森のかけら | 大五木材


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今日のかけら・#076【土佐栂/トサツガ】マツ科ツガ属・針葉樹・日本産(高知産)

本当は、昨日の『母の日』に合わせてアップするつもりだったのですが、ちょっと慌しいことがありましたので1日遅れで本日この木を取り上げさせていただきます。木偏に母と書く【】の木です。弊社で毎月発行している『適材適所』でも、今までに何回か取り上げてきましたので、一部内容が重複する部分もありますがご了承下さい。私が本格的に【】に出会ったのは、『木童』の木原巌さんと知り合ってからです。もう何年前のことになるか正確な数字はいま思い出せませんが、かれこれ前のことです。木原さんは当時、全国各地のこだわった産地の内装材を広めんと『木童』を立ち上げて間もない頃でした。初対面の印象は、火傷しそうなぐらい熱々の情熱の塊が、関西弁でまくしたてる!という感じでした。そういうタイプの材木屋さんに会ったのは初めてだったので、正直圧倒されました。

しかし、話をしているうちに、今まで自分の中でモヤモヤして今にも喉から出てきそうなのに、空気に触れると途端に萎縮してしまう「何か」が、これだったのかと目から鱗が落ちていくのが実感できました。心もモヤモヤが吹き飛び、雲ひとつない晴天のような心境になり、その後はどっぷりと『木童教』に入信することになるのですそんな木原さんに連れられて全国各地の工場を訪ねました。北海道から九州まで各地で熱い親父さんたちの話を聞きつつ酒を飲みつついろいろな衝撃を受けました。その頃の事が今の私の血であり肉であることは間違いありません。

その中で灯台下暗しだったのが、徳島県の伊原製材所さんの挽く【土佐栂】!東日本では「つが」と発音しますが、西日本では「とが」と発音するところもあります。このあたりでも、年配の大工さんや宇和島など南予の辺りでは「とが」の方が通りが良い地域もあります【】という木は非常にデリケートな木で、環境汚染に弱いとされています。そのため空気が清浄なかなりの高地でなければ生息しません。また成長も非常に遅く、立派な大木になるまでには100年以上も要します。つまり林業の対象としては適さない木ということになります

しかしそれが良いとか悪いとかは、勝手な人間の評価で【栂】には何の責任もありません。伊原製材所さんはその栂にこだわる数少ない製材所のひとつです。全国的にみても、栂にこれほど執着する工場はないと思います。地栂が今でもある程度供給できるところと言えば、四国の徳島~高知の剣山~魚梁瀬周辺、九州の霧島一帯、長野の一部ぐらいだと思われます。それぞれに土佐栂霧島栂信州栂という名称が冠されて取引されたりもするほど、価値のあるものですが、どの産地ももかつてのようには産出されてはいないようです。

 




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