森のかけら | 大五木材


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20130714 1このジェルトン、肌目が精で均質なのですが、最大の特徴はなんといってもチーズ穴のような貫通した壺跡!漫画の『トムとジェリー』に出てくるような見事な穴の数々。ジェルトンの特徴を知らない人にしてみれば、何だこの虫穴は!?という事になるのでしょうが、これこそがもうひとつのジェルトンの特徴の跡なのです。この木からは、チューインガムの原料となる乳液が採取されるのです。つまり、ジェルトンこそは、知る人ぞ知るガムの木だったのです。

 

20130714 2ジェルトンの木や幹に傷をつけると、シラカバメープルのシロップのように、白い乳液が流れ出してきます。それがチューインガムの原料チクルとなっているのです。その乳液のたまっていた壺跡である乳跡こそが、数々のチーズ穴の正体なのです。その乳跡がバードカービングの際には嫌われるのですが、発祥の欧米ではこの乳跡を視覚的に利用する事もあるとか。節をキャラクターマークと評価したり自然の痕跡に対しては欧米のほうが鷹揚なのかも・・・。

 

20130714 3このジェルトン、乾燥に際して収縮が少ない木なのですが、乾燥させる時に気をつけないと表面に付着したカビの影響で青染みが発生しやすいので、注意が必要と言われました。既に乾燥した材を仕入れたのですが、案の定結構な青染みが散見出来ます。着色する場合は使えるというお方、それでもちょっと青染みはというお方それぞれです。折角こだわって彫る渾身の1羽の素材、欧米人ほどには鷹揚(適当に?)になれないのも日本人気質でしょう。

 

20130714 4そのジェルトンですが、彫りやすさについては文献やネットではいろいろ書いてあるものの、実体験がないだけにどういうものなのか説明するのに窮していました。弊社にも、彫刻を始めたのだけど何の木がいいですか?というお問い合わせはよくあります。その時露骨には言いませんが、本心としてはご自身の腕と予算次第というのが私の素直な答え。彫刻用材として木取りしていないので、適当なサイズとボリュームが合致しない事もしばしば。

 

20130714 5これから始める趣味だとはいっても、本気で取り組むりつもりならば、少々大きめの材でもホオなりカツラで挑戦されてもいいと思うのですが、「遊びごと程度なので数百円ぐらいで捨てるようなもので適当なもの何かないでしょうか?」などと言われると、材が気の毒に思えて「該当なし」とお答えしてしまいます。お金の問題ではなく、あまりに木に対して愛情のかけらも無い方とご商売するのは心が寂しくなります。「予算はないのだど、木が好きで・・・」なんて言葉には弱いのですが・・・。

 

★ブログ公開後に「チクル」についてご指摘をいただきました・・・・・ジェルトンもチクルも確かにチューインガムの原料として使われますが、採れる木は別ですよね。ジェルトンは東南アジア原産のキョウチクトウ科ジェルトンから採れたもの、チクルは中南米原産のアカテツ科サポジラから採れたもの。混同すべきではないと思います。成分はどちらも似ていて、トウダイグサ科のパラゴムノキの天然ゴム(シスポリイソプレン)と分子量こそ違えど同じタイプのゴムです・・・・・以前にアジアの木材を扱われる商社マンの方から、ジェルトンのチクルでガムを作る話を聞いていたので、私が混同してしまっていました。成分は同じだという事ですが、ガムの主原料はサボジラという木から採れるチクルという事ですので、訂正してお詫び申しあげます。訂正箇所が分からなくなるので、あえて本文はそのままにしてありますのでご了承下さい。




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