森のかけら | 大五木材


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20100729 木が乾燥するには時間がかかる①このたび縁があって、20年近くの長期間にわたって天然乾燥させた米松(ダグラス・ファー)の挽き材が手に入りました。最近はもっぱら乾燥機に入れて短時間で一気に乾燥させてしまいますが、急激な温度変化により、材中の油分まで失ってしまうのが悩ましいところです。20年前だと乾燥機もまだまだ普及しておらず、生木を乾かせるためには、桟を切ってひたすらお天道様の力を借りてジワジワと乾かすしかなかったのです。私が入社した当時もそれが当たり前の事で、『木が乾くには時間がかかる』というのは常識でした。

20100729 木が乾燥するには時間がかかる②まだプレカットも言葉すら聞いたことのない時代でしたが、今から思えばその様変わりぶりに「前時代的」な印象すら受けてしまいます。その前の10年と、その後の10年で木材業界は劇的に変化したものです。ところで、人工乾燥させた物と天然乾燥の違いですが、やはり「光沢」や「」が失われていくのは切ないです。しかし、人乾(人工乾燥)の場合、木のおおよその含水率が分かるので、使う際の安心感はあります。天乾(天然乾燥)の場合は、「よし、これならいける」という判断の見極めは「経験」と「」になりますので、材木屋の目が物を言います。

20100729 木が乾燥するには時間がかかる③材を持ってみて、この樹種がこの重さならかなり乾いているとか、まだ甘いとか瞬時に判断しなければなりませんが、もうこれは才能とかではなく、どれだけ今までに木に触ってるかという経験則によるものです。判断を間違うと、施工後に収縮してとんでもない事になります。私も若い頃には随分と失敗をしました。扱った事のある樹種とサイズが少なかったので、でこれぐらいの重さなら乾いている、米栂ならこれぐらいという樹種間の違いが分からず、柱が生乾きで縮んでしまって取替え工事になったり、未乾燥のスプルースの枠材を納品して大目玉をくらったり、乾燥にまつわる失敗は無数にあります。

20100729 木が乾燥するには時間がかかる④今でも、これからもずーと勉強ですが、失敗のお陰で少しは判断にも自信が持てるようになりました。ただアフリカ材などの大きな板などは、どこが乾燥の安心なボーダーラインなのかは今でもよく分かりません。もともと比重の高い木は乾いても重たいですから、重さだけでは判断できません。そんな中で今回の米松は、その乾燥具合に誰でも太鼓判を押せるほどの完璧な乾燥材です。見た目は真っ黒ですがひと削りすると艶のある美しい木肌が現れました。さすがは天乾だけあって、光沢も失われていません。

20100729 木が乾燥するには時間がかかる⑤材もピーラー級の上質なものでした。まだまだ脂っ気もあります。天乾だとどうしてもパサパサになってしまうのですが、長期間かけてジワジワと乾いたので触感も瑞々しいです。身近に乾いた挽き材があり、急な注文にも対応出来るというのは、凄く助かります。造作に使える色物(節のない化粧材)で乾いた目込みの米松なんて、意外にあるようでないものです。まあ、これも使い始めたらすぐになくなってしまうのですが、乾燥に擁した膨大な時間の事も考えながら丁寧に売っていこうと思っています。




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