森のかけら | 大五木材


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20120521 1愛媛木材青年協議会を卒業して少しは暇が出来るかと思ったら、むしろ現役の時以上に忙しい日々。本業以外の事も多いのですが、いつもながら『声をかけていただくうちが花』の気持ちで取り組ませていただいております。こういう事も50歳までのこの数年が一番ピークのような気がしますし、人の広がりが一番充実する時期でもあると思っています。などとあまり鷹揚に構えているととんでも無いことになってしまうので(!)出来る事、やりたい事、楽しめる事、面白い事が基準線。

20120521 2人から見れば、「何が面白いのか?」なんて事だって感じ方次第。【森のかけら】にしろ、無垢の内装材、家具にしろ、業界ではアウトサイダーのように自分のやりたいようにしてきたので、他人から共感を得たり、同意を得ると、孤島で水平線に船影を見つけたような感動を味わうのです!ですから、こんな私にでも「木の話」の授業や講演(たいそれた・・・)などのお話をいただくと、ああ、こういう生き方も評価していただけるんだと、安堵感を覚えます。それを体感するために受けさせていただくようなもの。

20120521 3そのひとつで、もう今年で5年目の小野中学校のキャリア教育「職業科」推進事業の「木の授業」が迫って参りました。昔、バスガイドさんが原稿も見ないで土地土地の観光地や名物をスラスラと喋られるのを、人間業ではない!と感心しながら聴いていましたが、「繰り返す」事で人間の脳は存分に力を発揮してくれます。20数年も木材一本でやっていれば、ある程度の話が出来て当然ですが、私の記憶装置は上書き機能に不具合があるので、常に上書きしてないとデータが薄れてしまいます。

 

20120521 4久しぶりの授業ですので、データの修復が出来ているかがやや心配。むしろ授業や講演が重なっている時の方が記憶が鮮明なので、少しは余裕があるのですが・・・。何事も日々是鍛錬の賜物ですから、あまり間が開くと不安になります。単語や数字が出てくるかしらと・・・。とりあえず大急ぎでレジメ作成。以前はレジメも何も無しで1、2時間も話をしていたのですから、今にして思えば無謀。生徒は毎年入れ替わるとはいえ、新しい引き出しも用意せねば己に成長がありません。よし、頑張ろう~!

 




20120520 1さて、肝心の日本酒の方ですが、成龍酒造さんがこの会のために厳選した8本のお酒が居並びました。今回は前回に比べてやや少なめの20数名の参加者でした。それはつまり、ひとりひとりの飲み分が多くなる事・・・いやいや、たっぷりと美酒を味わう事が出来るというものです。成龍酒造の首藤さんが1本ずつお酒の特徴を語ってくれます。こういう機会でもないと蔵元の方から直接こういうお話を聴く機会はありません。微妙な味の違いにも多くの技法や思いが込められています。

 

20120520 2説明いただくと順番に参加者のグラスにお酒が注がれます。8種類ものお酒を一度に飲むのですから、飲む順番であったり、料理との相性も考えていらっしゃいます。何種類もの飲んでいればどれも一緒と思われるかもしれませんが、途中で順番を変えてみたりすると、その意思が明確に理解できました。さすがはプロフェッショナル!『なが坂』さんでも新メニューとして、賀儀屋大吟醸酒粕と鮭を使った酒粕漬けを開発されていましたが、これも美味。美味しい料理に楽しい仲間、お酒もぐいぐい。

 

20120520 3魚に合う酒、肉に合う酒とお酒にも作法やルーティンがあるように、木材にもそれぞれの樹種ごとに加工方法や用途、塗装、お手入れなどの作法や決まりごとがあります。弊社にもときどき、「木だったら何でもいいから。安ければ安いほどいいんで・・・」という方がお見えになります。詳しい説明にも耳を貸さず、そのフレーズを連呼。悪気はないんでしょうが、すごく悲しい気持ちになるのと、木材を馬鹿にされたような怒りを覚えてしまいます。互いの意思が通じ合わねば幸福な時間は決して訪れません。

 

 

20120520 4こういう会をしたからといってすぐに成果が出たり売り上げが急に増えるわけではありませんが、作り手や売り手がその意思をメッセージとして直接語るということすらやらなくて、その先に輝く未来があるとは思えません。我々のグループ以外は初対面でしたが、酒が取り持つ縁で(なかば強引に)打ち解け酒仲間が出来ました。またひとつこのお店に来る楽しみが増えました。『なが坂』のオーナー・長坂有志さん、成龍酒造・首藤英友さん、乃万酒店・乃万智臣さん、素晴らしいコラボレーションです。

 

20120520 58種類のお酒をいただいた後は全員で投票。ひとり2票で投票した結果、栄えある1位に選ばれたのは、『伊予賀儀屋 無濾過大吟醸 白ラベル』でした。これが最初に飲ませてもらったお酒。やはりファーストインパクトが大きいのはお酒も「木選び」も同じでしょうか。私は『無濾過 純米吟醸 黒ラベル』がお気に入り。その素性が分かって、『語り』のおまけまで付いて味わうお酒の味はまた格別です。今売っているそれが、誰をどう楽しませどう喜ばせるものなのか、大変勉強になりました。早々の第三回開催を待っています!




