森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・♯017【キリ/桐】ゴマノハグサ・広樹・愛媛産

いままさに山は若葉が茂り目に眩しい季節。最近、たまたま遠方での現場が続き、松山市内から離れた場所に配達や打ち合わせに行く事が多いのですが、その所どころで『山の姿』が気になります。ちょうどこの季節は、若葉が芽吹き山の様子がよく分かります。ブログにも何度もアップしている久万高原町の山は、圧倒的な植林の山なので、殆どを樹形の真っ直ぐなツンツンした針葉樹のスギヒノキが占有していて、山全体の形も鋭い三角形です。またどちらも、年中葉を絶やさない常緑樹なので、いつ見ても深い緑色です。

典型的な『林業のために作られた山』で、そこには人工的な作為が感じられますが、つまりは、厳しいとはいえきちんと林業に取り組んでいるという証です。今までは材としての『キリ』にしか興味がなかったのですが、花とか葉、樹形なども知れば知るほど奥が深く面白いです。自分で本を調べるだけでは意味も分からない事も多かったのですが、数年前から愛媛大学農学部の「樹木博士講座」に参加させていただいて、互生とか対生とか根本的な基礎を教えていただいてからは、より興味が湧くようになりました。改めてきちんと基礎を学びたいという衝動はあるのですが・・・基礎のかじりだけでも充分に楽しめます。対して、連休中に帰省していた西予市の更に奥のほうの山は、驚くほど色彩豊かです!まるで『山の絨毯(じゅうたん)』と思うほどに華やか!

シイ、クヌギ、ミズナラ、クスノキなど多くの広葉樹が混ざり合い、深緑、薄緑、黄緑、白色、いろいろな色彩を形成しています。しかしこれだけ広葉樹の樹勢がいいということは、林業としては手入れが充分に出来てないという事でしょう・・・例外もあるでしょうが、彩り鮮やかな山ほど、人の手が入っていないというのは皮肉なことです。何もしなければ自然は充分に美しいということです。【キリ】は材としても有用な木で、用途は実に広く多くの分野で使われています。

すぐに思い浮かぶのは、下駄でしょうが、最近下駄履きの方は見かけなくなりました。国内の産地としては福島県の会津地方ですが、以前に会津に行ったときにも林業関係者の方が、いまや大径木の良質なキリはかなり激減したと仰っていました。価格優先で中国産などに市場を奪われました。しかし中国産のキリは経年変化で黒ずんできてキリ本来の光沢は望めません。キラキラ輝くような独特の光沢は国産のキリならではです。『キリには多くのエピソードがあるのですが、あまりにも多いのでエピソード部分はまた改めて。

 




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