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いつものようにこれまたご紹介がすっかり遅くなりましたが、10月1日に愛媛県森林組合の林業会館(松山市三番町4丁目4-1)内に木工品等を扱うショップ『えひめの森林物語』がオープンしました。行政が地域の木工品などを事務所の片隅に展示されている事(販売目的ではなくあくまで見本として)はよくありますが、ここまで本格的に展示&販売に力を入れられている例は珍しいのではないかと思います。空きスペースをリフォームして、県内産の杉材を内装材に使って木の匂い漂う素敵な空間が誕生!
弊社の【森のかけら】や『森の5かけら』、『木言葉書』、『円き箱』などもちゃっかり展示していただいています。数年前まで、地元で木工クラフト品を製作しても、自社の店内で売るか、物産店のような所で飲食品やお土産の隣に並べて売っていただくのが関の山という状態でした。それが、『えひめイズム』のオープン頃から、木工品に対する環境が随分変ってきたような気がします。その扱い方も、ただ値段勝負の木の雑貨から、作り手を意識したクラフト工芸品に移行してきたように感じていますが、自分自身の意識にも随分変化がありました。弊社は旧松山市の北部の端に位置しているので、現品を手に取って確認してみたいという人には、交通アクセスが悪くご不便をお掛けしていますが、市内中心部にこういうお店があって、そこで取り扱っていただけるのはありがたい事です。
愛媛県森林組合という性質上、県内産の木材をメインに取り扱うという事が命題となります。ひと昔前であれば、外材はタブーであったかもしれませんが、今は解釈にも幅が出てきたようです。森には目に見える県境はありませんし、鳥や動物達によって運ばれてくる種やどんぐりにも県名が刻まれているわけではありません。あまり狭義に縛られると、まさに木を見て森を見ず状態になりかねません。加工や流通を含め、あまりに「県産」に縛られると窮屈になる事もあります。木に関しては行き過ぎた地産地消は足かせになってしまうと思うのです。
また、こういうショップが出来るとすぐに、それでどれだけの効果があるのかとか、何m3の原木を消費できるのかという愚問を呈する方がいらっしゃいます。より多くの木を利活用する事が至上命題である以上、その気持ちは分からないでもないですが、トレーラーで原木を運ぶような感覚でモノを見る癖が付いてしまうと、ついつい小さな木工品はないがしろにしてしまいます。この木工品がm3換算するとm3/何百万円になるとか、世間一般とはまったくピントのずれた業界感覚に陥ってしまいます。実戦部分と啓蒙部分を分けて考えないと、その意味も目的も混合してしまいます。今までのように大型工場を建てて量とコストで突っ走るというスタイルが過度期を迎える中、大型船の舵取りは大変複雑なものになってきています。さまざまな進路が模索される中に、こういう地味でささやかな「木のファン」拡大への種蒔きという畦道があってもいいように思います。
感情や情緒だけじゃモノは売れないと言ってしまっては、「生きた素材」を扱う資格すら放棄してしまう事だと思います。木材の「マテリアル化」を過剰に追求した結果が、±1㎜単位の収縮すらも許さないような「木の特性を否定するような業界基準」を作り出してしまい、果ては自分の首を絞めてしまったのではないでしょうか。その技術力や努力は素晴らしいものだと認めますが、同時に生きている素材・木本来の可能性の幅を狭めてしまった功罪があるようにも思えるのです。その贖罪として、こういうショップを応援するというつもりはありません。ただ、本来は「木材」という車には欠かせない重要な両輪であったはずの「生産」と「啓蒙」が、いつ頃か極端にバランスを逸して片輪走行をするようになり、進むべきコースを脱して行き先を見失ってしまっているように思えてならないのです。
木の良さを理屈で説明しないと分からないような世の中になってほしくはないのです。建築という人生の最大の買い物をする時に慌てて木を学ぶのではなく、そのずっとずっと前から、普段の生活の中でさり気無く傍にあって欲しいのです。その素晴らしさや楽しさを五感で味わっていれば、『森の出口』には自ずともっと多くの人が集まってくると思うのです。しかしそれは思いのある人が伝えてこそ。ここでは、愛媛県森林組合の菊池さんが、日々『えひめの森林物語』ブログでその思いを綴られています。その思い、必ずや芽が出てきます、頑張って下さい!
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