森のかけら | 大五木材


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20140610 1以前から何度も何度も行こうとして、なかなかタイミングが合わずに行けなかった広葉樹・最後の聖地(岩手、秋田)へこのたび行く機会が巡ってきました。いつもお世話になっている木童の東京営業所中野敦史君とのふたり旅。しかも中野君とはそれまで電話で1、2度だけ話しただけという間柄でしたが不安はありません。聖地の前で皆心は解放され自由となるのです。聖地は木を愛する人を優しく迎え入れてくれるはずという事で、今回は岩手~秋田への一泊二日の旅に出発。その模様を腰を据えてお伝えします。

 

Exif_JPEG_PICTUREもう何度目の岩手でしょうか。一番最近来たのはちょうど1年前の木青連の全国大。その時は盛岡市で式典などがあり、空いた時間で『聖地』にも行きたかったのですが、なにせ十数人の集団行動でしたので長い叶わず。ようやく一年越しでその願いが叶う事になりました。まずは、岩手といったら外せないの がアカマツカラマツ㈲稲村製材所さん!稲村社長とは何年か前の木青連の盛岡大会以来の再会でしたが、相変わらずお元気そうでした。いつも朗らかで体同様に器も大きく、懐の深さを感じます。

 

Exif_JPEG_PICTUREその土場には素直で通直な中目のカラマツの丸太がうず高く積みあがっていました。ちなみに写真に写っているのが木童の中野君。ところが稲村さんの代名詞ともいえるアカマツの丸太が見当たりません。お話を伺うと、震災の復興の沿岸部住宅移転のために高台の山を切り拓く大規模な造成工事が行われているらしいのですが、そのための伐採工事に岩手からも大量の重機、伐採班が従事しているようで、伐期にも関わらず地元でも伐採が遅々として進まず、慢性的な原木不足に陥っているという事でした。

 

Exif_JPEG_PICTUREその事業は長期にわたっていて、品不足と消費税増税の駆け込み需要などの影響で原木の相場も異常に高騰しており、材が集まらないというジレンマでこの周辺の製材所も大変だという事でした。被災地から遠く離れた愛媛にいると、こういう情報もほとんど入って来ませんが、挽くべき原木が足りないという現実を目の当たりにして、震災復興により重層的な影響を痛感しました。また問題となっているのは、高台移転のため伐採した原木の利用、販売が進まず、そのまま山で放置されたままにされているという点。

 

Exif_JPEG_PICTURE事情があって伐られたのならば、無駄にすることなく使えばいいのにと思ってしまいますが、そこにはいろいろな事情もあるのでしょう、きっと。それにしても辺材がすっかりダメージを受けてしまったそれらの原木を見ると、悲しい気持ちになってしまいます。こういう問題は、あまり枝葉ばかり見ても仕方がないことで、感情に流されずに大局を見る俯瞰的な視点も必要だという事は分かるのですが、正当に利用されず朽ちていく木を目の前にすると胸が痛むとともに一日も早い復興が望まれます。




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