森のかけら | 大五木材


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20111101 1昨日の話の続きですが、商業主義に毒され、「たくさん売れる事=すべてのゴール」というロジックがまかり通っています。たくさんモノが売れて嬉しくないわけはありませんが、それにも勝る喜びがあります。お金には換金出来ないところにある喜びを、小手先のテクニックでコンパクトにまとめたくはありません。ブームが終われば忘れ去られる記念碑のような商品にならないために、不器用と言われようと、頑固と言われようと、この【森のかけら】を信念を曲げてまで世に迎合するモノにしたくはないのです。多くの仕事が世間との折り合いを求められます。そういう中にあって、ひとつぐらいは消費者に甘くない頑固な商品があってもいいのではないかと思うのです。「好きに選ばしてくれたら買う。」「いや、それは出来ません。」商売人としては失格でしょう。それが出来ない理由は私の心の中にある哲学のみ。

 

20111101 2ご理解いただきたいのは、すべての木が人間にとって価値のある木ばかりではないという事。建築や家具やクラフトに適さないような木は幾らでもあります。むしろ適した木の方が圧倒的に少ないのです。草のように柔らかいパサパサした木も、堅すぎて癖が強過ぎて使えない木も、木目が驚くほど単調で表情の無い木も、すぐに割れたりねじれたりして扱いにくい木も、鋸や鉋の歯を痛めるシリカをたくさん含んだ木も、削っただけで鼻がむず痒くなる木も、どこにでもあって二束三文の価値しかない木もあります

 

20111101 3木材市場で流通している木はごく僅かな種類で、森の多くの木々の「材」としての姿を観る機会はほとんど無いと思われます。身のまわりにあって、『人間の役に立つ木』のみが『有用材』と評価されます。けれど森に在って鳥や虫や昆虫達の終の棲家であり、貴重な食料でもあり、保水の役割もこなし、その落葉は森に豊かな腐葉土を作ってきました。人間の薄っぺらな評価の物差しでは計りきれないほど多くの「美」を提供してきたは多様な命を育む箱舟です。

 

20111101 4世間一般的な「木の評価、木のコレクション」に対して、「こんな木もあるよ」と言ってみたいのです。「これで家具が作れますか?フローリングが出来ますか?」その答えはNO、テープに吹き込んでおきたいほど繰り返してきました。なぜそういう発想にいくのだろうか?「なんで出来ないの?」それは森を観てもらえれば答えはあります。県建築や家具に使えるような大きく立派な木でなくとも、生きる意義や価値はあるのです。木を見て、森を見ないような感覚だから、そんな当たり前の事も分からなくなってしまうのかもしれません。更に明日に続く・・・




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