森のかけら | 大五木材


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これは昨年作られせていただいたものですが、愛媛県産の『カヤ(榧)』の木を幅剥ぎして丸く切り出した円形のカウンター。カヤといえば将棋盤碁盤などとして有名ですが、その他にも適度な弾力があって、光沢があり、水質にもよく耐えることから風呂桶まな板船舶用材などの水に関わる場面で利用されています。将棋盤には高齢木のよく目の詰まった良質な材が求められ、中でも盤面の上下がともに緻密な柾目のものは、『天地柾』と呼ばれ最高級とされます。値段を聞けば気軽に将棋など出来なくなるほど!

まあ弊社の場合はそんな高額な材には縁の無い材木屋ですので、そういう立派なカヤを求めては居ませんが、カヤ自体は四国にはよく自生しています。ただし天地柾が取れるような材となると樹齢が200~300年クラスの大木になるのですが、そういうカヤはほとんど無くなりました。もしあったとして、その木で将棋盤を作ったとしても、バブル当時ならいざ知らず現在では投機の対象のような数百万もする価格では売れるかどうか。高級将棋盤や碁盤という用途も材質を活かした出口ですが、それに該当するのは超エリートのカヤのみ。

それ以外の多くのカヤは、もっと小さくて枝も多くて節があり、選ばれし栄光の舞台には立つことは出来ません。しかし私はそんなカヤの方に強く惹かれるのです。この節のある木をどう活かそうか、どういう場面に使えばカヤを使う意義が生まれるだろうか、節まみれのカヤの木を眺めながらそんな事を考えるのが楽しみ。折角縁あってうちにやって来た木には、なるべくならば『意味のある出口』を用意してあげたい。すべての木にそれが出来るわけではないものの、日頃からそういう事を考えておく事は大事なので、出口を考えることを習慣化させています。

しかしこちらが、いいと思った出口も相手があっての事なので、受け入れていただかなければ出口に導けません。今回はある飲食店のカウンターにお使いいただいたのですが、これが4m近いストレートのイチョウのカウンターと繋がります。この円型のカウンター、直径1200㎜あって、結構な大きさですが、生憎イチョウでは適サイズのものがなかったので、イチョウと同様によく水に耐えて、適度な弾力を持ち、質感も色合いもよく似たカヤをご提案したところ、快く受け入れていただきここに至りました。カヤの材を削るとは甘いバニラのような匂いがします(あくまでも私の個人的な感覚)が、この丸いカウンターが倉庫にある間は、大五木材の倉庫の中も甘いバニラの匂いに包まれていました。この丸いカウンターが使われたお店の情報についてはまた後日改めてご紹介します。




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