森のかけら | 大五木材


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全国的に伐採可能な【】の木が少なくなったこともありますが、今の住宅事情を考えると希少で高価な高齢木が市場に出てくる可能性は自ずと限られてきます。また出てきたとしても、ほとんどが高地で育った高齢の天然林のため、【】や【ウロ】、【目回り】、【腐れ】などが多く、製材ところで割ってみないと、中身が分からないリスクの大きい木でもあります。高地の荒々しく険しい傾斜地で育つことが多いため、ある一定方向から強い力が加わり続けることで、成長の過程でキャラメル色の強い「クセ」がつくことをアテと呼びます。このアテがあると、製材したり加工した時に、その部分から急激に反ったりねじれたりします。何十年も強い圧力を受けていたのが一気に開放されるのですから当然といえば当然でしょう。

ウロ/洞】は、木の生長が終わりに近づいたり外部からの影響などで、中心部分が朽ちて空洞になってしまい事です【】のウロは半端ではありません。大きな穴がすっぽり開いているものもあります。年輪に沿って出切る割れ目の事を【目回り】といいますが、これは建築材料としては致命的で、深く目回りが入っていると製材時に破断してしまいます。【腐れ】は読んで字の如し。他にも外部からの傷などで雨などに晒され、腐朽菌によって青色に変色する【アイ】(地域によってはアオ)の影響も受けやすい木でもあります。

ここまで読むと、良いことがひとつもないような木に見えるかも知れませんが、栂とてもデリケートな木です。成長が遅いという事は、しっかり目が詰まっているという証です。実際に見てもらえれば分かりますが、【土佐栂】の年輪はとても緻密です。そのためとても硬く締まっています。粘りもあり、かつては梁材としても大いに利用されました。また【アテ】や【ウロ】などの出やすいために、製材すると想像もしないような野趣溢れる杢が現れることも多くあります。【土佐栂】の魅力は何と言っても、引き締まった硬さとこの杢目の妙味です。とりわけ、厳しい環境で育まれた杢目は芸術的ですらあります。欅や高齢の杉など銘木として味わい深い杢目を生み出す物もありますが、個人的には【土佐栂】の杢の美しさには遠く及ばない気がします

アテ】や【ウロ】がある物は、業界では『欠点』と呼ばれ、著しく低い評価を下されますが、【】の場合、超個性的な杢といわゆる『欠点』は、背中合わせです。そういう木ですから、大きく無傷の板は望むべくもありませんが、傷や【アテ】などの周囲には非常に珍しく、面白い個性的な杢が現れます。それも珍しいことではなく、そういう表情がバンバン顔を出します。しかし従来の価値判断ではそれらも全てふるい落とされ、消費者の手元に行くことはありません。例えば6尺(約1.8m)の床板で、まったく節のない物を、【栂】に求めても無理な相談です。もしそういうものが揃ったとしたら、坪10万円を超えるようなフローリングになってしまうかもしれません。

【アテ】も【ウロ】も節も全てがその木の個性であり、生きた証です。使えるものは短くカットしてでも大事に使う。木の特性を認め、許容できるところは譲る。そういう姿勢がなければ【栂】は使いこなせません。普通のヒノキやスギと同じ感覚で考えられると到底無理です。【木童】スペックのフローリングしっかりと【栂】の個性が取り込まれています。弊社でも扱わせてきましたが、結構通好みのお客さんが選ばれる事が多いです。そんな【栂】にこだわる伊原製材所、恐るべし!心から敬服いたします!まだまだ【土佐栂】明日へと続きます!

 




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