森のかけら | 大五木材


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言い伝えによると、徳川三代将軍家光の時代に、大洲地方を収めていた大洲藩主加藤泰興が江戸への参勤交代の際に、中山町で採れたクリを献上し喜ばれたとされています。そういえば、実家付近にある「栗田」や「栗の木」などの地名も栗栽培と関わりがあるのかもしれません。しかし、京都の丹波栗や高知の栗焼酎『ダバダ火振り』などと比べても知名度は低く、PR下手はもはや愛媛のお家芸。ならばせめて愛媛のクリを「食」ではなく「材」の立場から応援してみると・・・。

数年前から取り組んでいる愛媛の広葉樹への取り組みですが、初期に引いた材がすっかり乾燥してようやく使えるレベルになってきました。樹種や個体差もありますが、原木を耳付きのまま挽いて3、4年じっくり天然乾燥で寝かせてから使う予定でいたので、思惑よりも1年ぐらい早いのですが比較的材が、小さいのと風通しのいい場所に保管していたこともあって使用に際して問題ない状態です。樹種としてはケヤキサクラクルミ、ミズキ、クリなど。ナラはもう少し寝かせます。

どれも直径300~400ミリ未満の小さな原木ばかりで、愛媛の広葉樹の1枚板のダイニングテーブルが出来るようなレベルではありません。ですが、幅剥ぎすれば地元の広葉樹の家具も作れます。その中で、クリは原木自体も少なく、岩手の通直で立派な丸太の面影もありませんが、それでもクリはクリ!全国第三位の収穫量を誇る愛媛のクリ産業ですが、食用のクリと用材としてのクリは根本的に異なります。野山に自生しているクリは、ヤマグリ、シバグリなどと呼ばれています。

一応クリの実はつくものの、極めて小さいものばかりで食用には不適。その野生のクリを長い時間試行錯誤して改良したのが栽培用の大きな実のつくクリの木です。有名な品種としては、丹沢、国見、石鎚、筑波、利平などがあります。実際に栽培用のクリの木を製材したことが無いので、比較のしようがないのですが材質的にはあまり変わらないと聞いたことがあります。ただ私のイメージでは、木の栄養分をすっかり実に絞り取られてしまってスカスカになった感じがして仕方ありません。

というのも、実でも精一杯人間に恵みを与えてくれているのに、そのうえ体まで使われてしまってはなんだかクリに申し訳ない気になって・・・。食べるか使うか、どちらかだけでも人の心を満たしてくれれれば充分という変は心境になってしまいます。ところで久万のクリですが、木も小さく曲がりくねっているため用途は絞り込まれますが、天然乾燥のため色艶、光沢が損なわれていません。あたかも実にいくはずだった養分がすべて残って材中に閉じ込められたように!




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