森のかけら | 大五木材


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【昨日のつづき】

よく見ると胡桃の皮の部分がスポンジ状になっていて、触ると粉々に砕けていきます。映画「ハンナプトラ」の砂漠の魔物たちのように・・・!その部分は虫たちが食った残骸なので、虫はいません。彼らが潜んでいるのは、俗に『甘皮』と呼ばれる柔らかい皮の部分です。通常木の皮のごつごつした所を私達は『鬼皮』と呼んでいます。これは木にしっかり引っ付き、木をしっかりと守っていて簡単には剥がれません。製材するときにはリングバーカーと呼ばれる機械で、回転させて刃物で一気に削ったり、水圧で剥いてしまいます。その頑固さは文字通り『鬼』のごとしです。

虫たちは甘皮が大好きで、孵化すると周囲のやわらかくおいしいところから食べ始め、硬い鬼皮のギリギリまで食して横移動します。そうして内部をグルグル縦横無尽に食べ尽くすのです。だからパッと見では分かりません。そのうち鬼皮も薄くなり小さな穿孔穴が開くと、そこからパラパラと木の粉末が落ちてきて、こんもりと積み上がります。「あっ、虫だ!」しかし、それは【警告】ではありません。もう遅いのです・・・

その時点でもうかなりやられています。しかし、鬼皮が硬いうちは彼らはバリバリ活動中ということですので、穴の奥に潜んで人間の気配を察しています。触って鬼皮が柔らかくなっていたらもう、その時は白太はないと思ったほうがいいです。あったとしても使えません。更に赤身までいっちゃています!・・・・・仕方ないです。胡桃や栗など甘い実のなる木の宿命です。むしろ自然界ではそれこそが本来の役割でしょう。胡桃はおいしいんでしょうね。

人間だって胡桃食べますもん。私も虫に負けずにバリバリ食べてやりました!おいしいです。もともと胡桃は、中央アジアに自生していたペルシャグルミが中国に伝わり栽培され、テウチグルミに変化したとされています。日本の古代の遺跡から出土する胡桃はほとんどが、オニグルミだそうですが、その名の由来は、実の形がごつごつして、凸凹があり鬼のように醜いことによるそうです。日本特産の変種ヒメグルミは核もツルッとしていて滑らかなので、そのヒメグルミとの対比として『鬼』と付けられたようです。

確かに鬼並みのごっつい表情ではありますが・・・先人達は物事の本質を的確に表現されていたようです。なんでもそうでしょうが昔からある物の名前の付け方には甘さや容赦はないですね!そのももズバリを言い抜きます、厳しいです!鬼と犬(イヌマキとかイヌガヤとか)など身近にいるものに例えたのでしょう。太古には鬼だってちゃんといましたから。

材料としての胡桃についても書こうとしましたが長くなったので、この項さらに明日へと続きます。




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