森のかけら | 大五木材


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倉庫の値段

20120603 1住宅不況の影響と後継者不足で廃業、倒産される建築・木材業者が後を断ちません。その根本的な原因は、放漫経営や連鎖倒産などもあるのでしょうが、身近なところでそういう場面に遭遇してしまうと身につまされます。ここ最近は、直接的な関わりがあるケースはないのですが、「廃業するので倉庫に残っている材料を買って欲しい」とか「一度見に来てもらえないか」という相談はよくあります。その多くが過去に何のお付き合いも無い方ばかりで、中には飛び込みでいらっしゃる方も・・・。

 

20120603 24、5年前にも同じような問い合わせが多発した時期がありました。倉庫の持ち主である大工さんや材木屋の主人から直接話がある場合は、倒産というよりは廃業という形が多く、そういう場合は正直、私のようなキワモノ材木屋でも食指が動きそうな材料はほとんどありません。多くが桧や杉、米松などの柱や土台、梁桁などの構造材や造作材が中心で、弊社の倉庫でもあまり見ることの無い材料ばかり。だから、使い残っている、売れ残っているということなのでしょうが。

 

20120603 3一方、世話人とか仲介者という肩書きの方からお話がある時は、業者が倒産してしまい倉庫の中の材料を差し押さえているか、倉庫を空にして空けないといけないので喫緊に売りたいというケース。その場合は、材料を移動させる間も無く「瞬間凍結」させた事例が多く、ときどき目玉品のような材料が埋もれている事もあるのですが、いずれにしても「誰かの不幸の後始末」である事は間違いがありません。中にはそういう掘り出し物を探される方もいますが、私にはどうしても後ろめたさがあります。

 

20120603 4知人が間に入っていて余程困っているなどの事情がある場合は別ですが、見ず知らずの方からのそういうご依頼はお断りしています。「いくらでもいいから値をつけて!」そう言われても、同業者として相場も知っている者が「法外な値段」なんてつけられるものではありません。かといってひと様が何年も売り残した材料を引き取りまでして相場で買い取れるような余力はありません。感情的な問題以上に、そこでの保管環境が見えないと、商品を売ろうにも怖くて扱えません。信用や信頼は、どこにでも落ちているわけではありませんから。




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