森のかけら | 大五木材


当ブログに記載の商品の料金、デザインは掲載当時のものであり、
予告無く変更になる場合がございます。
現在の商品に関しまして、お電話、又はオンラインショップをご覧ください。

20130713 1バードカービングの原料としては、ジェルトンの他にも、北米産の『チュぺロ』や『バズウッド』、『アユース』なども活用されるそうですが、それぞれに一長一短があるそうで、材質はいいが入手が難しいとか、価格が高いとか、強度が乏しい、希望するサイズが揃いにくい、質感を確認したいのだが身近なところで販売していない等々。ジェルトンやチュぺロについては、特殊な木材に分類される木ですからどこでも簡単に手に入るわけではありません。その特徴から建築分野では、フラッシュの芯材などでしか使われることぐらいしか用途がなく、一般的な認知度はほとんどありません。彫刻材を扱わない材木屋さんではその名もご存じないかも。ジェルトンは黄白色で心材と辺材の色の差もほとんどないため、細かな細工のカービングをするには歩留まりもいい木ですが、意外なところでも使われています。

  

  

20130713 2それがハイヒールの踵(かかと)の台木です。このジェルトンは、木が乾燥していく際に収縮していく割合が非常に低く、例えば木のおもちゃなどの素材で知られるビーチ(ぶな)の収縮率が、放射方向5.5、接線方向11.9なのに対して、ジェルトンのそれは2.0と4.0(米国林産試験場データ)で、他の主要な木材と比べてもトップクラスです。ちなみに収縮率が低く外部や甲板などの造船・海洋分野でも利用されるチークとほぼ同等の数値なのです。

 

 

20130713 3ただし最近ではハイヒールの台木として木が使われることは多くないようです。やはりデザインと強度の問題があって、ピンヒールなどのようにより小さなもので耐加重性の高いものが求められるようになると、木材だけではその要求に応えられないのだとか。それで最近の主流はプラスチックになってしまっているようです。この事を書くまで、ヒールの素材の事を深く考えた事もありませんでしたが、そうやってさまざまな分野で木が代替品に取って代わられている現実があります。

 

20130713 4それも時代に流れと言えばそれまでですが・・・。さて、そのジェルトンの取り扱いは主に彫刻材の専門店などで、材木市場で流通している木材ではありません。弊社には、たまたまご縁があり1パレット程度ですが短くカットした状態で入荷しています。入荷したのはかなり以前の事なのですが、彫刻材の取り扱いを始めようとしたわけではなく、【森のかけら】の素材として購入したのです。しかし、35mm角の【森のかけら】をいくら作ってもまだまだ残っています。

 

20130713 5本来のバードカービング用のジェルトンは、そのコンディションなどから細かくグレーディングされて、価格も細かく分類されています。まったくPRしていないにも関わらず、弊社にも時々ジェルトン材のお問い合わせをいただくものの、その多くが個人の愛好家の方で、必要量も数個単位という事もあって細かな対応が出来ずにお断りさせていただく事もしばしば。『ちょこっと端材』にアップして欲しいとの要望もあるものの、そこまでの在庫管理が出来ず持て余していました。

 

20130713 6小売の場合、『値付け』が相当に重要なのですが、ジェルトンなどのように1個の単位が小さいものになると、傷や染みなど細かなコンディションの違いで値段差をつかなければなりません。そもそも緻密で正確な事が苦手な性格ですので、あまりの煩雑な作業に心が折れます・・・。それが最近少しずつですが倉庫内の整理が出来始めましたので、弊社なりのザックリ仕分けで値段をつけて店頭限定で小売販売しようかなと前向きな気持ちになっています。明日はもうひとつの特徴。




オンラインショップ お問い合わせ

Archive

Calendar

2013年7月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
Scroll Up