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| 設計士さん自らが本気でその木に惚れて使っていただく場合、ほとんどトラブルはありません。だって好きになったんだから仕方がない。人間だってなにもかもすべてが好きというわけではないでしょうが、話が合わない部分や気になる点がいくらかあったとしても、はるかに合う接点が多いとか好印象の方が沢山あるから好きってもので、木材だって完璧な素材ではないのです。品質、価格、施工性、意匠性、供給体制等々、すべてが完璧な木材があったとしたら、その産地は禿山になってしまっていることでしょう。 |
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だからどの部分の長所を生かして、どの部分の短所に目をつぶるかということをトータルで考えていかねばならないと思うのです。まだまだ実績の少ないサーモアッシュですが、ジューサンケンチクセッケイの石村隆司君は、そんな木だからこそ面白いじゃないかと積極的に挑まれます!200℃ほどの超高温で乾燥させるため、端の方が焦げているものもあったりします。パネリングとして壁板などに加工する場合は、そういう部分はカットして使うのですが、アグレッシブな設計士は「そこがたまらない!」ということでカットはご法度。 |
| しっかりと並べる順番も確認していただいた後、指定のサイズにカットして裏から横板を渡してビス止め。あえてプレーナー加工などは致しません。とはいえ、サーモ処理したことでささくれがポキンと折れやすくなっていたりするので、周辺はトリマーで軽く面取り。サーモ処理したことでセルロースが茶褐色に変色しているので、どこまで削っても内部まで同じ色合いというのもサーモウッドの魅力のひとつです。裏板のバランスがおかしく思われるかもしれませんが、理由は次の写真を見ていただければ分かります。 |
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裏板のサイズがずれていたのは施主さん自らが探されてきたドラム缶の上に乗せるためでした。石村君の代名詞ともなりつつあるアメリカンガレージハウスの中に鎮座ますサーモウッドのバーベキューテーブル。その上方には、これまた以前に弊社の倉庫の奥の方から探し出してきた、いい感じに歳を重ねたロマンスグレー・ホワイトセラヤの雄姿が!実際に木を見て使っていただける、木に惚れて使っていただけることの安心感、安堵感。なにより価値を共有できる楽しみや達成感、同世代の男の冒険はエンドレスなのであります。 |
| 昨日の話の続きですが、外部に使えるちょっと変わった木、というリクエストに応える形で取り扱いを始めたサーモアッシュ。このブログでも何度も取り上げましたが、サーモウッドとは・・・エコロジーな処理による耐久性の向上も目指して2001年に北欧で開発された技術で、水と熱だけを使って高熱乾燥させた木材の事です。サーモ処理させることで、耐久性や防腐性、防虫性は飛躍的に向上!海外ではいろいろな樹種によるサーモ処理が進んでいます。弊社では今までにイエローポプラとホワイトアッシュの2種類のサーモウッドを取り扱ってきました。 |
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海外では実績も多いのですが、とはいえ高温多湿の日本においては経年変化でどのようになっていくのか自分の目で確かめたいところです。えっ、そんな実績も無い木を売っているのか!?と思われるかもしれませんが、新しい素材の場合当然ながら実績はありません。海外でのデータなどで安全性や耐久朽性は証明されているものの、日本での実績が乏しい場合は、正直冒険的な要素も含まれます。そこはこちらの材木屋の経験値と設計士さんや工務店さんとの相談の中で判断していくしかありません。全ての木に完璧なデータなどないのです。 |
| 弊社もいろいろな形で実験をして自社なりのデータの収集もしています。サンプルを雨風に晒す暴露実験やいろいろな形に加工して強度を調べるなど。しかし実際に施工された状態でなければ分からないことも多々あります。こういう加工の方が水の抜けがいいとか、収縮を抑える施工とか、様々な検証を繰り返し、この地に合った施工方法やら使い方が固まって確立していくのだと思います。お付き合いしている設計士さん、工務店さんの探求心の高さの賜物だと感謝しておりますが、今日も今日とてそんな設計士が・・・ |
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仮り並べされたサーモアッシュを屈みながらカメラに収めようとしているのは、盟友ジューサンケンチクセッケイの石村隆司君。常に新しい素材をアグレッシブに使っていただく、偏屈材木屋にとってはまさに心の友!パープルハートやら特殊サイズのケンパスやら、普通は手を出しにくい素材も見事に調理していただいておりますが、世代が近いこともあって感度が似通っているのかも。それで今回はバーベキューのためのテーブルの天板選び。普通の木などは選びません。どうやらこの質感がお眼鏡にかなったようでございます。 |
| 愛媛ではまだまだ認知度が低いサーモアッシュ。それはお前のPR不足だろうが、と言われれば仰る通りなのですが、言い訳がましく釈明させていただくならば、むやみやたらに広がる事への怖さもあります。外部に木を貼りたい、壁面に木を使いたい、という需要は相当ありまして、私も相当相談を受けます。そのたびに耐朽性や施工性、コストなどの問題をひとつずつ検証しながら説明していくわけですが、最終的な要望としては防腐剤を使わないで雨風に耐えて長持ちして、そこそこの価格で意匠性のあるもの・・・。 |
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正直言って、私の知る限りそれらすべてを満たす外壁材はありません。どれかの条件を満たせばどれかが足りず。耐朽性も意匠性もあれど高価とか、価格はリーズナブルだけど供給量が不安定とか、防腐剤は使う必要があるとか、それぞれに一長一短。まあ、条件を完璧に満たすものがないから設計士さんも悩んでおられるところなんだと思います。材木屋としては木を使っていただけるというのはありがたい話なんですが、外部に使っていただく際に一番気になる部分は、『経年変化』に対する理解というところです。 |