20120519  1先週の話になりますが、お馴染みの『なが坂』さんにおきまして第二回の『日本酒を美味しく飲む会』が開催され、第一回に続いて、前回のメンバー+2人の日本酒愛好材木家を引き連れて参加させていただきました。前回は『石鎚酒造』さんでしたが、今回は西条市の成龍酒造㊧さんをお招きしての開催。『蔵元+酒屋(乃万酒店㊨)+居酒屋』の3つの形態が協力して開催されているこの『日本酒を美味しく飲む会』、まだまだ手探りの段階ではありますが、前向きで頬の緩む楽しく美味しいイベントです。

 

20120519  2イベント慣れした方は、こうした方がいい、ああした方がいいとアドバイスされる方もいらっしゃいますが、とりあえず自らの意思で試行錯誤しながら動き出すことが大事です。材木屋にとっては異分野ではありあすが、川上から川下までの業態が連結したこういう取り組みは参考になります。批判は易し実行は難し!第一回で日本酒の奥深さを堪能させていただきましたので、次回の開催を心待ちにしていました。実際にものづくりに携わる方の話は職種を超越して面白いものです!

 

20120519 3今回の成龍酒造の首藤英友常務もしっかり背骨が入っておられて、自社のお酒を語る言葉のひとつひとつから思いが伝わってきます。石鎚酒造さんもそうでしたが若手の造り酒屋さん、皆さんお話がお上手!というよりは、そういう人だからこういう場所に立っておられるのだし、そういうお店だから人気があるのでしょう。メーカーだから売り先は卸し問屋一本で、一般消費者には縁が無くて何を話したらいいか分からないなんて製材屋がいますが、自ら垣根を立ててどうするつもりなのか。

 

20120519 4自らが手にして作ったものの魅力をお伝えしたいという気持ちは『ものづくるひと』にとって共通の思い。しかもそこには自ら手を上げて『ファン』と名乗る方が揃っている、なんて素敵で幸福な空間なんだろう。席に座って美味しい酒をいただきながらも、心はホストの立場。首藤さんの名刺には、「酒は夢と心で造るもの」の言葉が記してありましたが、いいですね~!浪漫を追い求めない仕事なんて男の仕事じゃありませんぞ。成龍酒造さんは、ご先祖が鍵関係のお仕事をされていたとかで、『伊予 賀儀屋(かぎや』という蔵元屋号をお持ちですが、その屋号の入った前掛にも垂涎。以前にも一升瓶のラベルに萌えた時期がありましたが、蔵元の屋号や酒のラベルってどうしてこうも美しいのでしょうか。嗚呼、作ってみたいなあ・・・『酒蔵紋のしるし』。




20120518 1本日は絶好の塗装日和。お天気に合わせて塗装日を調整しているわけではありませんが、乾燥+仕上げ時間を逆算すると、どうしても今日しておかなければならない!という日がお天気だとほっとします。雨が強くて湿度が高いと塗料がうまく木になじまないこともありますので。しかし、雨だと配達の電話も少なくなるので(何事も兼業の少数精鋭零細企業としては)その分、気兼ねなく塗装作業に励めるという裏事情もありますので痛し痒し。何でもオールマイティにこなせなければ生き残れません!

 

20120518 2こちらはお天気が気になるところですが現場はお天気の都合に合わせてはもらえません。ああ、数日前なら暇で何をしようかなんて考えていてたっぷり塗装の時間があったのに・・・なんて日には絶対そういう仕事はやって来ません。忙しくてもう目が回る~なんて時には必ずと言っていいほど、超急ぎの仕事が重なって舞い込んで来る!これは『全国共通の材木屋の法則』。この法則でいちいち心を痛めていては材木屋などやってはおられません。出来るかどうか?ではなく、何とかする!

