森のかけら | 大五木材


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拡大造林』なる愚かな国策事業が推進されると、ブナに代表されるような老大木の天然林は目の敵にされ、ひと様の役に立たない『老齢過熱林』と位置付けられ、『ブナ退治』の名もとにの多くのブナが伐採されてしまったのです。歴史に翻弄されブナは苦難の時代を歩んできたのです。その後ようやく環境意識の高まりを受けて白神山地の天然のブナ林などは保護されユネスコの世界自然遺産にまで登録されたものの、成長に時間のかかるブナ林の復元は容易ではありません。

また、ブナが不遇な目に遭ってしまった遠因と考えられているのが、ブナ独特の胡麻目のような点々がついているような木柄だとも言われています。私は個人的には問題ないのですが、日本人の好みの主流は木目がくっきりしたケヤキやサクラのような木柄で、ブナの表情そのものが日本人好みではなかったため評価が低かったとも。そのため椀や盆などに繰りぬいたり削ったりして、漆で塗装して木目が目立たない用途で木地師が好んでブナを使ったのかもしれません。

ブナは素材としてだけでなく、その実が動物たちの食料ともなることから、豊かな森の象徴ともされていて『マザーツリー』の別名もあるほどです。ようやくブナの真の姿に気づき、「木でない木」とまで卑下したブナに謝罪の気持ちを込めて、「木に貴い」という字をあてて『』と呼ぼうという活動が、ブナの北限といわれている北海道黒内松町では行われています。実はこの黒内松町は、私の故郷西予市は合併前の旧野村町時代からの姉妹都市を結んでいるご縁ある町なのです。

ブナについてはもっと早く取り上げたいと思っていたのですが、なかなかブナのある森に行く機会が無くてすっかり遅くなってしまいました。ささやかながら愛媛の森で育ったブナも少しずつ入荷するようになってきましたのでいずれ改めてご紹介します。最後にブナはいろいろな漢字で表されることも多く、『山毛欅』とも書きますが、これはブナの若葉は裏面に産毛があって、その葉っぱの形がケヤキによく似ていて、里にあるケヤキに対して、ブナが山にあることに由来しています。




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