| 例えば外部に適性のある木として知られる『ウエスタン・レッドシーダー(米杉)』ですが、油分も多くて耐湿性に優れ、高い意匠性を持っています。ワインレッドと称される濃い赤紫色は魅力的ですが、経年変化によって銀灰色になります。それを私は「ロマンスグレー」と呼んで愛でております。このウエスタン・レッドシーダーぐらいになれば施工実績も豊富で、ロマンスグレーに成長した生の現場やその姿は雑誌やSNSでもよく見受けられるので、施主さんへの説明もしやすいのだと思われます。 |
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じゃあ外部はウエスタン・レッドシーダーでいいじゃないかというと、そこは人間の業というか、探求心というか・・・どんなに美味しい料理でもいつもいつも同じ料理ばかりでは飽きてしまうというやつで、ちょっと毛色の違ったテイストを、ということで偏屈材木屋にはそんな変な木もあるであろうと訪ねて来られるのです。うちだってウエスタン・レッドシーダーぐらい扱っているんです、いるんですが、そんな期待に応えるのも偏屈の腕の見せ所!ということで徐々にハードルは上がっていくことになるのです。明日に続く・・・ |
| こちらは愛媛県産の『ヒノキ』の板。農林水産省の平成26年木材統計によると、愛媛県のヒノキの素材生産量(つまりヒノキ原木が山で伐採され搬出され販売された量)は、岡山、高知に続いて堂々の第3位のヒノキ王国です。2007年から2011年にかけての5年間は、生産量日本一の座にあったのです。しかし製材された製品の多くが県外へ出荷されることや、食べ物などと違ってその流通経路や販売現場が一般市民の目に触れることも少ないため、多くの県民にヒノキ王国であるという自覚は少ないと思われます。 |
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少し田舎に行けば見渡すばかりの山々ですが、伐り出されるヒノキは一般の方が目にする国道沿いではなくもう少し山の奥にあります。一般に方がイメージされる「山」と、山林経営としての「山」にはかなり隔たりがあります。田舎の道を走ればそこら中に生えている野良生えの木々を見て、これが住宅の元になるのか、なんて思われる人もいるかもしれませんが、そういう木はほとんど伐採されることもありませんし、建築資材にも適しません。自然素材という言葉についつい誤解しがちですが木であれば何でもOKという事ではないのです。 |
| こうして製材され加工され文字通り檜舞台に立つことのできる木は、限られた木なのです。しかもこのように無節で赤身とのバランスがいいようなヒノキとなると、多くのヒノキの中でも更にひと握りの選ばれしエリートなのです。今回はたまたま愛媛県産材指定ということでしたので、こういうエリートでしたが、弊社が普段扱っているのは、ヒノキやスギなどの王道の木ではなくて、ひっくるめて「雑木(ぞうき、ざつぼく)」扱いされる名もなき広葉樹のしかも節や傷のある「問題児」ばかり。しかしこの問題児がたまらなく愛おしい! |
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それでも時々はこういう無節のヒノキなども扱うと、弊社とのお付き合いが新しい方の中には「えっ、こんな普通の木も扱っていたんですか?!」と驚かれる方もいらしたりして、果たしてどんな材木屋だと思っていたのだろうかと尋ねたくなることもあります。この10数年間、意図してそういう方向に舵をきってきたわけですから、その効果が出てきたかなと嬉しく思いつつも、自分の想定とは違うとんでもない大五木材のイメージが出来ていたりするのかも・・・まあ、それもすべてひっくるめた『木のもの屋』になれれば本望! |
| 例の『モミジバフウ』ですが、製材してから1ヶ月が経過。用材として使うのはまだまだ先の事なんですが、短いものや薄く挽いたものは形がいびつなんで桟を切って並べることが難しいんで立て掛けて乾かせていてこれでも結構乾きました。丸太に一番鋸を入れた耳付きの部分を『ガッパ』と呼びますが、さすがにそのあたりは弊社でも利用を悩むものの、だからといって捨てたりはしません。置いておけばそのうちいずれ「使い道」が発見されるのでなかろうかという「言い訳」でとりあえず一緒に乾かせたりしています。 |
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またそういうものから(辺材なので水分の多い赤身が含まれないこともあって特に)乾燥が進んでいくのですが、見た目はすっかり変わっています。製材直後は瑞々しかった材面もすっかりくすんでしまいましたが、それでもひと削りしてみると御覧の通りクリーム色の木肌が再生されます。今回ご縁があって大量にモミジバフウが入手できましたが、それまでこうしてまじまじとモミジバフウの材面を見ることもありませんでした。なにしろそれまで私にとってモミジバフウといえば【森のかけら】の材料。 |
| その程度の認識しかなく、用材としての視点でモミジバフウを考えたこともなかったのですが、さすがにこれだけ大量に土場に積みあがると、真剣に【森のかけら】以外の出口も考えなければなりません。当然大きなものはカウンターやテーブルにも使おうと目論んでいますが、他でもあまり家具や内装などに利用されたという事例もないようなので、自ら試しながら出口を切り拓いていくしかありません。まあまだ完全に乾いたというわけではありませんが、こうしてみた感じでは十分家具としても使えそう。 |
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大きい材は乾燥までにもう少し時間がかあkりますが、小さなものはドンドン乾いていくので、物理的な問題(限られたスペースを有効に生かさないといけないという事情)もあって、早めに出口から出て行ってもらわねばなりません。当然そこには【森のかけら】とか『モザイクボード』という出口があるものの、素材自体がその出口に対象としてはやや大きいので、もう少し大きな出口を探したいのと、こういう骨に残った肉のような部位も何とかしたい。使えない?いやいや、世の中に使えない木なんてないっ! |