森のかけら | 大五木材


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利き肩の記憶

call7pee今日はお得意様のミセスホーム㈱さんの上棟です。3トン車で材料を運ばせていただきましたが、晴天でなによりです。上棟はお祝い事なので、晴れにこしたことはありませんが、天気ばかりはどうしようもありません。今日は絶好の建前日和でした。少し狭い現場でしたが、西川棟梁を中心にベテランの大工さん揃いで手馴れたものです。あうんの呼吸で、テンポ良く組みあがっていきます。棟上の時の威勢の良い大工さんの掛け声と、トントントンという小気味の良いリズムの木組みの音はいつ聞いても気持ちが高揚します。

 20090510                                   

今はほとんどがプレカットになっていますが、私が入社した頃は全て手加工でした。20数年前のことですが、当時は多くの大工さんが自分の作業場で刻まれていました。それを3t車で積みに行って現場に運ぶわけですが、当時弊社にはまだユニックがなくて、大工さんの作業場に降ろすのも積むのも全て手積みでした。その頃は、それが当たり前だと思っていたので別に苦にもなりませんでした。まだ私も20代で体力にも自信がありました 

 

当時は景気も良く、大きなマンションもたくさん建っていました。今でこそマンションでは、木材を使うことがほとんどなくなりましたが、昔は根太や板胴縁、野縁は元より、造作材も米栂などオール無垢材でした。業界に入ったばかりの私は、屈強な男達が入り乱れるマンション現場での立ち位置が分からず、ステージクレーンなどの順番取りにも立ち遅れ、7,8階のマンションを材を担いで階段から運んだりしたものです。一度、プレカットやユニックなどの文明の利器に頼ってしまうと、もはや元には戻れなくなります。以前は4寸柱の家も結構多かったのですが、最近はほとんど見かけなくなってしまいました。使う材料も随分小さくなった気がします。肉体的にはかなり楽にはなりましたが、当時の材料運びは私の基礎体力を培ってくれました。いろいろな材を担いだお陰で、右肩はカチンコチンになりました。左肩は全然駄目ですが・・・。

若い頃、相当量の材料担ぎをされた方は、ベテランになってあまり担がれなくなると、それまで日々刺激されていた肩への刺激が薄れ、急に利き肩に毛が生えてきます。産毛のようなものでなく、坂本竜馬の背中に生えていたとかいなかったとかいう剛毛のような毛です。私の先輩でそういう方を知っています。相撲取りが、ぶつかりの激しさで毛が擦れるのと同じことでしょうか?往年の激しい労働量を肩が知っているという事でしょう。

来週も大きな1枚板のテーブルの注文を数件いただいています。大きな板も、コツさえ分かれば楽に動かせます。担ぐのも天秤の要領で、見かけよりも案外楽に担げるものです。2000㎜X900㎜クラスの大きな板も、私が一人で担げるかどうかが乾燥の目安になっています。担げばどれくらい乾いているか大体分かるようになりました。勿論、ナラとかタブなど比重の大きい木は、これぐらいのサイズになるととても担げませんが・・・。日々鍛え続けられる私の肩から毛が生える日は当分来そうにもありません。願わくばその日が来ることがなく、ずーと板を担ぎ続けていたいです、体力の続く限り!




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