森のかけら | 大五木材


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20130722 1地元愛媛の木材については、県内の製材所から直接仕入れるパターンと、市内の木材市場から仕入れるパターンがあり、弊社ではその2通りを使い分けています。木材市場の場合は、月に1、2度開催されていた『木材市』に出掛けては、『競り』を通して仕入れをするのですが、各樹種ごとに生産社を揃えて欲しいとの要望が多く、現在は各製品ごとに生産社を決めさせてもらっていて、ほとんどが『付け買い』で、この10年近くは地元の市場での競りには参加していません。

 

20130722 2松山の場合、地元の製品市場に出品される樹種のほとんどはで、弊社の得意な耳付きの多彩な広葉樹などの製品は滅多にお目にかかることはありません。そういう事もあって、市場に行くことが少なかったのですが、先日久し振りに市場に材を取りに行く機会があって、そこで目にしたのが例の桧の原木!そうです、昨年の秋にこのブログでも紹介した『ご神木への冒涜』事件ではからずもその「主役」となってしまったあの悲劇の6~700年生のご神木・桧。

 

20130722 3話には聞いていましたが、実際に実物を見るとその大きさに圧倒されると共に、これだけの巨木の命を不本意に断ってしまった事への呆れや怒りが込・み上げてきます。一般の方からすれば、お前がしている商売と何が違うの?と思われるかもしれません。伐ってもいい木と伐ってはいけない木、それは人間の勝手な言い分であって、木にしてみれば伐られる事の正当性をいくら並べられても、その命の連鎖を断たれるわけですから不条理な現実でしょう。

 

 

20130722 4その不条理な現実にどれだけ説得力のある言い訳を添えて(あくまでも人間都合の)、胸を張って堂々と端材の端材まで無駄なく最後まで使えるか。それが材木屋としての仕事と、不当な伐採と分ける一線でしょうか・・・。もしもこの桧が、不当に枯らされたりしたものでなく、堂々と伐採されたものであったとしたら、もっと違う意味で話題になった事でしょうが、横たわる巨木を前にすると、自分のしている仕事の意味について深く考えさせられます。

 

20130722 5さてこの桧、末口(梢)側から見ると立派ですが元側に回ると、大きな洞(ウロ)が開いていて4mぐらいまで広がっているとの事。どうやら希望価格の入札が成立しなかったそうですが・・・何とも複雑な心境。ないしろこれだけ立派で巨大な桧、愛媛でもそうそう出る代物ではありません。しかし市場の片隅でひっそりと佇む姿を見ていると痛々しくもあり、これだけの立派な木に相応の箔をつけて、もうひとつの「晴れの桧舞台」に出せてあげられなかった事はやはり罪作りだと思うのです。




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