 

20120518 3もうこれしかありません。まあ今まで20数年、それで何とかやってきましたので本当に何とかしようとすれば何とかなるもんだなあと思います。楽観的に生きなければ体も心ももちません。さて、それで本日は午前中は『桧の節ありのフローリング』を、午後からは『桧の無節のフローリング』をみんなでせっせと塗装。たまたま同時期に『桧の節有り、節無し』のフローリングにお仕事をいただきました。ことフローリングについて言うと、最近は国産材よりも輸入材の方の割合が多く、桧のフローリングも久々でした。

 

20120518 4以前は桧のフローリングも大量に在庫していたのですが、加工して結束保管しておくと、時間が経つと材面から『ヤニ』が滲み出てきて大変な事になってしまい、かなり損出を出してしまいました。ヤニとはいっても、『アピトン』や『米松』のヤニのような飴状のヤニとは違って、材面にじわりと滲み出てくる始末の悪いもの。サンダーで磨いたぐらいでは落ちません。まあ、生きている証拠だから仕方ありませんが、納期が切迫している時はそんな気分にもなれません・・・。

 

20120518 5傷がつかないフローグなんてフローリングじゃないなどと、いつも説明させていただいていますが、桧や杉を選ばれる方はかなり傷に対する強度が高いというか免疫があるとうか、『寛容』であります!桧の生産量日本一という事で、内装材としての桧の使用量が高いという地域性もあるのかもしれませんが、広葉樹に対する傷や硬度にしては慎重な割りに、桧には皆さん非常に寛容です。柔らかさ=温かさ、ですので触感の温もりに共感を覚えられているのか、「桧なんだから」という一種のブランド意識がそうさせるのかもしれません。




20120517 1文字通り世紀の天体ショー『金環食』が近づいていますが、私がこの言葉からイメージするのは、名匠・山本薩夫監督の映画『金環蝕』です。これは、私の生まれた1966年(昭和41年)に発表された石川達三の小説を原作とし、1975年に公開された日本映画の良心とも言える作品です。「金環食」の食の文字が「蝕(むしば)む」となっていますが、ドロドロした利権争いの闇の中で次第に人間性を失い、身も心もボロボロに蝕まれていく様がその文字からも伝わってきます。実名こそ出ていないものの、実際に起こった九頭竜川ダム落札事件を舞台としており(場所は置きかえられています)、登場人物もモデルとなった実在の人物を匂わせる際どいもので、今では到底考えられない作品です。私が生まれる以前の話なので、その落札事件について詳しくは知りませんが、そういう知識が無くても見応え充分!

20120517 2近づく「金環食」の話題の中で、この映画の事がほとんど出ない(私がたまたま観てないだけかもしれませんが、ラジオやテレビ、新聞、雑誌で見たことがありません)のは、あまりに素材がシュール過ぎてメディアが二の足を踏んでいるからなのでしょうか。主役となるのは、当時自民党総選挙でその席を争った佐藤栄作元首相と田中彰二、そして事件のもみ消しに動いたのは時の幹事長・田中角栄!今の原発利権とも重なるような政治絡みの話だけにどこからか圧力でもかかっているのでしょうか。

20120517 3今こそ金環食前後の夜にでもテレビで堂々と放送すべき作品だと思うのですが、『黒部の太陽』のように利権や版権などの問題で放送できないこともあるので(それはそれで、もうひとつの金環蝕・・・)、理由はいろいろあるのかもしれません。以前にも山本薩夫監督がメガホンをとった映画『華麗なる一族』や『不毛地帯』も、最近続々とテレビドラマ化されていますが、こういう政治と金の問題にも正面から切り込んだ骨太の映画を作られていて大好きな監督のひとりでした。

20120517 4テレビドラマでの限界もありますが、血のほとばしるような肉厚のステーキを素手でかぶるつくような山本作品の激しさに比べて、見た目だけ華やかなデザートのようで、原作そのもののメッセージ性は希薄。バラエティで笑顔を振りまく役者が演じても深みが伝わりません。それに比べて『金環蝕』の配役は、仲代達矢、三国連太郎、宇野重吉、神山繁、西村晃、高橋悦史、京マチ子、山本学、北村和夫、加藤嘉・・・画面の空気感が違って当然の面々!あんたらどれだけ悪やねん、と誰もが必ず突っ込みを入れたくなります。

20120517 5 すべての登場人物が個性的で魅力的(だから人や金が集まってきてしまう)で、教科書では語らえない大人の世界。あまりにもシュール過ぎて、今は絶対製作できない内容だと思いますが、それゆえに時の映画人の矜持を見る思いがするのです。映画での「金環食」は、金色の輪よりも、中のどす黒い黒い月が周囲の金の輪をドンドン飲み込んでいる、あるいは美しい太陽も中身は黒く腐っているという作品テーマの象徴となっていました。輝く金色の栄光の中で何が起こっているのか・・・今こそ必見の作品です




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