森のかけら　｜　大五木材 | 15 | 11月 | 2011 | 森のかけら

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ユビキタス・無垢・・・ここにもそこにも

3. 木の仕事 | 2011/11/15 PM8:38

材木屋にとって木造の家を建てていただく事が理想なのですが、プレハブや鉄骨の非木造系でも弊社が関わらせていただく要素はあります。床材や壁材などの内装材は勿論の事、カウンターやルーバー、ウッドデッキ、外装材、家具などなど。昔は大手ハウスメーカーでは、建材での設計を無垢材に変更するなどという事はいくら施主の要望といえどもご法度でした。それが昨今の無垢志向の流れには逆らえず、柔軟な対応をされるところが増えてきました。

それは無理、出来ない、（大手の人たちには）理解してもらえないと、木材業界側が一方的に敵視、あるいは諦めていたのだと思います、私も含めて。以前、尊敬する先輩に、「大手ハウスメーカーに売っているのではない。その先にいるお客さんに売っているのだ。アレルギーを作るな！」と叱咤された事があります。私も若うございました・・・。建てた家がたまたま木造でなかっただけで、ほとんどの方が木が嫌いというわけではなく、むしろ使えるものであれば使いたい。営業マンの方とて、お施主さんのたっての希望で、しかも喜んでもらえるのならば使いたくないわけがないのです。木材屋の方も、後で隙いたり反ったりしても知りませんよ、と無垢の「性質」の上にあぐらをかき、責任を放棄していたため、ハウスメーカーからの信頼を得ていなかったのではなかろうかとも思います。事前に直接お施主さんに会って自分の言葉で説明させていただく機会があれば、互いの不信感は途端に氷解します。

今は木造、２ｘ４、プレハブ、鉄骨等々に関係無く、多方面から無垢材のお問い合わせをいただきありがたい限りです。特にカウンター材のご注文は急増しています。耳付の１枚板、幅剥ぎのストレートカット、その形状に樹種とサイズが絡むと選択肢は無限大・・・とまで言うとオーバーですが、室内のしつらえに合わせて組み合わせは千差万別です。先日ご注文をいただいたのはこちらの北アメリカ産の『ハードメープル』。勿論、仕上げは植物性油塗装。瓶に入れたオイルが太陽光に妖しくきらめきます。

オイルを塗りこむと、淡い白褐色からやや黄身色を帯びたクリーム色に変身！これで１、２日間風通しの良い日陰で乾かせると完成。環孔材のナラやタモに比べると、散孔材のメープルは毛羽立ちが出にくく、塗装後の滑らかさは特筆モノです。このお宅ではこの他にも何枚かカウンターとオークのフローリングをご注文いただきました。少しでも室内に無垢材があると、部屋全体の雰囲気も随分変ってきます。それだけ、「生きている自然素材・木」には『力』があるという事でしょう。お陰さまで日々、木から力をいただきながら元気に働かせていただいております。

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