があるケースがほとんどで、ホテルの傍の赤ちょうちんでひっそりという事もしばしば。私としてはそんな店の方が落ち着くし、そもそもグルメでもなければ食べ物目的で来ているわけでもないので、美味しい地酒が少し飲めれば充分。こっちが気を遣わないといけないようなお姉ちゃんの店は苦手・・・。

それよりも東京に来る機会があったら行ってみたいと思っていたのは、『怪獣酒場』!説明が難しいので、円谷プロの公式サイトの解説を引用すると、『ヒーローたちに時に健闘し、時にこてんぱんにされるウルトラ怪獣たちが、夜な夜な憂さを晴らし、気力を養って、明日への新たな悪巧みをするところ。今まで世を忍んで営業してきましたが、一部の時間帯を、地球人にむけて開店することになりました。怪獣たちが主役のエンターテイメント居酒屋。怪獣たちが贈る「永遠の少年たち」のオアシスです。』という居酒屋。これは昭和40年代生まれとしては絶対行きたい!

 




熱狂的なスターウォーズ・ファンというわけでもなければ、このイベントの存在すらも知らずに、通りがかって気になったので立ち寄ったので、一切の予備知識もありませんでした。新作公開に合わせた展示会程度の軽い気持ちだったのですが、受付で当日券¥3,500と聞いてたじろぎました。そこまでして観たいわけでもないので、どうしようかと一旦ロビーに戻って腰掛け試案していると、次々と私と同世代とおぼしきファン達が続々とやって来ます。無論彼らは前売り券とやらを手にお持ちで何の戸惑いもなく入口へと吸い込まれて行きます。

どうやら入口が出口も兼ねているようなのですが、出て来られた人々の興奮した高揚した満足感溢れる表情を見ていると、やはりここまで来て引き返すのはモッタイナイとフォースの洗礼を浴びることにしました。中に入るとID付のブレスレットを渡されそれを身につけます。5,6組で入場制限され暗い部屋で少し待たされると、いきなり暗闇の中に映像が映し出され、イヤホンからあのテーマ曲が響いてきます。まるでテーマパークに入ったような感覚、そこでようやくこれがただの展示会などというレベルを超越したエンタテインメントだと理解したのです。

映画に登場するさまざまなキャラクターや小道具などが展示してありますが、ただそれを観るというわけではなく、その出生や環境、人間関係、能力などを探り、そこに自分を投影させながら自分の中のスターウォーズ・キャラクターを創り上げるという、うまく説明できませんが『自己を見つめ直す旅』とでも言うべき体験。それぞれのコーナーでブレスレットを近づけると物語が語られ、「質問」と「選択」を繰り返しながら進んで行きます。ファンならばドンドンのめり込んでいくこと間違いないような仕掛けが散りばめられています。

若い女性のひとも多かったのですが結構年齢層は高めでした。それぞれ熱心にブースの鏡に張り付くようにして展示物に見入っている姿を見ていると、恐らくここに来ている方で、シリーズのうち第1作と2作ぐらいしかまともに観ていないような人間は私ぐらいなのではなかろうかと、なんだか肩身が狭い気持ちすらなるほど。なにせ第1作に登場するキャラクターぐらいしか分らないのですが説明を聞いてもまったくついて行けず。それでも実際の作品に使われた模型や小道具などの展示物は観るだけで楽しい。その傷や汚れに歴史を感じます。

このイベントで展示された模型や衣装、小道具などの展示物は、イベント終了後にロサンゼルスに設立されたルーカスミュージアムに保存展示されるそうで、これが日本で観ることが出来る最後の機会ということでした。そんな貴重な機会であったのに、こちらがあまりに無知過ぎて申し訳ない気持ちでしたが、私なりに楽しめました。最後のコーナーではそれまでに「選択」した内容からオリジナルキャラクターを生み出すことが出来て、私が生み出したのはイオーク族のこちら。隣の若い女の子たちが可愛いと笑ってくれたのが救い(笑)

スターウォーズの世界観は私には持て余しましたが、作品の中のキャラクター造形を掘り下げて物語に深みを持たせるというう戦略は、木の商品造りにも相通ずるものがあって大いに参考になりました。現在公開されている最新作でシリーズは終了ということなるようですが、無名であったハン・ソロは大スターとなり、レイア姫は既にこの世を去ってしまい、中学生だった私も我が子が成人するような歳になりました。それだけ長く愛され受け継がれていくものには、それだけの理由がある。他人が語り継がれていくことで伝説は生まれる・・・

 




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