森のかけら | 大五木材


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夕方、4日ぶりに自宅に帰って来ました。自宅が落ち着きます。明日は1日かけて仕事モードに切り替えて、5日からの営業に備えます。

松山に戻る前に、田舎の山道を子供達と散策しました。家内の実家から国道に出る道をショートカットする山道で、家内たちは子供の頃この道を通って学校へ通っていました。私も子供の頃は、祖父の家に行くのに何度も通りました。しかしそれも30年程前の話で、いまはほとんど通る人もいなくてかなり荒れています。歩いたのも子供の頃ですっかり道の形も距離感も忘れていました。かなり急激な崖を削って作った山道なので、人が通らなくなると一気に荒れてしまい、拳大の石ころがゴロゴロ転がっていて、童話に出てくるような『優しい山道』ではありません。片側は山肌がせり出し、反対は崖!ガードレールもよほど危険なところにポツポツとある程度です。子供の頃は結構広い道だと思っていましたが、30年ぶりに歩いてみると山道の幅も思っていたよりかなり狭く感じました。数箇所道も崩れかかっていました。昔はもう少し整備してあったとは思うのですが、あまり危険だとも思いませんでした。今だと決して小学生だけで通らせてくれないでしょう。今とは『危険』の感覚がだいぶゆるくて、子供もそれなりに俊敏だったと思います。親も、これぐらい大丈夫よというおおらかなものだったし、今のように大怪我する友達もいませんでした。とりあえず私と子供3人で歩いてみました。

倒木にも苔がビッシリ!ここは「もののけ姫」の森か?と思わせる雰囲気と言えば大袈裟でしょうが、なかなかいいシチュエーションです。子供達は、ドングリやらクルミを拾う!と意気込んでビニール袋片手に燃えています!といっても実際に拾えるものは、虫や動物達の食べ残した栗やドングリ、クルミなどですが、それでも子供は先を争って拾います。

画像を見ても分かるように、山肌の杉や桧は痩せてヒョロヒョロです。急な崖で伐採も出来ず枝だけが伸びて日射が悪く、広葉樹も天然更新が出来ず、楢や胡桃もすっかり老いた木ばかりとなり、足元に重なる落ち葉も貧弱です。それでも子供たちは「葉っぱのじゅうたんみたい!」と足元の広葉樹の葉っぱを楽しそうに踏み歩きます。

どうやら子供達は、大人とは別の『森』の姿が見えるのかもしれません。私達もかつて子供の頃この道に、楽しみしか見出さなかったのに、今はこの森に違う物を見てしまいます。人の手が入らなくなった人工林はやがて荒廃してしまいますが、現実的にはこの山道のように伐採できない山が日本に溢れています。そのままでは、どうすることも出来なくなる「死の森」になってしまうと言われます。経済的、地理的な問題も含め伐採はほぼ不可能だと思いますが、何か手立てはないものでしょうか。豊穣なブナの森ばかりが森ではありません。人間が手を入れた責任として、何らかの活用が出来ればと痛切に思います。

手入れの行き届いた観光向けロードよりも、石がゴロゴロし朽木が横たわるワイルドな山道の方が、子供達にとってはよほど自然で面白かったようです。30年ぶりに歩いた山道は、やがて朽ちていく『死の森』ではなく、子供達に喜びを与えてくれた『恵みの森』でした。




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